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PARTY CREW  作者: エトー
パーティは六人の方がいい
5/10

005 レイス

新しい朝が来た。

展望台から朝日が昇るのを見届け、出発する。

俺以外にも下山しようとするパーティーが複数おり、夜の登山を果たした猛者パーティーもいた。


しかし、なかなか前に進まないようだ。

それどころか引き返してくる。

「ヤバイ!逃げろ!!」

誰かが叫んでいる。

我先にと前にいる集団が振り返り休憩所へと引き返してくる。

その波の中、棒立ちになってしまった。

気づくより早く逃げようともしたが、それじゃ何の冒険だ。

死んでもすぐ後ろに戻るだけではないか。

ホームポイントの設定をしているせいか、少し強気だった。

そして、興味本意に前へと駆け出した。


そこに何がいたのか…レイスである。

レイスの回りをうようよとゴーストが飛び回り、パーティーを追いかけているところだった。

ゴーストに追いかけられている男は攻撃を受けていて、少しずつ体力を減らし、今にも息絶えようとしている。


男を調べる。

体力は残り少ない。

レイスとゴーストはアクティブだが攻撃された形跡がない。

つまり、俺が攻撃しても問題ないわけだ。


朝を待てずに飛び出したか?

これはパーティーの壊滅どころか、レイスがいなくなるまで下山できなくなるぞ?…

道を塞がれると不味いことになる。


犠牲になることを選ぼうと、駆け出した。

ゴーストにも目をくれず、親玉であろうレイスにダガーを突き立てたのだった。

その瞬間、魔法攻撃でなければ当たらないはずなのに、カランコロンと鐘のような音を立て、星が飛び散った。


レイスは魔法を唱えず物理攻撃を繰り出した。

それを神回避で交わす。

ダメージを与えたことでこっちにヘイトが移ったようだ。

逃げてきたパーティーが攻撃を与えていた場合はこちらにヘイトは来ないはずだ。

やはり、レイスには攻撃せずに逃げてきたのだろう。


俺は休憩所とは逆方向に走り出した。

もちろんレイスとレイスが使役するゴーストは俺を追ってくる。

一体は攻撃していた男を追っていったが、ゴースト一体なら猛者たちもいる集団に何とか駆除してくれるだろう。


俺一人がレイスとゴーストに追われる形となった。

望んでいた形が作れてホッとする。

登ってくるときとは逆に、敵がちらほら見かける。

なぜか遠くの敵も見えるようで、敵がいない方へと走る。


後ろを見るとレイスが攻撃を繰り出しながら追ってきていた。

ゴーストが危険な理由もそこにある。

スピードが速いのだ。

上位にいるレイスも同様である。

物理攻撃なら避けるだろうと踏んだのが正解だったようだ。

ゴーストに魔法を撃たれると詰んでしまうので、詠唱されたとしても置いていけばいいと考えていた。

今はレイスさえ引っ張っていけばいい。

しかし、こちらの攻撃は当たったとしてもダメージはさほど無いと思っていたのだが…

考えるよりも逃げる方が先決。

敵がいない方を確認しては足を止めなかった。


しばらく走ると海岸まで来ていた。

恥ずかしながら迷子である。

敵がいなくて休憩所より離れた場所へと思いながら走っているのだ。

海の中に巨大な亀がいるようで、あのあたりは危ないだろうと思い、海には近づかない。

