蒼い大空と銀の大地
この作品は「お天気雨予報」の主人公である朝田光輝と水無月雨美の話になります。この作品から読んでも内容は分かるようにしていますが、何点か前作「お天気雨予報」を読んでからの方が分かりやすいところがありますのでご注意ください。
私は雨。
暗く冷く悲しい雨。
だけど日の光と交わることで変われると知った。
そう、あの日に。
けど今は、そんな雨もお休みする季節。
__冬を告げる雪が、降り出した。
気持ちよく晴れた日の朝。私はいつも通り彼と通学路が重なる交差点で、眩しい彼がやってくるのを待っていた。歩道は昨晩の雪が積もり、それを行き交う人々が踏むことですっかり凍結している。
向かって左の道から、元気に手を振りながら走ってくる人影が見え、私はそちらに視線を送った。
「おはよう、朝田君。今日は寝坊しなかったのね」
「おはよう雨美。いやもう朝から寒すぎて勝手に目が覚めたよ」
「そう、それは良かった」
朝田光輝君、夏前から付き合ってる私の彼氏。私、水無月雨美とは正反対の人間。明るくて眩しくて、でも勉強はてんで駄目。
「うーさむ。なんか今背筋がゾクってしたんだけど誰かに噂されたかな」
「さぁ、風邪じゃないといいけどね。ほら早く行かないと一限の小テスト悲惨な目に遭うよ」
「あ、それはマズイな。でもあんま急ぐと危ないよ」
朝田君は恐らく、この凍結した地面のことを言ったんだと思う。でも失礼だけど、私だってこのくらいで転ぶほど運動神経悪いわけではないんです。
「平気、気をつけてればなんてことない」
「ちぇー、つまんない」
「何か言った?」
慌ててそっぽを向く朝田君を隣で眺め、私は少しだけ肩を落とした。
可愛くないってことくらい、自分でもわかってるつもりだ。でも、こういう性分なんだから仕方ないじゃない。他の女の子みたいに演技するのは、今まで冷たく振舞ってきた雨の私には苦手分野だ。
「やっぱり雨美には正攻法しか通じないよな」
「いきなりなんの話?」
「だからこういうこと」
言うが早いか、朝田君はコートのポケットに突っ込んでいた右手を抜くと、空いていた私の左手に重ね合わせ、そのまま包み込む。
「うわ、雨美の手冷たい」
「も、文句言うなら繋がなくてもいいじゃない!」
いきなりのことに私は相当驚いたらしく、慌てて手を引き抜こうとし一歩後退った瞬間、靴と地面の摩擦が零になりそのまま背中から倒れそうになる。
「おっと、危ない危ない。意外と卑怯な手段でも手を繋げたかもしれないな」
重心が揺らいだ瞬間、朝田君はちょうど握っていた私の手を引き、反対の手を腰に回して受け止める。おかげで私は、尻餅すらつかずに済んだ。
「さ、さっきから正攻法とか卑怯な手段とかなんの話」
私は一瞬にして早まった鼓動をどうにか落ち着けつつ尋ねる。朝田君は何やらとても楽しそうだ。
「そんなの、雨美とどうやって手を繋ぐかに決まってんじゃん。卑怯な手段は転ぶと危ないからとか適当に理由つけて繋ぐ。正攻法は理由とかなしに堂々と繋ぐ」
「い、今のは正攻法じゃなくて完全に不意討ちだよね!?」
「そうとも言うかもしれない。ま、結果雨美を救えたし良いかな」
「朝田君の行動に驚いて転びそうになったんだけど!」
「はて、なんのことかな? 俺はただ可愛い彼女の手を繋いだだけだよ」
完全にしらを切るつもりだ。
朝田君はいつもこの調子である。勉強はできないくせに、こういうことに関しては私より何枚も上手だ。そんなの一緒にいればすぐに気づくことなので、私ももう逆らわないようにしている。抵抗するだけ無駄なのだ。
やっぱり雨は太陽に敵わない。
「さっきまで冷たかったのに、急に暖かくなったなー、雨美の手。つか、顔まで真っ赤だけど大丈夫?」
「分かってるくせに……」
「んー何か言った?」
「何でもないです!」
昼過ぎ、再び雪がちらつき始める。
