episode2⁺-学校祭に向けて-
episode2⁺-学校祭に向けて-
-どこかの軍港-
知らないうちに俺は見たこともない場所に来ていた。周りにはたくさんの大きな軍艦があった。すると見知らぬ軍服を着た男2人の話し声が聞こえてきた。見知らぬ男のうちの一人の顔はなんだか見たことがあるような気がしたが、気のせいだろう。
見知らぬ男1「なあ知ってるか?未来では軍艦が歌を歌うんだぜ!」
見知らぬ男2「はぁあ!?」
見知らぬ男1「さらにだな・・・料理も作ってくれるんだぜ!」
見知らぬ男2「なんじゃそりゃ!?」
2010年4月15日(木曜日)
-真田家・ジュンの部屋-
バッ!
ジュン「なんじゃそりゃ!?」
俺はあまりにも意味不明な夢を見て、思わず飛び起きてしまった。昔からだが俺が夢を見るときは大抵変な夢ばかりだ。
episode⁺2-学校祭に向けて-
-山野高校・アメリカンロック部 部室-
アメリカンロック部が設立してから早くも10日が経った。俺たちはひたすら練習に明け暮れていた。そして今日は初めてのミーティングを行うことにした。
ジュン「じゃあミーティングを始める。今後の俺たちの目標だが、まずは学校祭にしようと思う!」
レン「バンド演奏は3年生の先輩方がするんじゃないのか?」
ジュン「もちろんバンド演奏は3年生の先輩方だ。俺たちはそこじゃなくて自由発表の通称<ONステ>に参加しようと思う!」
サトコ「なんだかもう緊張してきたで!」
ジュン「はえ~よ!じゃあミーティングは終了!各自練習にに戻れ!」
こうして俺たちの最初の目標ができた。どうやら「ONステ」で優勝することができれば自分のクラスに評価ポイントが入るらしい。「ONステ」以外にもポイントを稼ぐ手段はたくさんあるらしいが、そのポイントの合計点が一番高いクラスがその年の学校祭を制することになっているらしい。俺たちの練習も少しずつ形にはなってきた。前からあったオリジナルソングの歌詞はユリが試行錯誤して考えてきてくれることになった。
-通学路-
練習が終わり、今日はレンと一緒に帰宅していた。俺は自分のカバンからあるものを取り出した。
ジュン「レンはこれ知ってるよな?」
レン「町民カードか。それがどうしたんだ?」
町民カードは俺たちの住む山野町民全員が所有するカードのことで。このカードを利用することによってさまざまな施設が一定回数無料で利用することが可能という素晴らしいものだ。
ジュン「このカード最近全然使ってなかったんだけどさ。もったいないよな~。」
レン「そうだな。毎年4月になったらポイントのリセットがかかって元に戻るからな。使わないともったいないよな。」
ジュン「でさあ、明後日に部員全員で山野温泉に行かないか?」
レン「まあいいんじゃないか・・・まさかサトコとユリ入ってる間に女湯覗く気じゃないよな?」
ジュン「ちげーよ!!!」
レン「まあ冗談はさて置き。町民カード使うとしたら今の時期は温泉くらいだろうしな。他はプールかパークゴルフ場くらいだろ確か。
ジュン「だから温泉に行くんだぜ!」
レン「昔はよく行ってたよな山野温泉。」
ジュン「明日の放課後に2人にも行くか聞いてみるか。」
2010年4月16日(金曜日)
-山野高校・アメリカンロック部 部室-
ジュン「実は2人に話したいことがあるんだ・・・。」
サトコ「なんや?」
ユリ「?」
ジュン「実は俺たち・・・武道館で演奏することになったんだ。」
レン「明日4人で山野温泉行くんだけれど行くか?」
サトコ「行くで!」
ユリ「私も!」
ジュン「って!無視かい!」
レン「お前のウソ下手すぎるんだよ。」
サトコ「ジュンは昔から嘘つくの下手やで!」
ジュン「チクショー・・・まあ話を変えて。2人は町民カード持ってるよな?」
ユリ「うん、あるよ。」
サトコ「アカン・・・最近使ってないからどこやったっけ?」
ジュン「そこは探しとけ!」
ユリ「でもなんで山野温泉行く気になったの?」
サトコ「まさか!?ウチらが風呂に入っている間に覗きを!?」
ユリ「キャー!(笑)」
ジュン「ちげぇっての!!!」
レン(サトコも同じこと考えてたし・・・。)
ジュン「2人も町民カード最近使ってないだろ?」
サトコ「そうやな。」
ユリ「私もね。」
ジュン「理由は単純だ。ポイントがもったいないからだ。」
サトコ「確かにそうやね。」
