名門学園の生徒が来ているらしい
名門学園の生徒達が迷宮都市に滞在期間となるが、俺たちは特に生徒に遭遇する事なく平穏な日々をすごしている。
そんなある商会へ仕入れの注文日。 いつもは俺のみだが、学生が来ているという事で、ボブ、そしてリンと食堂の倉庫で、在庫確認して、仕入れの品をメモしていた。
リンのほうは、ケーキの材料が心もとないという理由で、一緒に倉庫にきていた。
せっかくなのでという事で、俺たち3人で、商会に仕入れの注文へ向かう事になった。
俺は、外ではフードを被っている。
商会に入ると、俺とボブは、担当の男性店員とリストを見ながら発注の手配をしている。 リンも俺の隣で一緒に仕入れの発注をしている。
「あれ、ボブさんとこのリンさんですよね。」
って、リンに声をかけた来たのは、俺たちがいるカウンターからだいぶ離れた別のカウンターいる、20代前半の女性定員だ。 知り合いか? すると、リンは彼女のほうを向き、俺に残りのリストを渡して彼女の方へむかった。
Side:リン
われを呼ぶ女性定員のところに向かった。 シュンが嫌がるからだ。
「えーと、ケーキを食べに来てくれる方ですよね。」
声をかけてき女性は、カフェの常連客だ。 われは彼女が商会で働いているとは知らなかった。
「覚えてくれて嬉しいです。 私 サラっていうんです。 リンさんケーキのファンで、毎週楽しみにしてるんですよ。 今日は珍しいですね。 うちに来るなんて。」
「ここの仕入れは、うちの旦那かボブが来るんですが、今日はたまたまついてきたんですよ。 うちの旦那、あそこで帽子被ってる人なんですが、女性恐怖症かつ人付き合い苦手なんです。 話しかけちゃだめですよ」
すると、サラがクスクスと笑う。
「ええ、ここでも有名ですよ。 いい男が仕入れに来るけど女性は対応するなってね。 女性陣は遠くで眺めてますよ。 でも、リンさんの旦那さんなんですね。 ふふ、リンさんだけは大丈夫って、素敵ね。 あ、また今週もケーキ楽しみしてます。」といってサラは仕事に戻った。
シュンの女嫌いは定着しているようだ。 われも学生の時とは違う反応で居心地が良かった。
学生より、今の生活のほうが、シュンにとってもわれにとってもいいようだ。
そうこうしているうちに注文は終わり、明日には用意できるとの事でわれ達3人は帰宅する事になるが、ボブがギルドに寄るというので、シュンとわれはフードを被って、ギルドより少し離れた公園のベンチに座りコーヒーを飲みながら待つことにした。
◇◇◇
俺はタバコを吹かしながら、リンが先ほど商会で話していた女性の話を聞いていた。 カフェの常連客らしい。 リンに友達かって聞いたけど、まだよくわからないとの事だ。 俺も友達という感覚がわからないから何もいえない。
「そこの君、未成年でしょ。 喫煙は成人してからよ! どこのクラス うちの学生とはおもえないわ」
って、俺たちの方に向かっていきなり大声でツカツカと向かっくる女がいる。
なんだ、この女。 大声だしやがって。 うるせぇーし、臭いわ。って思っていたら、リンがその女と俺の間に立ち入る。
「私達、成人してますし、学生じゃありません」
「うそおっしゃい。 どう見たって学生じゃない。」と女が騒ぐ。
リンが、商業ギルドカードを出して、見せる。
「見てください。 19歳って書いてあるでしょ」
が、その女は聞く耳をもたない。
「きっと他の人のでしょ。 私は、騙されませんよ。」
俺は、リンが間に入ってくれているのはわかるが、いい加減にしろよなと、かなりイラついていた。
ちょうど、ギルドからでてきたボブが、「おい、そこの女 何 俺の知り合いに文句いってんだ!」と怒鳴って走ってきてくれている。
それでも女は今度ボブに食って掛かるのだった。
「私は教師として、未成年なのに喫煙はするわ、他人のカードは見せて嘘いう子供を正してるんです。 邪魔しないでください。」
ボブはこの状況に特に俺とリンを居させるのは酷だと判断したようだ。
「シュン、リン、この女は俺が説教しとく。 お前ら2人で店へ急いで帰れ。 シュンがもたん」とボブがいいながら、その女を羽交い締めにしている。
俺はリンの手をとり「ボブ、わりーな」といってその場から離れた。
「待ちなさい、 あなた離しなさいよ!」と女は喚いているが。。 知った事ない。
俺とリンは、さっさと路地に移動して、転移して食堂近くに戻った。 食堂に戻るとボブと一緒にいない俺たちを見てというか俺が不機嫌だっていうのもあり、リンがライラに事の顛末をはなしている。
ライラも頭にきて、
「なにその女 最悪ね。 あなた達が無事でよかったわ。 ボブがなんとかするでしょ。 コーヒーでものみましょ」と準備し始める。 「大丈夫か?」とリンから聞かれ、「リンが間に入ったからな。 じゃなきゃ殺してた。」と俺がいうと、「ああ、ボブ達の手前さすがに公衆の面前で殺しはな。 だから間にはいった」というリンだった。
本当、何なんだ、あの女。