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俺とあいつのチートはどちらが強い?  作者: 黒猫
天使と村娘と奴隷
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ー1話 転生をする事になった。(アオイの場合)

 ここは異界と位階と時間が交わる場所。

 とは言っても上も下も前も後ろも右も左も真っ白で何が何だか分からない。

 そんな所にポツンと一人。

 アオイは立っていた。

 とりあえず床はあるらしい。


「ここ・・・どこ・・・?」

「はいはーい?

 ここは中間地点で中継地点ですよー?

 現場のアオイさーん?」


 突然、背中に白い羽根をはやした女性がアオイの目の前に現れる。

 腰と胸の周りに布がゆるく巻きついているだけで、それ以外は丸見えの状態になっている。


「はっ!?えっ!?な、なに!?」

「もー。ノリが悪いなー。

 まぁ良いやー。えとえとーアオイさん。

 (ゆずりは) (あおい)さん。享年16歳。

 死因はー・・・?

 目の前を黒猫が通り過ぎて、下駄の鼻緒が切れて、直している間に暴走した馬車の下敷きになって死亡・・・。

 これは、また、ずいぶんと・・・不幸な事故ですねー」


 言葉使いこそ敬語だが、明らかに軽い。

 アオイを馬鹿にしている様にも聞こえる。


「あ、ああ。そう言われてみればそんな事が、って、えっ!?

 ぼく、死んでるの!?」


 呆れた様に天使はアオイに告げる。


「なにを今更言っちゃってるんですー?

 生きてる人がこんな所に居られる訳がないじゃ無いですかー。

 これからアオイさんの行き先が決まりますー。

 行き先と言うか逝き先ですかねー?」


「行き先・・・?逝き先・・・?」


 碧はきょとんとしながら天使の言葉を繰り返すことしかできない。


「あなたの遺棄先は火葬場の後、無縁墓でしたけどねー。」


「それは遺棄とは言わないんじゃないの?」


 さらりと重くて嫌な事を言う天使だった。

天使じゃなくて悪魔か?

 そんな碧の胸中を無視して天使(仮)は話を続ける。


「いえ、天使ですー。天使で合ってますー。

 話を戻しますねー。

 そして、今回、不幸な事故で亡くなったアオイさんには、特別に前世での記憶や身体を残したまま転生できますー。

 上に行くと、上位の存在へと昇位しますー。

 下に行くと、下位の存在へと降位しますー。

 ただ申し訳ありませんが、上も下も満員なんですー」

「は、はぁ・・・。でも、ぼくは元の世界?にはあまり戻りたくない」

「そうなんですかー?

 あーまぁ、そうかもしれないですねー。

 記録によると生前もあまり幸せな暮らしは出来てなかったみたいですからねー。

 天涯孤独で安月給。一番で唯一の友達は野良猫・・・。

 って、うわー・・・。」


 ぺらぺらとノートをめくりながら、ぺらぺらと喋りながら可哀想な人を見る目をしている天使。

 礼儀正しいけど失礼な目だ。

 ただ、アオイの方もさして気にした様子は無い。


「はぁ、まぁ、そうだね。

 だから出来ればもっと違う世界に行きたい」

「それでしたら何でも1つだけ欲しいモノを与えて魔法と剣の異世界へと送って差し上げますー。

 能力でも、ステータスでも、武器でも、なんでもです。

 もちろん、その1つを複数に増やして欲しいーとかはダメですよー?」


 アオイは少し考える。

 でもその時間はそこまで長くない。


「それなら、  を  に変える能力が良い」


 それを聞いた天使は一瞬怪訝な顔をする。


(アオイさんの願い。

 欲しいモノ・・・。

 ちょっとまって、でも、これって・・・)

「あ、あなた、まさか、神様にでもなろうって言うんです!?」


 思ってもみなかったアオイからの願いに天使は狼狽する。

 それを見ながらアオイは自分の思いを天使に話す。


「ぼくは別に神様になんてなりたくない。

 頼られたり、アテにされたり、失望されたり。

 そんなの、うんざりだね」

「でも、あなたの望んだその能力は・・・」

「どうかな。ぼくはやりたい事をやりたい様にやりたいだけやるだけ」

「そ、そうですか・・・。

 ただ、その能力をそのまま付与するのはさすがに反則すぎるので、いくつか限定条件をつけさせて下さい」

「内容にもよるけど・・・良いよ」


 そして、いくつか天使と話し合い、能力を手に入れたアオイは異世界へと転生する。

 そこは剣も魔法も人間も人外もいるファンタジー世界。

 そこでアオイは冒険者や勇者ではなく、いつしか魔王として、ラスボスとして世界に君臨する。

 それから時は流れて現在へと至る。



ーーー

 魔王の城。最上階の最奥の部屋。

 部屋の中央にアオイは椅子に座って侵入者達と対峙している。

 そして、往年のRPGよろしく戦った後、アオイの椅子の後ろには侵入者達の屍が並んでいた。

 今回の侵入者だけでは無い。

 今まで何千何万とアオイに挑んだ、勇者、冒険者、魔法使い、賢者、魔術師、魔導師、英傑、英雄、軍団、軍隊・・・。

 職種や人種、身分、種族、膂力、知力、魔力、性別や年齢、例えば人数のようないわゆる物量も関係ない。

 災害も天才も天災も最強も頂点も不死もオンリーワンもナンバーワンもアオイにとっては等しく自分自身よりも弱い存在だった。

 様々な『歴戦の強者』『生きた伝説』を相手にしてアオイは勝ち続け、全ての敵を撃破し等しく屠った。

 もちろんその中には『地球』からの転生者でチート持ちもいたがアオイには勝てずに例外なく骸と化した。

 そしてそのほとんどの戦いをアオイは椅子に座ったまま勝利していた。返り討ちにした。

 いつの日か自分と同等かそれ以上のチート持ちが現れるのをアオイは玉座で待っている。 

読んで頂きありがとうこざいました。

これからも引き続き投稿出来ればと思います。

感想等あればよろしくお願いします。


アオイの能力がいったいどんな能力なのか、予想しながらお楽しみ下さい。

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