ボブとライラ
あっという間に月日は流れ、ボブとライラが迷宮都市の食堂に来る日。
「シュン、リン 元気にしてるか?」
そう大きな声で言って入ってきたのはボブ。 ライラも「変わりなさそうね」と旅の疲れもなく笑顔でやってきた。 二人共、相変わらずだ。 ボブとライラを出迎えたリンも、自然な笑みがこぼれている。
「ボブさんもライラさんも元気そうでなによりです。」
「そろそろかと思ってよー 飯作ってる。 そいつカールな、従業員でやとったんだ、カール部屋案内しろ」
俺は、厨房から顔を出しながら、カールにライラとボブの部屋を頼んだ。
食事の準備も終わり、俺たちは5人でエールやワインを飲みながらちょっとした歓迎会っだ。
「約8ヶ月ぶりか、あんま変わるわけねーか。 な、ライラ」
結構飲んだのか、ボブはほろ酔いで上機嫌でいう。
「ええ、あ、でもお部屋素敵だったわ。 ゆっくりできるしね。」
「ボブとライラは大会見にきたんだろ。 学生の部と大人の部があんだってな。 4日間もあんから、なんだと思ったぞ。 どれ観戦するんだ?」
今回、迷宮都市で開催される『武道大会』の決勝トーナメントは学生と大人の部がある。 しかも4日間もだ。 食堂に来る客曰く、観戦チケットはなかなか手にはいらないらしい。。
「ははは、やっぱ最終日の準決勝、決勝が観戦がチケットとれなくて、前日のチケットをどうにか手にいれてな。」
「そうなのか? んじゃぁ、これやるよ」と俺はチケットをボブに渡す。
「おい! シュン、これ最終日のじゃねーか。 しかも結構いいい席だぞ。 どうしたんだ?」
「はは、最近よく来る商人の隠居おやじが、よこしたんだけど俺ら屋台やるから”いらねぇ”って言ったら、他に行きたい奴らがいたらあげろって言って、勝手に置いていってな。 6人も入れるみたいだ。ボブの知り合いとか誘って行けよ」
俺が渡した観戦チケットを嬉しいそうに見ているボブ。
「なんか俺たちだけ楽しむ事になって悪いが、遠慮なくもらうな。 お礼でもないが、暇ん時も俺とライラも屋台手伝うぜ」
「ふふふ、来て早々いいものもらっちゃったわ。 是非手伝うわよ」
「ああ、頼むな。 なんせよ、屋台の営業。 大会期間中のみかと思ったらその前日からでよ、つまり明後日からだとさ。 10時縲・6時で、最終日は10時縲・7時だってよ。 そんな人は来ない事を願ってるけどな。そんなんで今週は食堂もカフェも営業しない事にしたしな。」
その後は、ボブとライラが王都の生活などをはなす。
息子夫婦の食堂を手伝っており、ボブはたまに冒険者として採取系の依頼を受けているようだった。