ノーアクティブとは限らないからだ。

ノーアクティブは近づいても攻撃してこない敵。

アクティブは近づいたら攻撃してくる敵だ。

敵もバカではないので、自分より強そうな敵には攻撃してこない。

俺のレベルは50で、この辺りの敵よりかは強いだろうが、いざ戦闘になるとわからない。

それどころか下手すると一瞬で決着する紙一重だ。

慎重かつ大胆に行くしかない。

今はレイスをどうにか撒きたいが足が早くすぐ後ろにいる。

気配だけついてこられるのはホラーでしかない。


海岸沿いに走ると行き止まりについてしまった。

休憩所からずいぶんと離れたので、こうなるとここでやられても休憩所へ死に戻りするだけである。


だが一太刀浴びせてからやられることにしよう。

マルを召喚する。

目の前に現れたマルに、レイスを攻撃するように指示した。

マルの攻撃はミスと出ている。

一生懸命攻撃するがレイスに攻撃が当たってないようでミスを連続させる。

相手が相当強いのだろうか。

マルを自由行動に切り替える。


レイスが使役しているゴーストへダガーを突き立てた。

またカランコロンと言う音を立て、ダメージが通る。

するとヒラヒラと布のようにゴーストが形を変えた。


「ゴーストよっわ!!」

アイテムの収拾より先に、レイスの回りを片付けていく。

レイスもゴーストもなぜか魔法を使わず殴りかかってくるので、回避しながらゴーストを倒す。

五体のゴーストを片付け、レイスにダガーを突き刺す。

レイスも負けじと攻撃をしてくるが回避する。

レイスが魔法を唱えだした。

ここぞとダガーを突き立てまくる。

レイスが詠唱終わり、魔法の効果が発動する。

倒せなかったか…

諦めて死を覚悟した。

そう思った瞬間、レイスの回りにゴーストが五体召喚された。


ふりだしに戻る…


結局レイスは攻撃魔法を唱えずに、召喚魔法ばかり唱え、その召喚されたゴーストは俺に倒され、レイスに何回か攻撃すると、またレイスがゴーストを召喚し………


幾度と繰り返す。


最後にはレイスが声にならない声をあげ、ヒラヒラと布のように形を変えて萎んでいく。

苦戦というより、時間がかかった攻防だった。


"称号:偉大なる召喚術士を討伐し者を取得。"


マルの攻撃も何回かクリティカルが出て当たっていたようで少しは役に立ったと鼻を鳴らしているように見えた。


足元には山のようにアイテムが散らばっている。

召喚されたゴーストやレイス自身の報酬。

それを回収しようとしたとき、俺のレベルが初めて上がった。

レベルアップも嬉しいが、アイテムは放置してると消えてしまうので、早々と回収する。

マルも、せっせとアイテムを食べていた。

アイテムを回収終わると、レベルアップによるステ振りが待っている。

もちろんLUKに振り分けるが、そのときに漸く、新たに覚えたスキルの効果を確認したのである。


Lv.51

HP(体力):500

MP(魔素):1

STR(腕力):1(+1)

VIT(耐久):1

AGI(敏捷):1(+2)

INT(知力):1

MND(精神):1

LUK(幸運):501(+50)


残りスキルポイント:10

取得職業:冒険者、遊び人、投擲師、罠師、アルケミスト、調合師スキル:

戦闘での取得経験値10倍

戦闘での取得金額10倍

ファウスト(パッシブ)

