食堂 初仕事 中編
それから開店準備。
基本今日はリンは注文は取らず配膳と片付け、シュンも調理はせず、皿洗いとすでに小分けしたサラダや焼いたパンを準備するだけだ。 ボブとライラのする事を見て流れを覚えるという感じだ。
そして、昼の営業開始となる。
開店直後は客がはいらないが12時ちかくになると混み合う。 客層は30代から40代が多い。 回転もよくそこまで忙しくはない。 閉店の時間近くになると、客もまばらだ。 するとボブとライラの知り合いか4人組の中年が入ってきて、「ライラ、おいおい、可愛いウエイトレスや雇ったのか? ボブ、似合わなーぞ、こんな小汚い食堂に!」といいながら、席へつく。
「小汚、いうならくんなー」と厨房で叫ぶボブ。
ライラが注文を取りに4人組のところへ。
「はいはい。 あの子はリンちゃん、今日から働いてもらってるのよ。 厨房に旦那さんいるからね。 2人で家に住み込みよ。 で、注文は?」
「若いのに既婚か。 羨ましいね旦那さん。 注文は、俺パスタな。」とそれぞれが注文してく。
注文を取ったライラは、店を看板を”Close”にするのだった。 リンとライラが配膳をするころには他の客はおらず4人組だけが残った。
するとボブが、
「あいつら俺の冒険者仲間だ。 エールだしていいか?」と聞かれ、「ああ、かまわんぞ。 」といって俺は12本だしながら、「つまみ作るか?」と聞くと「じゃがいも残ってるから、フライドポテト作ってくれ わりーな」といわれ、「わかった。」といって、俺は料理を作りはじめる。
ボブは、エールをもって4人組のところへ行き、ライラとリンも混じって談笑しているみたいだ。
「するってと、奥さん以外の女性恐怖症で人付き合いも苦手な旦那さんが、ここが良いって行きなり来てタダ働きでも構わねぇーと言って、このすんげー美味いエールを出してきて、ボブが共同経営にしようと言い出し決まったと。 ボブも変わってるが、リンちゃんの旦那さんも変わってるね。」というのは、ボブの冒険者仲間
「俺は変わり者じゃねーぞ、 なぁライラ」というと、「でも、普通ではないわね」とクスクス笑うライラだ。
「ボブ、つまみできたぞ。 ついでに昼食も作った」と俺がいうと、ボブとリンが取りに行て、「シュンもこっちにこい」といわれ俺は厨房からでる。
「お前らのつまみだ。 シュンが作った」といい配膳しながら「こいつがシュンな。 リンちゃんの旦那だ。 いい男だろ」といってボブの冒険者仲間に紹介された。
「シュンとリンはそこで食べろ」といってボブが近くも遠くもないテーブルをさすから、俺とリンはそこへ移動して座るのだった。
ライラとボブは4人組のほうに椅子だけもって合流。 今日の賄いはナポリタンである。
「リンちゃんも可愛いが、旦那はかっこいいな。 女性客増えそうだな。」というボブの冒険者仲間。
「シュンが女性恐怖症だからな、厨房から営業中は出さねーよ。 シュンの料理うめーしな。 まじ、今日も美味しい な、ライラ」
「ええ、シュンは出しませんよ。 ほんと、何を作らせても美味しいしね。」といってナポリタンをほおばってる。
「ははは、ちげーねー。 このじゃがいもも美味いし、エールも美味い。 汚い店に若い女性は来ないもんな。」といいながらポテトとほおばる面子。 「リンちゃんが、またデザートを作れるらしいのよ。 シュンが、甘党で作れるようになったみたい。 今度作ってくれるって。 楽しみよ」って嬉しそうなライラ。 リンのデザートは旨いから俺も楽しみだ。
「ボブもライラも、楽しみが増えてみてーだな。 夜の準備あんだろ、俺らは行くよ」といって冒険者仲間は帰っていった。
一方、シュンとリンにとって、初めての任務もとい殺しのない仕事だ。
「あんま人と関わることもねぇーし、こういう事するのも偶にはいいな。 学生より全然いいな」
「ああ、われも同じだ。 ボブとライラの人柄もあるとおもうが、学生よりいい。」
「リン、夜中任務だ。さっき連絡あった」と俺がいうと、リンも行きたいようで頷いている。