チート能力
あれから俺は、無我夢中で走った。人生で一番走ったと言っても過言ではないほど走った。
「....はぁ、はぁ、つかれ...てない!?」
流石は夢の中、というのか俺の身体は全く疲労を感じていなかった。それに走るのも早い。
「...とりあえず、このくらい離れれば溶岩には巻き込まれないだろ。」
俺が歩きはじめたのは草木の茂った森の中だった。ここならきっと溶岩もこないだろう。もしかしたら、噴石が飛んでくるかもしれないけれど大したことないだろうし。
「えっと..なんだこの表示」
突然目の前にゲームのインベントリのような物が現れる。それを触ろうとした手は、虚しく空を切った。ということは、これは直接目の中に写り込んでいることになる。
この手の夢は、大抵アクションRPGだよな。ということは、きっと頭の中で思うだけでこの表示を操れるはず。
伊達にニートをやっているのではない。今まで培ってきた王道パターンを試してみると見事に表示を変化させることが出来た。
バッグの中を見てみると、今装備している洋服と水袋と大量の硬貨や武器が入っていた。今まで必死で気がつかなかったが洋服がRPGに出てくるローブに変わっている。もしかしたら、これが初期装備なのかもしれない。しかし、硬貨も含めて武器や素材もあるとは、随分充実してるな。
「えーっと、レベル....MAX!?!?」
周りに誰もいないことをいいことに大きな声で叫ぶ。だか仕方ないだろう。最初の癖に、ステータスがチートレベルなのだから。
「えー、チートパターンか。夢なのに設定がしっかりしてるな。」
しかも年齢は18歳。外見もかなり若返っている事だろう。
とにかくここから一番近い街に行こう。ゲームヲタクとして、こんなリアルな夢を満喫しないわけにいかないもんね。
マップを右端に表示させ、一番近くの街....ラグフォールに向かった。