フットワーク向上

遠見

星の加護

クリティカラー


まずはLUKにスキルを振る。

新しく"遠見"と"星の加護"を取得してたので効果を見る。


遠見

周囲の視認範囲を大幅に広げる。


星の加護

クリティカル時、光属性付与。

MPを消費し、光属性ダメージ追加。


なるほど。

どおりでゴーストにダメージが入ったのであろう。

ゴーストは闇属性なので、弱点が当たっていたことになる。

もしもMPがあるならば、もっと光ダメージが入るだろうに、残念だ。


スキルよりもその時は夜空を見るのに夢中で、そこで満足してしまったんだろうな。

流れ星など生まれてから一度も見たことがなかったのだから…


レイスという大物も倒せ、報酬も戴いた。

あとはフィレッドへ行く道に出なければならないのだが…


「ここはどこだ?」


マップを買い忘れて持っていなかった俺は、いまだ迷子のままである。

いざとなれば周辺の敵と適当に戦い、負けて休憩所へ戻るだけなのだが。


「もうちょっとうろうろしてみますか。」

海岸の巨大亀を遠目に見ながら散策を開始した。


その巨大な亀だと思ったが、島だったようだ。

レイスと戦っていたときは、亀に見えたのだが…

多分、気のせいだろう。


潮が引いたので海岸沿いにマルと歩く。

朝の散歩のようで、陽が心地よい。

マルもぴょっこぴょっこうしろをついてきていた。

フリスビーディスクがあれば、マルと遊べるのだろうか?と考えてみたりした。潮が引いていて崖下に入れるようになっており、奥へ進むと、また、拓けた場所が現れる。

すると今度は洞窟が現れた。


海岸近くはノーアクティブのモンスターのようで戦闘をしていないが、洞窟の中は流石に戦闘になることを覚悟しないといけないだろう。


異様な雰囲気すら感じられる穴へと歩を進めた。


穴へ入ると、ジメッとした空気と湿気が襲ってきた。

どことなく潮の香りもしてきて、潮が引かないと現れない洞窟だと、即座に理解できた。

暗く足元も見えない。

魔法鞄に入れておいたランプに、明かりをつけて坂を登る。

登りきったところで下に下る道に出たのだが、通路を何かが塞いでいた。


明かりを近づけていき、じっと目を凝らすと、明かりに照らされた何かが、ギョロリとこちらを向いた。

二つではなく、それ以上の視線に睨みつけられた。


だめだ…生理的に無理なやつきた……


ソレは、ドロリとしたウミウシのようなものに目玉がひたすらついたような生き物で、名前を表示させると"ゼリーアイズ"と書いてある。

名は体を現しすぎてるほど、地面に設置しているところはドロドロと、身体の上へといくほどに固まっているようなゼリーアイズは、俺に気づくとニュルニュル音を立てながら近づいてきた。


「こいつアクティブか!」

ダガーを構え攻撃に備える。

近くまで近づいたゼリーアイズは自分の身体を串状にして攻撃を仕掛けてきた。

身体を交わして、目玉にダガーを突き刺す。

グゥと悲鳴をあげながらも次の攻撃を仕掛けてくる。

「うげぇ」

動きも気持ち悪い。

触手を出したナニカである。

それを避けながらダガーで触手を切り落とした。

切り落とされたものは、地面に落ちると、最初はうねうね動いていたが、やがて動かなくなり、消えた。


手数を増やし切り刻む。

ゼリーアイズは魔法を唱えようとしていたが、俺のクリティカルが当たるごとにうまく詠唱できないようで、力尽きて目玉を残しながら溶けていき、目玉も光の粒子となっていく。


ゼリーアイズのアイテムを回収する。

今気づいたのだが、アイテムに魔法鞄を近づけると、自動的にアイテムが吸い込まれていくという、新発見があった。


もっと早く気づきたかった。

そういえばマルもレイスとの戦闘後にアイテムを食べていたことを思いだし、魔法鞄をマルに向けてみた。


マルはどこかバツが悪そうに、こちらを向くと、口を開いてアイテムが、


「「ドドドドドドドドドッ!!!!!」」


と轟音をたてながら魔法鞄に吸い込まれていく。


「えっと…マルさん?

いつから貯めてたのですか?」


俺もアイテムを広い損ねていたのだろう。

それをマルがちゃんと拾っていたようだ。

アイテム欄を確認すると、"古びたネックレス"や"針の進まない時計"や"偉大なる召喚士の護符"など、いつ手に入れたんだ?というアイテムもある。

考えていても仕方がない。


針の進まない時計は装備できたようなので、腕に巻いてみた。

壊れてはいるが立派な時計で、これだけでも装飾品として充分だ。

なによりVITが1上がるのがいい。

腕に巻かれた青盤に金の文字が煌めく、古いが趣のある品、実際に欲しいくらいだ。


しかし、マルさん?

少し大きくなっているんだけど気のせいだろうか?

毛並みが良くなった?

