リンのいう友達とは①
『武道大会』も終わり、ボブとライラも王都に帰ってから、俺たち迷宮都市での生活は変わらない日々をすごしている。
表では、カフェ、食堂、夜中はダンジョン間引きの生活を続ける。
そんなある日、俺はある事が気になり、リンに聞いた。
「リンは友達できたのか?」
「わからない。 サラとリリーとは買い物にいったり、お昼を食べるがそれは友達なのか?」
「俺に聞かれてもな。 正直もわかんねぇー。 なんでリンは友達が欲しいっていったんだ?」
そういや、リンの友達を作るという目的で、迷宮都市に来たはいいが、俺はリンに何で友達が欲しいと言い出した理由を聞いてなかった。 まぁ、暇だったから、何かしらの目的を作ってやってきたというのがあるが。。
「われは、シュンが、アーク、大魔王や元竜王、白狼、それにグランやイアン達と楽しそうにしているのを見ていて、われもいいなって思ったからだ。」
うん?あれ、そう言う事だったのか。 ようやく俺は、リンが友達が欲しいと言い出した理由がわかった。
「そういうのを友達というなら、リンだってその中にいるぞ。 今度アークに聞いてみろ。 アークはリンの友達だ。 それに他のやつらもな。」
だが、リンの表情は、どうも納得しておらず、難しい顔というか、寂しそうな顔をしている。
「シュンの繋がりから、始まった。 われの繋がりはない。」
「俺とリンは一緒だ。 俺の繋がりはリンの繋がりでもある。 それに、無理にリンが付き合う必要はないし、リンがいい奴だと思う奴と付き合えばいい。 リンはアークの所に行くのは嫌か?」
「アークの所は楽しい。 アークはわれの友達でいいのか? シュンはそれでいいのか?」
「ああ もちろんだ。 アークに今度聞いてみろ。」
「うん、われにも友達がいるのかもな。」と嬉しそうな笑顔をするリンだった。
それから、また突起する事もなく、迷宮都市での生活の日々はすぎる。
たまにアーサーがきたり、ポーター君の甥っ子達が週一度顔をだす。 当初、甥っ子たちはお金を支払うといったが、受け取らずタダで食べさせてた。 そうして、魔界に行くために3週間の休業にはいった。
◇◇◇
そしてここは、アークの家。
既に、魔界から戻り、俺は指定席で翼を出しタバコを吹かしながらエールを飲みながら、アークと談笑している。
すると、リンも起きて、俺のほうへくる。 俺は、リンにエールを渡した。
「リン、アークに聞くことあるんだろ?」
「リンなんだ?」とアークがリンを優しく見る。
リンが真剣な顔をして緊張している。 そして、決心したリンは、緊張した声でいう。
「アークはわれの友達か?」
__少しの沈黙が続くと、アークが爆笑する。
「真剣な顔すっからなんだ思って俺も緊張しちゃったよ。 リン、今更なに言い出すのかと思った。 ずっと前から友達だし、それに妹でもあり娘だと思っている」といって、アークはリンの頭を撫を優しくなでる。
すると、俺が今までみた事もない笑顔になるリン。
「なんだ、われにも友達いたんだ!」と喜んだ。
「な、言った通りだろ。 ってか凄い笑顔だったな。」
「ああ、いいもん見せてもらったぜ」と、優しい笑顔のアーク。
「「我もリンの友達だ(じゃ)」」といって現れた大魔王と元竜王。
「本当か! われ、友達いるぞ シュン」と笑顔でいうリンがいた。
「良かったな リン」と、俺はリンの頭を珍しく撫でた。 リンも嬉しそうだった。
こうして、俺は無事、当初の目的であったリンの友達作りを達成する。 ってか、達成していたらしい。。