姉妹
あるところに、二人の女の子がいました。
二人は姉妹です。とても仲の良い姉妹で、けんかなどしたこともありませんでした。
二人はとてもよく似ていました。顔も、性格も、考え方も、好みも。そしてお互い、相手に対する思いやりをもっていました。
まだ幼かったある日、二人はお菓子を貰いました。
けれども、そのお菓子は一つしかありませんでした。
彼女たちはすぐ目の前に置いてあるお菓子を見ながら、しかしどちらも、決して手を伸ばそうとはしません。
やがて、姉の方が言いました。
「じゃあさ、半分こ、しようか。」
二人は、ひとつしか無かったお菓子をふたつに割って食べました。それはなんだか、一人でひとつを食べるより楽しいことのように思えました。それから二人は、何でも分け合うようになりました。
二人の間に、隠し事はありませんでした。
姉が小学校に入り、別々に過ごす時間が増えてからは、二人はお互いに、その日一日の出来事を教え合うようになりました。
そうして穏やかに時は過ぎ、二人は思春期に入りました。
そして、同じ男の子を好きになりました。
二人はちょっと困ったように顔を見合わせ、やがて、姉の方が言いました。
「じゃあさ、半分こ、しようか。」