艶が出てきた?

マルは眠気が覚めたのか、シャンとしたようで先に進みたそうにウズウズしている。

俺もマルに促されるわけじゃないが、更に坂を下っていく。


坂を下ってはゼリーアイズが顔を見せ、俺ももう見慣れたのか、最初ほどの嫌悪感はない。

暗闇ということで、コウモリや蜘蛛も敵としているので倒していくが、こいつらも大きさが巨大化してるので、すでに気持ち悪いかどうかの神経が麻痺してきたのかもしれない。


五匹程度倒した辺りでレベルアップしたので、ここの敵は自分と同じくらいの強さなのだろうかと思っていた。

スキルをLUKに振りながら先へ進む。


洞窟の中の湖がある場所まできた。

そこは光が放っており、ランプはいらないと判断して、明かりを消して鞄へ入れた。


ここにたどり着くまでにレベルが53になっている。


湖を外周から回っていくと、一軒の小屋がある。

魔物の姿は湖に来てからというもの見かけなくなっていた。


いかにもな古びた小屋だ。

ノックしてみる。

「誰かいませんか?」

ゲームだからといっていきなりあけたりはしない方がいいだろう。

井戸の中に人が住んでる場合もある。

洞窟なら尚更であり、人がいる可能性が高い。

アルゴは本当に人が生活しているような感じなので、勝手に開けたらラッキースケベなんてことにもなりかねないのかもしれない。

その時は通報されて檻の中だろうか。


今思うとゲームとはいえ、人の家のタンスを漁ったり、壺を割ったりしたらダメだよなぁ。

そういうものだけどと、さておいて。


返事がないので、「ごめんくださーい」と扉を開いた。

部屋の中もいかにもだ。

古くなってしまった家具や本。

食器は片付いているようだが割れているようだ。

荒らされたわけではなく、しばらくというか、何年も留守にしたというような雰囲気。

続く扉を開けて仰天した。


本棚に埋め尽くされたような部屋。

壁に向かって机と椅子があり、その椅子には人が腰かけているようだが、すでに亡くなっているようだった。

身なりを見るからに、ソーサラーで位の高い人のようである。


おそるおそる近づき顔を覗くと、骸骨だった。

襲ってこないことを確認できたところで、一息ついた。


机に突っ伏しているように倒れており、机には、日記のようなものが置いてある。


その人に手を合わせ、一礼する。

「失礼します。」

そうしたあと、日記の最後のページだろう。

開いてあるところを読んだ。


"私だけ生き残るなんてできない。

私はあなたが一緒にいないなんて耐えられない。

あなたが引きちぎっていってしまったネックレス。

私はあなたが泣いていたのを知っていた。

あなたも知ってるとおり私だってやればできる。

これでも大魔法使いと呼ばれたお爺ちゃんの孫なの。

あなたをいつでも見守っていくわ。

私はあなたが必ず帰ってくるって信じているの。"


ボロボロで読めない部分がほとんどだ。

この人は自分の魂をあなたと呼ばれる人のところへ送ったということか、詳しくはわからない。

行ったがいいが、魂は戻ってこれなかったんだろうし、あなたと呼ばれる人も帰らなかったのか。

「ふむ…」

日記を読みながら低く唸る。


静まり還った空間が寂しく感じられた。

「あ。」

何かを思い出して、さっきマルが吐き出した古びたネックレスを魔法鞄から取り出す。

"引きちぎってしまったネックレス"

この人のものじゃないのか?


