エピローグ
夏休みの終わりごろのことだった。
朝起きてTwitterを開くと、タイムラインが騒がしい。どうやら、成績の開示が始まったようだった。
僕も眠気眼で成績照会をする。
そこには目を疑いたくなるような文字が刻まれていた。
「5単位…落としたのか…僕は…」
僕は単位を落とした。5単位落とした。GPAも学内順位も結構下がった。
でも、一番嫌になるのは
落とした5単位の中に「機械手書き製図」が含まれることだ。
機械手書き製図の成績は「D」の文字がくっきりと刻まれていた。
「まぁでも、理解できていたか聞かれたら…微妙なところだよなぁ」
落単は受け入れざる得ない。これはどうあがいても覆せるものではないからだ。
仮に教授のもとに行って理由を聞いたところで、赤でびっしりチェックの入った自分の図面が見せられるだけだろう。
ふと気になり、後ろの席の友人に連絡をした。
「成績どうだった?手書き製図落とした?」
『製図の単位取れたわ』
一体、何が、駄目だったのだろうか。
お互い同じような図面を描いたはずなのに、僕が落ちて、友人は落ちなかった。
これはまさか、運が絡むのだろうか?
真相は、闇の中である。
この物語はフィクションです。登場する人物・団体・名称等は架空であり、実在のものとは関係ありません。