ユリ「昔はよく山野温泉行ってたけれどね。最近はめっきりね。」
ジュン「で、この山野温泉に行くことが今後のアメリカンロック部の名物になればとだな!」
レン「それ、町外から来てる子はどうするんだよ・・・。」
俺たちの通う山野高校の生徒は8割くらいは地元出身だが、残りの2割くらいは町外から通っている生徒だ。中には札幌から遥々(はるばる)通っている生徒もいる。
ジュン「そこは気合でどうにかしてもらうしかないな!」
レン「おいおい・・・。」
2時間後
-真田家・ジュンの部屋-
家に帰った俺は2階にある自分の部屋でギターの練習をしつつ明日のことを考えてた。
ジュン「山野温泉か、最後に行ったのいつだっけな?3年くらい前か。」
山野温泉はレンと一緒に行ったりしていた。昔は温泉が好きだったお婆ちゃんにもよく連れてってもらっていた。だがお婆ちゃんは3年前に他界した。死因は肺炎で、見つかったときはすでに遅かった・・・。やさしいお婆ちゃんだったから亡くなったときはすごく悲しかったっけ・・・。あの年はお爺ちゃんも先に亡くなって・・・さみしい1年であった。
ジュン「いけね・・・爺ちゃんと婆ちゃんのこと思い出したら涙出てきちまったぜ・・・。」
俺はかなり涙もろい人間だ。あまりにも涙もろいせいで一時期「ジュン虫」とあだ名をつけられたこともあったくらいだ。すると1階から母の声が聞こえた。
ジュンの母「ジュン!ごはん出来たわよ!」
ジュン「おう、今行く!」
2010年4月17日(土曜日)
-真田家・ジュンの部屋-
ジュン「ん・・・朝か。」
時計の針は8時を指していた。起床した俺は顔を洗って歯を磨き、母が作ってくれていた朝ご飯を食べた。ちなみに俺の母は地元のとある飲食店で働いており、休みは不定期で休日は朝ごはんを事前に作っておいてくれている。
1時間後
ジュン「さてと、時間まで暇だしギターの練習でもするか。」
♪~
6時間後
ジュン「ふぅ・・・もう時間か。」
ピンポーン
玄関からインターホンの音が聞こえた。レンが来たようだ。レンは家が近いので俺の家に来ることになっていた。ほかの2人は各自の家に迎えに行くことになっている。
-真田家・玄関-
レン「おじゃまします。」
ジュン「よう、時間までもう少しあるからゆっくりしていけよ!」
ジュンの母「いらっしゃーい。今日は久しぶりの山野温泉ね。」
レン「よろしくおねがいします。」
ジュンの母「別に気にしなくていいわよ。」
-真田家・ジュンの部屋-
レン「ん、ギター練習してたのか?」
ジュン「なぜばれた!?」
レン「いや、ギター置いてあるし分かるだろふつう・・・。」
ジュン「ちょっと弾いてみるぜ!」
♪~
レン「なんかうまくなってないか?」
ジュン「朝の9時から練習してたしな!」
レン「お前暇か・・・そういえばそのギターってジュンの母さんからもらった物なんだよな?」
ジュン「そうだぜ!ギターマニアだからな!」
「リボン」は俺がバンドを組むと騒ぎ始めたときに母からもらった物だ。母は過去に俺たちの通う山野高校でバンドを組んでいたらしい。ギターを担当していたらしく、その影響かギターをコレクションしている。「リボン」は観賞用として買ったものらしく、全く使っていなかったので俺にくれたのだ。しばらくしていると時間になったので俺たちは母の運転する車に乗り込んだ。まずサトコの家に行き、次にユリの家に向かい、山野温泉に行くというコースだ。
-井上家・玄関-
サトコ「今日はよろしくお願いします。」
ジュンの母「別に気にしないでいいわよ。」
サトコの母「今日はわざわざありがとうございます。」
ジュンの母「いえいえ、こちらこそ。」
-車内-
サトコが車に乗り込み、俺たちを乗せた車はユリの家へと向かっていた。ユリの家はサトコの家から徒歩で10分ほどのところなのでそこまでは離れていない。
サトコ「いや~、3年ぶりくらいの山野温泉やで!」
ジュン「俺も3年ぶりだ!」
レン「俺はかれこれ6年ぶりくらいか?」
-百合咲家・玄関-
