リンのケーキ
それから暫くして、王家から謁見要請の書状をもった使者がくるらしい。
その情報をつかんだサラが血相を変えて慌てて店にきて教えくれた。
彼女曰く、どうやら、リンのケーキを出したパーティーに第3王女がいたらしく、えらくケーキを気に入ったらしい。 ただ、リンとの約束もあり、商人である商会ギルドだ。 秘密保持のためここ管轄の貴族にも一切リンの情報は伝えていなかったとのこと。 なのに、謁見要請の使者がくるという情報を掴んだので教えに来てくれたらしい。
流石のボブもライラもこればかりはどうしょうもない。 とりあえず、サラは帰らせた。
俺はタバコに火を付けて一服する。 どうやって情報をつかんだんだか気になるが。。
「たかがケーキで、呼び出すんか? 面倒だよな。 会いに来たきゃそっちが来いだよな。 まぁ、来てほしくもねぇーが。」とごちると、「本当です。 面倒です。」とリンもごちるのだった。
◇◇◇
すると使者らしき者を乗せた馬車が食堂の前に止まる。
裏通りに滅多に通らない豪華な馬車に、近所や行き交う人達は興味深々で集まっている。 野次馬だ。
使者らしき男が馬車から出て、店の入り口でいう。
「ここに、リン・グラントという者がおるな。 喜べ、第3王女様が偉くお前のケーキを気に入ってな。 貴様を王宮の専属パティシエに雇ってやる。 今すぐ王城へ上がる準備をしろ」
なんだ、こいつ、すげー上から目線で、偉そうじゃねぇーって俺は思っている。
「興味ありませんので、お断りします。 お帰りください」とリンが直接目の前に立っていう。
使者は想定外の返事に命令口調になる。
「貴様! この誇れある名誉を。 一介の平民ごときが。 文句はいわせん。 ついて来い」と怒鳴り、リンを連れていこうとする。 ボブとライラは何もできない。 まぁそうだよな。
「嫌だっていってんだろ、それにリンは俺のだ」といって俺は、使者がリンを無理やりつれていこうとして出した手を振る払ってやった。 リンに触ろうとするな。
そして唖然としている使者。 俺はタバコをふかしながら、いってやった。
「つうかさ、オメェー使者なのか? 普通、書状ぐれぇーもってないのかよ」
そんな使者は、俺の無礼な態度に「き、きさま」と怒りを露わにしようとするが、俺は使者だけ殺気を出し、威圧する。 「で、あんのか?」というと、震えながらその使者は書状を出し、俺に渡してきた。
やっぱあんじゃんかよこいつ、と思いつつ俺は手紙を開いてよんだ。
全然こいつが言っている事と内容ちがうじゃねぇーか。
「ふーん、興味あれば城で働きませんかになってるけど。。 どういう事だ?」と俺は使者を脅した。
「ふ、普通は、断らんゆえ、わ、わたしも横暴すぎた。 す、すみません。 ただ、わ わたしも、手ぶらでは帰れなくて。。 」と震えつつだんだん涙声になっく使者。 とうとう、床に座りこむのだった。
このぐらいの殺気で、泣くか普通。 面倒だな。 俺は溜息を吐く。
「リン、こいつ変なことしたら縛って。 手紙かくわ。 メンドクセェー」といって俺はタバコを加えて一度部屋へ行く事にした。
シュンが部屋に行くのをみたボブとライラ。
「リンちゃん、何がおきたんだ?」
リンがその座り込んでいる使者のほうをみながら「シュンがちょっと怒ったんですよ。 横暴な人嫌いですからね。」
俺が手紙を書いて、食堂に戻ると、特に使者は暴れていないみたいで、ただ座りこんでいた。
俺はそいつに手紙を渡していう。
「国王に渡せ。 国王じゃないと開かないぞ、この手紙。 国王にいっとけ、関わるんじゃねーってな、もし違えたらわかってんだろ っていえば通じる 早くでてけ!」と言って俺はそいつの首根っこ掴んで店の外へほうり投げた。
その後、俺の言動や行動に唖然としていたボブとライラがいた。
そうなっちゃうよね。
「ボブ、ライラ、悪かったな。 まぁ、もう大丈夫だ。 知り合いが国王のこと知っていて、もしもの場合、さっきの手紙を渡せって言われてたんだ。 だから、もう奴らが絡んでくることはねぇだろ。」と説明する。
あまり詮索はよくないと考えたのかボブは、「シュンがそういうなら信じるさ」と苦笑する。
「貴族、王族ってほーんと面倒だよな。 だから、嫌らいなんだよー」と俺がいうと、みんな「ほーんと、面倒だ」といい、とりあえずその場はいつも通りになる。