麺屋 おどろおどろ
1話と合わせて読むといいかもです〜
俺はこの高校のサッカー部のキャプテン、ロブ・星願男だ。みんなからはエビ男と呼ばれている。今日はとてもいいことがあった。
部が始まってから20年間、1度も勝利したことが無かったうちのサッカー部が、ついに勝ったんだ!相手はちょっと言えないが、初勝利だ!
と、いうことで、今日はキャプテンである俺のおごりでラーメンを食べに行きます!
歩いてラーメン屋に向かう一行。
「はぁー、胸がすぅーっとしたよ!」
「今まで20年間負け続けてたって、先輩たちそんなに弱かったのかよ!ははは!」
「そのうちの2年は俺達だけどな」
何でもない話をしているうちに、「麺屋おどろおどろ」に着いた。
ここのラーメン屋の店員さんは妖怪で、人気のある店だ。スープのダシがなんとも言えない。そう、なんとも言えないのだ。
なんでも、妖怪の中でも狩る側と狩られる側があるらしくて、人間界で言う、豚とか鶏の骨でダシをとっているのだ。
チャーシューはもちろん、その動物の肉だ。
しかし、このチャーシューはあまり美味しくない。薬っぽい味がする。
メンマ!ここのメンマは割り箸を1ヶ月煮込んで作っているそうだ!ここは割り箸も1ヶ月煮ると美味しく食べられるというのを証明した店なのだ。
そして、麺。超極細の究極の麺だ。黒くて、普通の麺より短いが、とても細いのだ。
長さでいうと、人間の髪ぐらいかな。というか、人間の髪だね。というか、ラーメン全体が人間でできてるんだよね。
うん、うまい!麺が細ければ細いほどスープが絡む!そしてこのメンマ!!
「うわ〜、このラーメンまずいわ〜」
誰かが呟いた。シーンとした店内だったので、全員に聞こえただろう。
その時、うちのゴールキーパーの佐藤が立ち上がった。実は、打ち上げにここを選んだのはこいつなのだ。
「お前!このラーメンがまずいだと??こんなにうまいラーメンはないだろ!」
「このラーメン、血なまぐさいんだよ!俺達11人は今日の出来事で血液恐怖症になったんだ!」
「なんだ血液恐怖症って!聞いたことないわ!」
ここはキャプテンである俺が場を収めるべきなのだろうか。
否!!
勝手にやってろ!
喧嘩の声を聞くに耐えなくなった店主が提案した。
店「おい、佐藤ちゃん。向こうも11人だそうだし、サッカーで白黒つけたらどうだい?」
「え、でも大将........。こいつ大将のラーメンをバカにしたんだよ?」
店「うまいかどうかを決めるのはお客さんだ。俺が口出し出来ることじゃないんだ。そちらの方、他のお客様のご迷惑になりますので話し合いなら外で」
「だまれ妖怪」
向こうの1人が言い放った。
この発言にはさすがの俺も怒りを抑えきれなかった。
「ぁ、ぁの........そ、そぅぃぅぃぃかたは........」
「はあ!?聞こえないよ!そもそも俺は妖怪に言ってんの!いかにもサッカー下手そうなお前には言ってないの!」
「はぅっ........!」
キャプテンなのに、下手そうって言われた........。もう許さん!ぶっ殺してやるぅぅううわぁああ!!!
「ちょ、ちょっとぃぃすぎじゃなぃですかぁ................」
「もう放っておけよ、キャプテン!あんな奴らの相手なんてするな!」
「あんな奴らだとぉ〜?俺に言ったのか!というのより、そいつがキャプテンだっていうのに驚きだよ!」
それから15分ほど口喧嘩して、結局サッカー対決をすることになった。会場といえばやっぱり学校のグラウンドかな。
学校に向かう途中、1人のメンバーが呟いた。
「この試合になんの意味があるんだろう」
「何って、白黒つけるんだろうが!」
「それがおかしいんだよ。僕達が勝ったらあいつらはラーメンを美味しいと言わないといけないんだろ?それで、僕達が負けたらラーメンは美味しくない。そんなのありえない」
一同「ホントや!!」
こんな意味の無い争いはやめよう、仲直りをしよう。と向こうのリーダーらしき人が言ってきた。まあいいだろう。しかし、俺を下手そうだ、と言ったやつだけは許さない。
「ぁ、ぁのぅ........、そちらのかたのぉなまぇは........」
「俺は名古屋味噌太郎だ。それがどうした。」
「な、なごゃみそたろぅ〜、ぉ、ぉまぇにけっとぅをもぅしこむ........!」
「キャプテンは名古屋味噌太郎さんに決闘を申し込むと言っています」
「いやー、ほんとに声小さいねー、聞こえないし、読めないし、とうもろこしに見えたよ」
名古屋味噌太郎「いいよ。君に負ける道理が無い」
「ゃっぱり........ぃぃです........ぼくなんかが勝てるわけなぃです........」
一同「ダメだなこいつ!こいつ置いて帰ろうぜ!!」
........!?........合唱みたいやな.......。
???「今日はよくもやってくれたな.......」
こ、こいつらは.......!!
感想待ってます(*≧∀≦)