このまま放課後まで降り続けると、グラウンドを使う部活はどうなるのだろう。
「雨美、二十四日空いてる?」
「午前中は終業式だよ」
「それは俺もだよ」
視界の端に、がっくりと肩を落とす朝田君が映る。わたしは窓から視線を外すと軽く首を振って答える。
「冗談よ。でもどうして? 朝田君は午後部活でしょう」
「そうだけど、でも雨美と遊びたい」
「駄目だよ、一年エースが部活サボって彼女と遊びに行くなんて、絶対駄目。私が許さない。だいたい次の期末テストで不合格とったらどちらにしろ補講でしょ。部活云々の前に、まず目の前のテスト」
「はーい」
最近、というか付き合いだしてからはいつもこんな感じだ。お昼休みは部活の昼練がない時以外、基本的に朝田君の勉強を見ている。
昼練がある時は読書をするか、気が向けば一緒にグラウンドまで行ってサッカー部の練習を見学している。放課後もだいたい同じで、サッカー部が終わるまで教室で暇を潰している。
「まぁでも、頑張ったら御褒美をあげなくもないよ」
私は再び窓の外を眺め、今は隠れている太陽にそっと呟いた。
「ん、なんか言った?」
問題集から顔を上げ、不思議そうな瞳で私を見つめる朝田君。私は、軽く口元を綻ばせる。
「なんにも、こっちの話だよ」
窓は、室内と外気の温度差に、ひっそりと汗を流した。
そして寒さは一層増し、テストまで一週間を切った。どんな部活も、この期間だけは休みになる。
「雨美、遊びに行こう。明日!」
「ついに頭がおかしくなったの?」
「違う、どうしても明日遊びに行きたいんだ」
朝田君が言いたいことは分かっていた。どうせテストが終わればサッカー部員は毎日部活に励まなければならない。だからその前に思いっきり遊びたいのだろう。
全く、私も甘いな。雨なのに折れるなんて、あり得ない。けど、仕方ないよね。今は雨が休息しているのだから。
「良いよ、付き合ってあげる。けど土曜日だけね。日曜日は一日中勉強だから」
「やったー! じゃあいつもの待ち合わせ場所に十時な」
満面の笑みを浮かべる太陽の君。
太陽は大変ね。休む間も無く毎日毎日みんなを照らしているんだから。でもそれを一切苦と思っていない明るい太陽に、私はどうしようもなく惹かれている。
「それで、なんでまたスケートなの」
翌日、午前十時を半分回った頃。私は右手で手すりを、左手で朝田君の腕を掴まえて立ち尽くしていた。
「いや、やってみたかったから。折角近くにリンクあるんだし、一度行ってみないと損だろ」
「そうかもだけど、私こういうの苦手」
「大丈夫だって、そのうち慣れるよ」
ゆっくりと前に重心を持っていくが、うまく氷を蹴れずにむしろ後退していく。
「ねぇ見てあのカップル。中学生かな? 可愛い」
どこかで噂する声が聞こえるが、私はそんなのに構っている余裕すらなかった。
「力入りすぎなんだよ。ほら、リラックス」
「い、いや! 絶対に手を離さないでお願い」
「はいはい。いつもは手繋ぐの恥ずかしがるのになー」
それとこれとは別問題。雨はまっすぐ地面に落下することしか出来ないのに、氷を滑れとか無茶振りだよ。
「ほら、まずは足で進もうとせずに手すりを使って手で漕いでみたら? ……そうそう、段々滑る感覚がつかめてきただろ」
どれくらいかかっただろう。やっと足に力を入れて前に進むことが出来るようになった。けど、まだ手すりから離れるのが怖い。
「大丈夫、俺が手握ってるから。真ん中の方行ってみよ」
「絶対に、離したら駄目だよ」
「分かった分かった」
あまりにも目の前のことに一生懸命すぎて、私は大事なことを忘れていた。
私の太陽は、時にいたずら好きであると。
「上手上手、いい感じだよ雨美」
太陽の甘い言葉に乗せられ、手に込めた力を少し緩めた瞬間。
私は支えをなくした。太陽自ら手を抜いたのだ。
「ーーー?!!」