会話をしているうちにユリの家に着いた。俺たち4人の家の距離はあまり離れていない。俺の家からはレンの家が一番近く、次に近いのがサトコの家で、一番離れているのはユリの家だ。俺たちの住む山野町は名前が示す通り、「馬追山」が市街地の近くにある田舎町だ。家などがある市街地は山野町全体からみるとかなり真ん中に密集しており、他は田んぼや畑などが目立つ。高校でも町内から通っている生徒でも家から10キロ以上離れている生徒もいる。そういう生徒は大体が農家だったりする。ちなみに北海道一人口の多い町である札幌の近くにあるので買い物とかにもそんなに困らない。
ユリ「今日はどうぞよろしくお願いいたします。」
ジュンの母「別に気にしないでいいわよ。昔からの古い付き合いなんだから。」
ユリの母「今日はどうぞよろしくお願いいたします。」
ジュンの母「いえいえ、こちらこそ。」
-車内-
ジュン「よっ!」
ユリ「今日は誘ってくれてありがとうね!」
レン「あれ、そういえばユリって山野温泉初めてか?」
ユリ「そうなの、だからすごく楽しみなの!」
ジュン「山野温泉スゲーぜ!温泉なのにウォータースライダーもあるんだぜ!温泉なのに!」
ユリ「温泉なのにそんなものあるの!?」
レン「ね~よ。」
サトコ「まあ滑り台的なものがある温泉は見たことあるけどね。」
なんだかんだ言っているうちに山野温泉に到着した。山野温泉の敷地内には農産物直売所並びにジンギスカンが食べられる施設もあり、たっぷりの芝生の広がった広場に行けば独特な形のオブジェや通称「クモの巣」と呼ばれる遊具などもある。そしてパークゴルフ場もあり平日などはここにお年寄りの方々がたくさん訪れる。奥のほうにはダムもあり、ここでは大きな鯉が泳いでいるのがたびたび目撃されている。それを狙ってか、たまに釣り人が釣りをしているが、思い切り釣り禁止の看板が立っている・・・。今の季節はまだやっていないが、迎側にはキャンプ場もある。
-山野温泉・靴置場-
ジュン「うっひょー!久しぶりー!」
レン「なんだよそのノリは・・・。」
サトコ「久しぶりやし、無理もないで!」
ユリ「あそこのカウンターでカードを見せればいいのね。」
-山野温泉・ロビー-
フロント「あと12回になります。」
これで俺たちはカードのポイントを1回使用し、残り12ポイントとなった。要するに来年の4月までにあと12回も山野温泉に来れるということだが、他の施設でもポイントは使用していきたいとは思っている。母がここに迎えに来るのは今から4時間後の21時だ。時間いい感じなので俺たちは先に2階にあるレストランで晩メシを食べることにした。
-山野温泉・レストラン「ハマナス」-
ジュン「まずは食券を購入するぞ!俺は醤油ラーメンだ!」
レン「俺は塩ラーメンだな。」
サトコ「ウチは味噌ラーメンやで!」
ユリ「私エビフライカレーかな。」
ジュン「1人だけカレーかい!」
俺はここのレストランのラーメンが昔から好きだった。思えば山野温泉に来るたびに食べていたかもしれない。ちなみに俺たちの高校の近くに塩ラーメンがおいしいと有名なラーメン屋があり、中学校の近くには豚骨がおいしいと有名なラーメン屋がある。それぞれのラーメン屋は帰宅途中とかの学生でよくにぎわう。
30分後
-山野温泉・2階-
ジュン「ふぃ~腹一杯。」
レン「ここの塩ラーメンもなかなか美味しかったな。」
サトコ「じゃあ今度から山野温泉に来るときは毎回ここでご飯食べようや!」
ユリ「そうね!」
ジュン「じゃあこれから大浴場に向かうのだが・・・ここで秘密の近道を通って行くぞ!」
レン「なんだそれ?」
いま俺たちのいる場所はレストランを出てまっすぐ行ったところの3本に道が分かれている場所だ。ここをまっすぐ行かずに左に曲がっていくと俺の言っている近道ができる場所に通じる。
ジュン「まあ、小さいころに迷子になったんだけれどな・・・。」
サトコ「どんな入り組んだ道やねん!」
ジュン「大丈夫だ!道は覚えてるし迷わないぞ!」
ユリ(大丈夫かなぁ・・・。)
3分後
-山野温泉・1階-
サトコ「どんな道かと思ったら基本1本道やないかい!」
ユリ「どこで迷ったの?」
ジュン「確か、いま降りてきた階段を上に登ってて迷っていたような。」
レン「なんで上なんだよ。大浴場1階じゃね~か。」
ジュン「俺にもよくわからん!」
物心がつく前は自分でも理解に苦しむ変なこととかをよくしていたものだ。それが後々思い出すと何とも恥ずかしいものだ。要するに黒歴史である。
サトコ(あれ、いま通ってきた道よりさっきの分かれ道まっすぐ進んだほうが距離的には近かったんじゃあ・・・まあ別にええか!)