古びたネックレスは光を放ちだした。

間違いないと思い、骨となってしまった手の部分に置いた。

さすがに首に巻くのは躊躇った。

この人の彼が帰らぬ人なら、今度は彼女を見守っているような気がしたからだ。

他の男に、好きなやつの首にネックレスを巻いてるのを見たら、俺なら嫉妬すると思う。

俺は心が狭いからな。


とてつもない光が辺りを白くさせ、目を覆った。

眩しくて目を開けられない。


光が弱まり、薄目を開けてみると、先ほどまで骸骨だったはずのものが、生き返っている。

金髪の綺麗な女性だ。たぶん。椅子に伏せているので顔は見えない。

それどころか服も、部屋の内装も綺麗になっており、古びた本棚も、まるで生まれ変わったようになっていた。


彼女は夢から覚めるようにむくりと起き上がり、手にしているネックレスを嬉しそうに眺め、留め金を外して自分の首に巻いた。

古びて留め金が壊れていたはずのものが、生まれ変わっている。

そしてゆっくりとこちらを向き微笑みをくれる。

ホントに美人っているんだなぁと、彼氏が羨ましくなる。

椅子に座ったままゆっくりとお辞儀をしてくれるので、俺もなんとなくお辞儀をしてしまう。


彼女は微笑むと、また椅子に座り直し机に身体を預けて幸せそうに日記を抱えて眠りについた。


その瞬間、回りの景色がネックレスに吸い込まれるように綺麗な色、光を吸い込んでいく。


自分も吸い込まれてしまうのではないかというぐらいの激流だ。


また、部屋に入った当初の、暗い部屋になってしまったが、そこには彼女はいなかった。


そのかわり、机の上に日記のページの一部が切り取られており何か書かれていて、そばに小さな箱が置いてある。


"私たちを届けてくれてありがとうございます。

これで、私と彼、そして、仲間と共に天に還ることができそうです。

私の術は成功したはずだったのに、彼も仲間も戦争で倒れてしまいました。

倒れた仲間は何度蘇生したいと思っても叶わなかった。

たとえ私が人から、天才召喚士と言われていても死者を生き返らせることはできなかった。

仲間を大事に思っても、届かないことがこんなに辛いだなんて思いませんでした。

私のように後悔しないでください。

じゃあ、彼が待っているからいきますね。


本当に助けてくれてありがとう。

箱の中身は大事に使ってください。"


新たに書き加えられた内容を読みながら、俺は何度もゴーストを召喚するレイスを思い出していた。

そのレイスから古びたネックレスは手に入れたんだと思った。

次にマルを見た。

マルは退屈そうにしているが、俺が眺めてると視線に気づいたのか嬉しそうにしている。

マルがいなきゃ、アイテム回収できてなかったかもなぁ。


今、俺に仲間が一人だけはいると確信し、マルの頭を撫でる。

マルはフッフ、フッフ息づかいが荒くなりだした。

俺はなんだか笑みが溢れた。


そして、日記の上の小さな箱に目を落とす。

手に取り蓋を開けると、中から銀の指輪が出てきた。

彫刻が彫られており、神々しさすら感じられる。

天才召喚士から送られた品だから、大丈夫だろう。

俺は左手中指に指輪を通すと、力が溢れてくるように感じられた。


"称号:偉大なる召喚術士を取得。"


指輪の効果を見たいが、その前にお礼をと思い、左手を拳にして天に突き上げる。


「名も知らぬ天才召喚士さん!ありがたく頂くよ!」


もちろん声など帰ってくるわけではないが、自己満足である。

ちょっとやり過ぎかな、恥ずかしくなってくる。

ダメだ、やっぱりこういうのは二度とやらない。


部屋を出て、小屋を出ると、先ほどとはまた違った湖と出会う。


「綺麗だ…」


呟いてしまうのも無理は無いと思う。

自分も大切な人がいたら、ここに連れてくるだろう。


まぁ、道中に胸くそ悪いものもいるけどね。


俺は、洞窟の中にオーロラができる光景を見たことがない。

まして、洞窟の中に星が煌めいて、澄みきった湖にオーロラと星が映り込み、それは宇宙の中にいるようだった。


機能画面を開きカメラモードにする。

写真を撮ってから、しばらくその景色を眺めていて、さっき手に入れた指輪の効果を調べようとしていたことは頭の中からすっかり忘れてしまっていたのだった。

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