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俺とあいつのチートはどちらが強い?  作者: 黒猫
港街 ノーティラス
7/90

閑話休題 港街ノーティラスまでの道程

今回は箸休め的なお話を。視点をヤマトに変えてお送りします。

 シトラスと初めての夜を過ごした翌朝。

 目の前にはシトラスの胸がある。

 ふにっ


「んっ・・・」


 シトラスはまだ寝ている。

 生前は童貞だったし、女の子とこうゆう関係になる事があるなんて考えられなかった。

 ここは楽園か?

 ふにふにっ


 シトラスは起きる気配がない。

 素晴らしい。あの毒舌爆乳天使みたいに大きいのもそれはそれで魅力的なのだけれど平均的な大きさももちろん愛でるべきであって本来であれば個人の好みだがしかし優劣をつけるべきではないのであって大きいのも小さいのも平等に讃え賞賛し崇め奉られてしかるべき・・・この間30秒。あ。


「ヤマト君?

 もうっ私のおっぱい触りすぎっ」


 いつの間にか夢中になっていて気付かなかった。

 無理に起こしてしまったのはダメだな。


「昨日の夜、あんなに触ったり揉んだり舐めたり吸ったりしたのに足りなかったの?」


「昨日の夜、あんなに触ったり揉んだり舐めたり吸ったりしたのに足りなかったな」


 俺は考える時間もなく断言した。


「もう。ヤマト君ってば。

 ・・・えっち。

 でも・・・好き」


 シトラスの方から俺にキスをしてきた。

 そのまま俺はシトラスの背中に手を回そうとした所で、フレイアの冷たい声が耳に突き刺さる。


「御主人様。

 朝食の準備が出来ております。

 早く支度をして召し上がりやがって下さい」


 フレイアが怖い。

 フレイアは少し疲れた様子というか目の下にクマができている。

 心当たりは特にないな。

 うん。昨晩シトラスといちゃいちゃらぶらぶ初体験をしていたけど、それは関係無いはずだし。


「何をぼーっとしてやがるんですか?

 御主人様、早くなさりやがって下さい。

 後片付けが出来ないじゃないですか。

 それとも御主人様の分はもうお下げしますか?

 あ、ほら、冷めないうちにシトラス様は召し上がってください」


 ん?俺とシトラスで言葉遣いが違う気が。

 気のせいか。

 というか、そういう冷たい視線も言葉遣いも御褒美です。ありがとうございます。

 口が裂けても言わないけれど。

 

 ちなみに食事は結構美味しかった。

 昨日は全然食事をしていなかったのもあったのかもしれない。



ーーー

 シトラスとフレイアの2人と共に村を出る事にする。

 フレイアはともかく、シトラスはこの村で生まれ育ったから、どうかと思ったが特に問題は無いということだった。

 まぁ、俺はシトラスが村に残る事を許しはしなかったと思うが。

 

「ヤマト君と一緒じゃないと、私は嫌です」

「おれは御主人様の奴隷だからついて行くのは当然です」

「2人共、これからよろしくな」


 盗賊達が乗ってきた馬に乗って移動する。

 俺は馬術経験は無いが、2人が乗れるのでとりあえずシトラスと乗る事にする。

 フレイアいわく、街道までのほぼ通り道に盗賊団のねぐらがあって、そこには小さいながらも幌付きの馬車があるそうだ。

 それを使って街まで行き、換金をしたりしていたらしい。


「御主人様、あそこがおれ達のねぐらだった所です。

 ついでに残ってる金品も運びましょう。

 お金はあって困るものでは無いですから。

 おれ達の盗賊団『紅蓮の風』は事実上潰滅というか、消滅ですからね。

 ここに金品を残して置いても意味がないです」

「フレイアさん。私も運ぶのを手伝います」

「俺も手伝う。3人でやればすぐだろ」


 無事全ての金品を回収して運び終えた頃には暗くなり始めていたので今日はここで1泊する。

 御者はフレイアとシトラスが交代でやるようだ。

 明日にはいよいよ港町ノーティラスへと本格的に出発する。



ーーー

 ノーティラスへと続く街道に出た所で雨が降ってきた。かなりのどしゃ降りだ。

 昨日のフレイアの炎魔法と関係あるのか?

 俺は馬車を停めて思いつきで2人を馬車に残して外に出る。

 もちろん反射をしているので全く濡れない。

 能力の応用を試す事にしたのだ。

 最初は雨を受け流す。

 まるで完璧な撥水処理を施してあるかのように滑らかに衣服の表面を雨粒が滑る。

 しかもただ滑り落ちるだけでなく、上に昇ったり左右への移動も自由自在にできた。

 それから手のひらに水滴を集めて球状にする。

 そう時間もかからずにかなりの大きさにまでなる。

 最初はビー玉位だった物が最終的には2メートル位に大きくなった。

 御者をシトラスに任せているフレイアが声を掛けてくる。


「御主人様?