-山野温泉・男湯-
ジュン「さて、体も洗ったことだし最初はどこに入る!?」
レン「やっぱり最初は一番温度が低いところがいいんじゃないか?」
ジュン「それなら水流風呂・・・と行きたいところだが混んでるな。じゃあ、泡風呂だな!」
水流風呂と泡風呂は山野温泉の中でも温度が低めな風呂だ。水流風呂は意外と人気の風呂なようで、混んでいることが多いので、泡風呂から先に入ることが多い。
ジュン「ふぅ~イイネ!」
レン「俺はこのぐらいが丁度いい感じだな。」
ジュン「そういえばレンって熱いの苦手だっけ。」
レン「まあな。だからあまり長風呂はしないぞ。」
ジュン「じゃあ早めに次行くか!」
次に向かったのが天然風呂だ。泡風呂の目の前にあり、水流風呂や泡風呂より若干温度が高い。天然風呂のお湯には何かが浮いているが、近くにある看板によると温泉の不溶性成分が析出・沈殿したものである湯ノ花らしい。
ジュン「ふぅ、温度が高いと温泉感が高まるな!」
レン「なんだそれ・・・。」
5分後
ジュン「さて・・・いよいよだな。」
天然風呂から上がった俺達は山野温泉で一番広い風呂に入ろうとしている。その風呂はさっき入っていた泡風呂や天然風呂の反対側にあり、水流風呂の隣にあり、窓からは露天風呂の様子が見える。さらにこの温泉はこの山野温泉のなかで一番お湯の温度が高いのである。
ジュン「名付けて<地獄沸騰風呂>だ!」
レン「なんだよその名前・・・ここって小さいころにジュンが入って悲鳴あげたところだよな。」
ジュン「そういえばそうだな!まあ高校生となった俺達にはもう楽勝だろ!」
ジャポーン
ジュン「熱っ!!!」
レン「ぐおお・・・これは・・・。」
ジュン「大丈夫か!?」
レン「大丈夫すぐ慣れるさ・・・。」
5分後
レン「ぁぁぁ・・・。」
ジュン「やっぱりレンにはキツ過ぎたか!」
レン「そうみて~だ。」
地獄沸騰風呂から上がった俺達は少し休憩を挟んで最後の風呂へと向かっていった。最後の風呂は露天風呂であり、先ほど入っていた泡風呂の近くに外へと続く道がある。俺達はその入り口の前に来ていた。
ジュン「さて、最後の風呂である露天風呂に行く前に試練が待っているんだなこれが。」
レン「なんだ試練って?」
ジュン「露天風呂に入水するまでにすさまじい冷気と戦わなければいけないんだ!」
レン「ああ、なるほど。」
ジュン「名付けて<絶対零度の道>!」
レン「いちいち名前つけるのいいからさっさと行こうぜ。」
ジュン「おう!」
バタン!