まさに声にならない声を上げ、そしてそのままおとなしく止まってくれれば良いものを、なぜか体は勢いを増し、中心付近で滑っていた二人組の女性の背中に突撃しそうになる。
「やべ」
背後で朝田君の小さな焦り声が聞こえた。
もう目の前には華奢な背中が迫っている。私は胸の内でごめんなさいと叫びながら目をつむった。
「あらあら、大丈夫?」
ゆっくりと、現実を確認する。私は、優しい花の香りに包まれ目を開いた。
「この子、さっき秋瀬が言ってた子じゃない?」
「そうみたいですね。どうやら悪い彼氏に遊ばれちゃったみたい」
華奢な女性は、一体どうしてか背後にいたはずの私を見事に抱き留めていた。私は呆気にとられ、ただ女性の顔を見つめることしか出来なかった。
「すみません、雨美を止めていただきありがとうございます」
朝田君が慌てて私を追って来る。
「良いですよ、怪我がなくてよかったです。可愛い彼女をいじめたい気持ちはわかりますが、程々にね」
隣に朝田君が来ると、その可愛らしい女性は私を朝田君に預けた。無意識に今度は離すものかと、朝田君の服を握る手に力が入る。
「若いって良いな、無茶できて。お前ら中学生だろ。テスト前なのに余裕だな」
「う……。すみません、彼女を危険な目に合わせて」
なかなか鋭い、痛いとこをついてくる彼氏さんだ。これに関しては朝田君も平謝りである。
「それを言うなら君の彼女に言ってあげな。秋瀬は要領良いから問題ないよ」
「長瀬君? それはどういう意味ですか」
何だかちぐはぐに見えるけど、不思議とお似合いのカップル。近くにいるだけで、笑顔が伝播してくるようだ。そこにはこの二人にしか発揮できない力があるのかもしれない。
「ま、そんな訳だから以後気をつけなよ」
「またどこかで。可愛いカップルさん」
「ありがとうございます」
二人は仲良く並んで滑っていった。本当は私だって、ああなりたい。けどできないものは仕方ないじゃないか。
「ごめんな雨美、怖い思いさせて」
「平気、私こそ……せっかくの遊ぶ日を」
言いかけて途中で止められる。朝田君は人差し指を立ててそっと私の口に当て微笑んだ。
「それは言わない約束。俺は雨美といれるだけで充分楽しいから。さ、もう絶対に手を離さないから、ゆっくり滑ってみよう」
私は朝田君に優しく引かれ、そっと滑り出した。心なしか先程より、足が軽い気がする。
「なんだ、あの二人上手に滑れるじゃないか」
「本当に、小さなきっかけであんなに変われるって、やっぱり若い子は柔軟性に富んでるのですね」
やがて日は暮れ、早めの夜が訪れる。
「今日は一日雨美と遊べて本当によかった」
「散々遊び回ったものね、でも私も楽しかった」
素直に本心を語れた。いつかこの日のお礼を、しなければならないと密かに思う。
「中々部活が忙しくて雨美と遊べなかったから、つい詰め込み過ぎた。付き合ってくれてありがとな」
「こちらこそ。朝田君と会わなければ絶対に知ることのなかった世界をたくさん知れたの、ありがとう」
「もう暗いし家まで送ってくよ」
小さく頷く私に、朝田君は微笑み少し体を寄せた。
手の平から伝わる熱に、肩の触れ合う感覚に、今はもう少し浸っていたい。
怒涛の試験週間が終わり、あっという間にその日が訪れる。二十四日、この日は私にとって大きな挑戦の日。
終業式を終え一斉に帰宅する生徒の波には混ざらず、教室に残る。
「あーあ、やっぱり雨美と遊びたかった」
「テスト前に思い切り遊んだでしょう。部活頑張って」
「雨美がテスト無事合格したご褒美でもくれたら頑張れるんだけどなー」
「学年一位の私こそ欲しいものだけど」
半ば呆れつつ困ったように笑うと、じゃあ目をつむって、と言われ意味のわからないままとりあえず従ってみる。
「俺からのご褒美であり俺へのご褒美」
