迷宮都市へ
数日後、俺とリンは迷宮都市の入口で検問の所で並んでいた。
「王都よりだいぶ小さいが、それなりの大きさの街みてぇーなだな。」と俺はタバコをふかしながらいう。 「ああ、そうみたいだ。」
検問で門番が言う。
「迷宮都市へようこそ。 身分証と訪問理由を教えてくれ。 フードとってね。」
俺らは被っていた外装のフードを外す。
「すんげー田舎から来たんで、身分証はない。 あとここには仕事探しだ。 結婚したばかりでね。」
「なるほどね。 美男美女カップルだね。 身分証ないとなると、この水晶に手をあてて。」と言われた。 王都のギルドとは違って、犯罪履歴の確認用の水晶だ。 俺達は言われるまま、手をかざす。 反応はしない。
「犯罪履歴はないねって事で、問題なしだ。 通行税はここは無料だよ。 身分証は、ギルドか商業ギルドで発行してるよ。 これ、仮カードで、有効期限は今日から1週間だ。 1週間以内に身分証発行できないと、この都市に滞在できなくなるからそれまで身分証作ってね。 」といって門番に仮カードを渡された。
へぇー、今の時代、こんなカードがあるのかなど思ってた。
「そういえば、知り合いが餞別で魔石くれたんだが、どこで換金できるんだ?」
「ギルド、魔道具店かな。 正規価格はギルドだよ。 ギルドは、この道まっすぐ行った所にあるよ。 目立つからすぐわかるよ。 買取は冒険者じゃなくてもしてくれるよ」と教えてくれた。
俺は、お礼をいって、検問を通る。
「あんま、ギルドカード作りたくねーよな。 まぁ、無一文だしな。 とりあえず魔石少しだけ換金して、商業ギルドいくか。 一応、カードの支払いは出来るしな。」
「ああ、今回はそっちのほうがよさそうだ」
そして俺たちは、フードを被って、手を繋ぎながらギルドにはいる。
一階が酒場だ、昼前とあって人もあまりいない。 受付には、数名並んでいるが買取は誰もおらず、厳ついた40代ぐらいのおっさんがいた。 なので、俺はそのまま買取のほうへ行く。
「門番が、ここで魔石かってくれるっていってたけど、ここでいいのか?」
「ああ、ここだよ。 ギルドカード出して」
「ギルドカードねぇ。 無くてもいいって聞いたんだがダメなのか?」
「手数料が、カード無しだと1割かかるんだ。 持ってたほうがいいんだ。 どうする?」
「俺らあんま戦闘とかしたくなくってよ。 魔石も餞別で貰ったもんだ。 んで、ここに仕事探しにきただけなんだ。 」
「なるほどな。 それなら、商業ギルドで仕事紹介してもらいな。 仕事あるといいがな。 魔石どうする?」
なるほどな。 そういう事かと思いながら、俺は適当に魔石を10個ほど出す。
「手数料はかまわねぇ」
魔石を鑑定し始めるおっさん。
「これ、中級ダンジョンの15階層じゃねーか。 ほー、結構優秀な冒険者からか? しかも10個ってラッキーだな、おめぇーら。 1個 銀貨3枚だ。 初級じゃ、10階層までは魔石5個で銅貨1枚なんだぜ。 手数料抜いて金貨1枚に銀貨16枚と銅貨10枚な。 細かいほうがいいだろ。」
なるほどね。 ダンジョンの階層で魔石の価格が変わるのか。
「ありがとな。 商業ギルドってどこにある?」と俺はお金を受け取ながらきく。
すると迷宮都市内の地図を出してくれて、ついでにお勧めの宿を教えてくれた。
顔は厳つくともいい人であった。
それから商業ギルドにいって、身分証を発行してもらう。 1人銀貨3枚だったが、現金で支払い、仕事募集の冊子をもらった。
職探しだな。