ジュン「おぉう!4月の冷気はまだまだ強力だぜ!」
レン「そうか?俺はそうでもないように感じるんだが。」
ジュン「あぁ、レンは暑いのは苦手だてれど寒いのは得意なのか!」
レン「道民だしこれくらい普通だろ。」
ジュン(俺も道民なんだけどな~・・・。)
ジャポーン
ジュン「くぅ~!暖かいって幸せだ!」
レン「そうだな。昔から北海道に住んでいたアイヌ民族は冬場は大変だっただろうな。」
ジュン「技術が進歩した時代に生まれた俺達は幸せ者だな!」
レン「おっ、流れ星だ。」
ジュン「武道館 武道館・・・なんかブドウ食いたくなってきた。」
レン「知らね~よ・・・おっ、また流れ星だ。」
ジュン「金 金 金!」
レン「おい。」
こうして久しぶりの温泉を堪能した俺達は大浴場から上がった。各自風呂からあがったらゲームセンターに集合して今後の活動ミーティングをすることになっていたので、俺達はゲームセンターへと向かった。ゲームセンターは秘密の近道の階段から降りてきたところのすぐ右側にあり、男湯から出たら右にまっすぐ行けば着く。
-山野温泉・ゲームセンター-
ゲームセンターに4人がそろってしばらくは、それぞれ温泉内であった出来事を話していた。
サトコ「それでな!一番広い風呂に入ったら予想以上に温度が高くてなぁ!」
ユリ「あれはビックリしたわ!」
レン「<地獄沸騰風呂>のことか。」
サトコ「何やその名前!(笑)」
ジュン「俺が考えた!そして俺たちは5分間も耐えたぞ!」
サトコ「それにしても露天風呂からの星空は絶景やったなぁ!」
レン「流れ星も流れたな。」
サトコ「え、流れ星流れたん!?」
ジュン「気付かなかったのか!?」
ユリ「どうも私たちは運が悪かったみたいね。」
ジュン「さて、そろそろ今後の活動ミーティングするか!」
レン「そうだな、じゃあ学校祭のことからか?」
ジュン「いや、それよりも先に5月にある宿泊研修についてだな。宿泊研修は5月12~14日にかけて日高のほうに行くらしい。その間バンドの練習もできなくなるから注意すること。」
レン「山にも登るらしいな。」
ジュン「次は今年の7月ごろにある山野高校学校祭についてだ。学校祭に関しては一昨日も言った通り<ONステ>での優勝を目指すのが目標だ!通常は<ONステ>の発表時間は5分間だけとなっているが、俺たちはバンド演奏ということで特別に15分間ももらえることになったぞ!」
サトコ「おぉ!それなら安心やな!」
ジュン「それと山野高校の学校祭といえばやっぱり仮装行列だよな!?」
ユリ「そうね、私も何回か見に行ったことがあったわ!」
ジュン「要するに<ONステ>のことに関してばかりじゃなくて各自の係りの仕事にも全力になってほしい!まあ係りはまだ決まってないがな。」
レン「了解。」
ジュン「よし!じゃあアメリカンロック部全員で学校祭に向けて頑張るぞ!」
ジュン&レン&サトコ&ユリ「おーーー!」
こうして活動計画を立てた俺たちは俺の母が運転する車で各自の家へと帰宅した。久しぶりの山野温泉であったがみんな楽しそうでなによりだった。次も機会があったら山野温泉に来てみようと思う。
2010年4月19日(月曜日)
-山野高校・アメリカンロック部 部室-
♪~
矢島「あら、ジュンが急に上達したような・・・?」
ジュン「休みの日に6時間ほど練習しましたので!」
矢島「それは・・・すごいわね。それより<ONステ>に出るんですってね。」
レン(先生軽く引いてるじゃねーか。)
ジュン「はい!優勝目指してます!」
矢島「優勝ねぇ・・・かなり厳しいわよ。」
レン「そんなに競争率すごいんですか?」
矢島「そうね・・・ちょっと待ってて。去年の学校祭の<ONステ>の映像があるから見せてあげる。」
そういって先生は部室を出ていった。<ONステ>の話をした途端先生の表情が曇ったので、相当な競争率なのだろうと俺たちは察した。10分ぐらいして先生が高校のノートパソコンと<ONステ>の映像が記録されているDVDを持ってきて俺達に見せてくれた。
♪~
ジュン「うわお・・・すげぇ。」
レン「まるで隠し芸大会だな<ONステ>って。」
サトコ「こりゃ凄まじい競争率になりそうやで・・・。」
矢島「だから厳しいって言ったのよ。まあ、あなた達の部活も珍しいものだから演奏の腕前さえあげれば十分優勝も狙えると思うわ!」
ユリ「本当ですか!」
ジュン「よっしゃー!燃えてきた!」
矢島「そうよ。じゃあ<ONステ>に向けてさっそく猛特訓ね!」
こうして俺たちは先生に見守られながら練習を再開した。去年の「ONステ」の映像には様々なジャンルの参加者がいた。漫才をする人、のど自慢をする人、ヨーヨーの技を決める人、マジックを披露する人、プロジェクターを使ってドラマを放映した人もいた。だが、楽器を演奏した人は誰もいなかったので、俺たちも上手く演奏さえすれば優勝もできるかもしれないと思った。
-通学路-
レン「久しぶりの山野温泉は楽しかったな。」
ジュン「また行くか!」
レン「今は<ONステ>に向けての練習の真最中だから次行くとなると学校祭が終わった夏休みか。」
ジュン「もし<ONステ>優勝できたら皆で焼き肉パーティとかどうだ!?」
レン「まあいいかもな。」
こうして翌日以降も俺達アメリカンロック部は「ONステ」に向けての練習は続いていった。学校祭のことももちろんだが、来月には宿泊研修もあり、どうやら修学旅行の練習も兼ねているらしいのでこちらも気が抜いてはいられない。
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