頬に一瞬、柔らかな感触と熱を感じ、私は思わず目を見開き熱を持った部分を抑えた。
「よし、これで頑張れる。じゃあまた連絡するから、気をつけて帰りなよ」
そのまま風のように朝田君は教室から立ち去った。
「やり逃げだよ……」
しばらく同じ格好のまま固まっていた私だが、やがてやらなければならないことを思い出し、ゆっくりと教室を後にした。
今日は珍しく、一度家に帰ってから街へ繰り出す。長期戦ははなから覚悟している。少しでも、暖かい格好をして行こう。
さぁ、目指すはデパートの展望デッキだ。
私はそこへ着くなり、一番端まで行き手すりに寄りかかった。
果たして彼は、来るだろうか。分からないけど、待っているのも悪くないと思えてしまうほど胸は高鳴っていた。
街は少しずつ闇に飲まれ、周りは二人組で溢れかえる。そんな中ずっと一人で立ち尽くす私は、どのように人々から映っているのだろう。いや、二人組にとって周りの人間など、気に止める必要もない些細な存在にすぎないか。
「こんばんは、少しいい?」
不意に背後から声をかけられた。驚いて振り返ると、大学生くらいの男女二人が私に微笑みかけていた。
「ごめんなさい、いきなり。少しあなたと話がしたくて。警戒しなくても大丈夫よ」
そう語る髪の短いベレー帽のよく似合う女性は、芸術家のような空気を纏っていた。傍には体格の良い優しげな男性。二人もカップルなのだろうか。にしてはあまり浮かれている様子がない。まるでもうそんな域は超えてしまったかのような、もっと深い関係に見える。
「私、この近くの専門学校でイラストを勉強してるの。それでこれ、良かったらもらってくれないかなって。勝手で申し訳ないけどあなたをモデルに描かせてもらったのよ。タイトルは『まちびと』」
手渡されたのは、切り取ったスケッチブックに広がる幻想的な夜の世界だった。真ん中には、私らしい女性の後ろ姿が描かれており、紫や青や緑、沢山の色で生み出された闇の世界に、淡い光が幾つも浮かんでいる。一際明るく輝く光が手前に見切れるように存在し、私にはそれが朝田君であるようにしか見えなかった。
「素敵…….」
思わず呟いていた。
「気に入ってもらえたみたいでよかった。じゃあ私たちはこれで。あ、そうそう。『待ち人来たりて光舞わん』よ」
いたずらな笑みを浮かべ、女性は男性とともに夜闇に消えた。なんとも不思議な二人組だ。あんな人たちも、世の中にはいるんだな。そうだ、どうせなら名前を伺っておけばよかったかもしれない。
そう思ってしまうほど、私はその女性のことが気になっていた。
もしかしてと思い、絵の隅を見ると、案の定名前がさりげなく書かれている。
「ゆうり……の下に、右矢印? これがあの人のサインなのかな」
その時、肩に懐かしい重みがかかった。身体中の血が湧き上がる。
「ーー朝田君」
「やっと見つけた」
「気づいてくれたんだね」
「そりゃ気づくさ。太陽の封筒に雨の便箋て、俺らのこと雨と太陽に例えるのは雨美くらいだからな。それより中身だよ。『白い雨を見ませんか』って……めちゃくちゃ探したんだからな」
肩で息をする朝田君。いつも部活後ですら平気な顔してるのに……そんなに急いでくれたんだ。
「だって、今日朝田君と見たかったんだもん」
「雨美?」
「これが私からのプレゼントだよ」
顔を上げる。空を見上げる。手をかざし、そのまま手のひらを空に向けながら大きく腕を回して下ろす。
「ホワイトクリスマス」
聖なる夜に、私からのささやかな花向け。
星は少しの間見えなくなるけど、その代わりに白い‘雨’を。
周りの人々から歓声が上がる。空から小さな白点が舞い降りてくると同時に、街のイルミネーションが点灯したのだ。
皆が地上の木々やデパートの壁面を見つめる中、私と朝田君だけは空を見つめていた。
「ようは雪だって雨なんだから、やってやれないことはないのよね」
