異世界転移なんて聞いてないから!!!
轟々と鳴り響く地響きに目が醒める。グラグラと不安定に動く地面、幾度も頬を掠める砂の感覚______引きこもりニートである俺、相沢裕也が体験するのは到底無理なこの状況に思わず右手を地面につけた。
_____どこだ、ここ。
段々と覚醒していく脳を働かせ、周りを見渡す。
砂埃のせいで視界が悪い。ただ俺の座っている固い地面からすると、ここは荒野か山。それも、かなり荒れている所だ。
土が爪に入る感覚が気持ち悪くて顔をしかめる。地面についている左手からは不規則な揺れが感じられた。
___不規則な、揺れ?
ギュンギュンと、頭の回転が加速していく。徐々に答えに近づくにつれて、至る所から汗が吹き出た。
「....火山!?」
俺の経験上、というか、義務教育で習った知識上この状況は火山しかあり得ない。草木が殆ど生えていないのは、溶岩で焼け溶けてしまうからだ。つまり、それから推測すると、ここは、噴火直前の活火山ということになる。
....やべぇじゃねぇか!!
勿論こんなおかしい事が現実に起こるわけがない。きっとこれは夢だろう。
だが、夢だとしても死んでしまうのは胸糞が悪い。
活火山という結論が出た以上、ここから離れなければ。
慌てて立ち上がった俺は、ズボンについた砂埃を払って駆け出した。
今思えば、引きこもりの俺がこんな正常な判断をして走るほど体力があるなんておかしいのだが、この時の俺は何も考えずに走るのであった。