 何をなさりやがってるんですか?

 ・・・昨晩もこの狭い馬車の中でシトラス様とギシギシアンアン盛りやがって・・・」

「え?なんだって?

 豪雨で聞こえない!」

「なんでもありません。

 早くお戻り下さい」

「・・・えいっ」


 馬車の中のフレイアに向かって巨大な水球の一部をベクトルを操って飛ばした。

 それは見事にフレイアにぶつかって濡らしていた。


「御主人様・・・おれ、なにか悪い事しましたか・・・?」

「あ、わ、悪い・・・つい、出来心で・・・」


 濡れたフレイアは着ていた服が透けてエロい事になっていた。

 しかもこの世界にはいわゆるブラというモノが無いらしく、生で中身が透けて見えてすごい事になってしまっていた。

 胸は小振りだけれどそれもフレイアの魅力だと思う。


「濡れてるとおれの魔法は半減してしまいます。

 ただでさえ雨の日は調子が悪いのに・・・」

「ごめん。それは、マジごめん。

 知らなかったとは言えごめんな」

「御主人様・・・。

 おれの事を慰めて頂けますか?

 奴隷だから嫌ですか・・・?」

「そんなわけないだろ?」

「だって、昨日も一昨日もシトラス様しか慰めていらっしゃらなかったじゃないですか。

 奴隷のおれ・・・ぃゃ、えっと、あたしのことなんて・・・」

「ごめんな。フレイアの気持ちに気付いてやれなくて」


 俺は水球を捨ててフレイアを慰める為に馬車に戻る。

 俺とシトラスからは2日遅れでフレイアも初体験をした。


「ん?もうフレイアの大事な所が濡れてる・・・」

「御主人様があたしに水をかけたからですっ」


 団内では慰み物にされることはなかったらしい。

 団長だから当然か。

 別に初めてでもそうでなくても俺は構わないが。

 優しくキスをして俺は精一杯フレイアを慰めて癒してあげた。


 途中で後ろの騒ぎを聞いたシトラスも参加してきた。

 シトラスもフレイアも一生懸命で俺に精一杯尽くしてくれた。

 凄く可愛くて愛おしくて気持ち良かった。

 いつの間にか俺自身が癒されてしまっている様だった。



ーーー

 さらに翌日。

 今日の夕方位には街に着くだろうとのことだった。

 俺にはよくわからないが2人がそう言うならそうなんだろう。

 馬の疲れも考えて昼頃、休憩を挟む。

 今日は昨日の悪天候とは打って変わって晴天だった。

 少し暑く感じる位だった。

 そこで俺はまた閃いた。

 ベクトルを操ってアレをやってみようと。



 外で足を前後に肩幅くらいに開いて、両手を腰の辺りに引き構える。


「かーめー○ーめー・・・」


 そう。あの技である。

 ベクトルを操って手の中に太陽光を集めている。のだが。

 ・・・全然集まらない。1時間位でようやく野球ボール位か?

 雨の時はすぐに大きくなったのに。


「御主人様ー?

 そろそろ出発しないと街に着きませんよ?」

「あー。わかった。もう行く」


 少しだけ出来上がった光の球をそこら辺の岩に向かって放つ。


 爆音と共に岩が消し飛んだ。

 だけじゃなくまっすぐ地面が抉れていた。

 それは数十メートル続き、間にあった木々は丸く抉れてチリチリと燃えている。

 時間差で轟音を立てて何本かの大木たいぼくが倒れた。


「お、おお、ふぅ・・・」

「・・・御主人様?

 いったい何をなさりやがったのです?」

「俺は悪くない」(ゾンッ)

「いや、明らかに御主人様のせいじゃないですか。

 格好ついてませんよ?」

「・・・。まーでも、あんなに長い時間かけてようやくあの位なら直接ブン殴った方が速いな」


 気を取り直して馬車に乗る。


「さぁ!行くぞ!港町!ノーティラスへ!!」

「ヤマト君、どうしたの?」

「さぁ?

 御主人様の事はあたしにも良くわかりません」

「なにか悪い物でも食べたのかしら?」


 女の子2人のヒソヒソ話が耳に痛い。




 後になって音のベクトルを操って切っておくだけで良かったと後悔した。

 次の街、ノーティラスはすぐそこだ。

読了ありがとうこざいました。

次回以降の閑話休題では、他のキャラの視点にする事も考えています。

よろしくお願いします。

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