「参ったよ。こんな贈り物をくれる彼女、他にいないよ」
雪は、街の光と触れ合い儚くも溶けてゆく。しかし、それで良いのだ。人々の語らいを邪魔しない程度に、髪に手にまつ毛に肩に、そっと降り立てば良い。
今日という日の思い出として、頭の片隅に残れば良い。
雪はそんな、小さな存在。冷たいけど人々を包み込む、温かな存在。
「積もって、子どもたちは喜ぶけれど、大人は雪かきしなければならないと肩を落とす。凍った地面のせいで転んだと、喚く人もいるかもしれない」
「それは太陽だって同じさ。晴れるのは嬉しいけど、焼けるとか、何日も日照ると作物が枯れるだとか好き放題言われる。だからバランスが大事」
しばらく舞い散る雪を見ていた。雪は、様々な色の光に映し出され姿を変え続ける。
ふと、唇にひやりとしたものを感じる。どうやらそれは、私に舞い降りたひとひらの雪のようだ。すぐに熱に溶かされ消えていった。
「あー、雪のくせに先越すとかずるい」
隣を見ると、朝田君は唇を尖らせてなにらや不満を訴えている。今はそんな姿も、愛しくて可笑しい。自然と笑みを浮かべてしまう。
「いきなりなんの話?」
「こういうこと」
一瞬視界が遮られたかと思うと、先程とは違い今度は唇に熱を感じる。
「分かった?」
いたずらに優しく耳元で囁く朝田君。
……多分私今、耳まで真っ赤だ。
しばらくなにも言えずに立ち竦む。やがて脳が今起きたことを整理し終えると、ゆっくり体に指令を出す。
拳を固く握り、朝田君のお腹に向かって突き出す。
「ぐっ……殴らなくてもいいだろう? って、なになにどうしたの?」
「馬鹿」
いわゆる照れ隠しだ察しろ。
「雨美の体冷たーい」
「だから朝田君から体温奪おうとしてるんでしょ」
「はいはい」
幸い、ちょうど同じ時に展望デッキの反対側でなにやら騒いでいる人がいたので、私たちの行動は誰にも見られなかったらしい。さっきの大学生二人がもしまだここにいたなら、かなり恥ずかしかっただろう。あの二人は、今頃どうしているのかな。スケートリンクで会ったちぐはぐなお似合いカップルも、どこかに出かけているのだろうか。
反対側で騒いでいる人、羨ましくはないけどそんなに素直に気持ちを叫べるの、凄いとは思うよ。でも彼女さんみんなに注目されて災難。私だったら耐えられないよ。
「来年もこの地に雪は降るだろうか」
「見たいなら、私が降らせてあげるよ」
「じゃあいい頃合いになったら、晴れにして雪だるまでも作ろっか」
ここまで読んで下さった方、ありがとうございます。友人とのお題小説企画も、今回で三回目。いい加減慣れてきたかと思いきや、大幅に遅刻いたしました。その代わりに、読みやすさを意識し頑張って改行してみました。友人と話していた目指せ五千字。無事程よい割合で書けたのではと思っております。
今回は「冬」をテーマにいくつかお題を探り、互いに三つほど要素を取り入れて書くという、あいも変わらずルーズなルールでやらせていただきましたが、感動ものを書こうと決意していた私は何処へやら……。
前作「お天気雨予報」ではイチャイチャシーンはなく、番外編「もし雷と太陽と雨が出会ったら」で少しカップルらしいシーンを書けた二人でしたが、こうして今回、ついにカップルになってからの二人の日常を書くことができました。前作あんなに暗かったのに、一体どうしてこうなった。まぁ、幸せそうでなによりです。
因みに今作は遊び盛りだくさんで、私の別作品(短編)から数人の人が友情出演してくれました。名前が出た人もいれば、本当にただのがやとして登場した人、様々ですがもしよろしければ探してみてください。個性は出せたのではと思っております。
それでは、ちゃんとかっこいい男の子も書けたことですし今回はこの辺りで。また別作品でお会いしましょう。
2015年 11月17日火曜日 春風 優華