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episode1⁺-高校生活スタート-

episode1⁺-高校生活スタート-


2010年3月12日(金曜日)

「あのさ・・・4人全員同じ山野高校だろ?」

「それがどうしたんだ?」

「高校に行ってもこの4人でバンド活動続けようぜ!」

「なんだそんなことか、当たり前だろ。」

「もちろんやで!」

「今までよりもさらにパワーアップしようね!」

「・・・ありがとう!」

 まだ雪が残る山野中学校。卒業式が終わった後の少し騒がしい中学校の生徒玄関前で俺たちは高校に行っても今やっているバンド活動を続行することを約束した。

episode1⁺-高校生活スタート-

2010年4月1日(木曜日)

-真田家・リビング-

ジュン「ふぁあ~・・・眠みー。」

ジュンの母「ほらほら。もうそろそろ行かなきゃ。」

ジュン「もうこんな時間か・・・早いな。」

 今日は高校の入学式がある日。卒業式からしばらくの間休みがあったので、まだ休みボケが取れていない。いつもより長い春休みは基本的に家でゴロゴロしているか、ダラダラとギターを弾いたりしていたなんとも健康に悪い生活をしていたものだ。

ジュン「じゃあ行ってきます。」

ジュンの母「行ってらっしゃい!」

バタン

-通学路-

 高校に向かっている途中の道を見ていると、中学生活最後の1年がいろいろと頭に浮かんできた。中学校最後の1年は何とも山あり谷ありという感じであったが、まあどうにかこうにか高校へ進学することができた。合格発表の時は随分ずいぶんとはしゃいだものだ。

 俺の名前は真田純さなだじゅん。北海道に住んでいて今年で高校1年生になる。あまり上手くはないがギターをやっている。おそらくだがボーカルも担当することになりそうだ。

レン「よっ、ジュン。」

ジュン「おはよう!」

 こいつは俺の親友の坂本連さかもとれんだ。俺が幼稚園のころからずっと同じクラスにしかなったことはないという何とも不思議な関係だ。眼鏡をかけていてスポーツもそこそこできて、勉強に関してはいい意味で変態レベルだ。中学時代から組んでいたバンドメンバーの一人であり、ベースをやっている。

サトコ「おお!久しぶりやな2人とも!」

 この子は井上理子いのうえさとこだ。俺たちが小学校3年生の時に親の仕事の都合で大阪のほうから転校してきた。転校してきたころは周りと馴染めてなかったので、俺がフォローをしたりしているうちに仲が良くなった。若干エセな関西弁を喋るが本人によると、わざとらしい。バンドメンバーの1人でありドラム担当だ。

ユリ「あっ!みんな久しぶり!」

ジュン「おう!おはよう!」

 この子は百合咲友里ゆりざきゆりだ。幼稚園に入園する以前からの付き合いで、要するに親友である。長い黒髪が特徴で中学時代のMs山中に選ばれるくらいルックスがいい。小学校の時に俺がプロポーズしたのは思いっきり黒歴史!まあ俺が返事も聞かずに逃げ出してしまったんだがな。バンドメンバー最後の1人でキーボード担当。

ジュン「よし!4人そろったし高校にGOだぜ!」

レン「朝からテンション高け~な。」

10分後

-山野高校・入口-

 ここが俺たちの入学する山野高校やまのこうこうだ。俺たちの町には小学校が5つほどに中学校は3つほどあるのだが、それらは町営で高校だけは道営になっている。そこまで大規模なものではないが内装は学校とは思えないくらいきれいだ。敷地内には高木記念館という白い建物があり、まれに学校行事で使うらしい。

ジュン「着いたな。」

レン「じゃあ入るか。」

ジュン「待て!」

レン「なんだよ・・・。」

ジュン「せっかくだから全員で足並みそろえて入ろうぜ!」

サトコ「それ賛成やで!」

レン「ガキじゃあるまいし・・・。」

ユリ「まあせっかくだしね。」

ジュン「じゃあ行くぞ!」

ジュン&レン&サトコ&ユリ「いっせーのーで!」

パン!

 高校への第一歩はバンドメンバー4人そろってだった。一回くらいはこういう感じなものがやってみたかったものだ。高校内部は新入生歓迎モードになっていていろいろな飾り物があった。あれこれしているうちに入学式が始まった。

-山野高校・体育館-

2年生「それでは新入生の入場です!」

パチパチパチパチ

粉~雪~ねえ心まで白く~♪

ジュン(ん?入学式に粉雪なんて新しいな。)

2年生(あっ・・・かける曲間違えた・・・まあどうでもいいか!)

 そのあとは現生徒会長からのあいさつと新入生代表からのあいさつ、そして先生方からのあいさつなどがあった。入学式が終わり、俺たちは自分の教室へと戻ってきた。

-山野高校・1年1組-

ジュン「サトコが3組でユリが2組か。」

レン「やっぱりお前とは同じクラスか。」

ジュン「やっぱりこれって運命なのかしら~ん♡」

レン「キモイやめろ。」

矢島「は~い、いったんお静かに~。私が1組の担任をすることになりました矢島由紀子やじまゆきこと申します。これから1年間よろしくお願いいたします。」

ジュン「女の先生か、結構若いな。」

レン「なんだ?狙ってるのか?」

ジュン「それはね~よ。俺がもし付き合うんなら同い年か年下だから。」

レン「ロリコン?」

ジュン「ちげーよ!」

-通学路-

 なんだかんだで時間がたつのは早いもので高校生活1日目は終了した。俺とレンは徒歩で3分もないくらい近所同士なので小学校のころからずっと帰るときは一緒なことが多い。

ジュン「早く自転車通学して~な。」

レン「まだ雪残ってるし、もう少し後になりそうだな。」

ジュン「明日は部活発表か。」

レン「どんな部活があるんだろうな。」

ジュン「噂によると吹奏楽部すらもないはずなんだよな、うちの高校。」

レン「吹奏楽部がない学校ってのもないよな~。」

ジュン「何年か前まではあったらしいが・・・まあ音楽関係の部活がないほうが好都合なんだがな。」

2010年4月2日(金曜日)

-山野高校・体育館-

 高校生活2日目は午前中は授業のオリエンテーションがあり、午後からは部活動の紹介と高校生活の1年間の大まかな流れの紹介がある。ちなみに部活動発表の順番はこんな感じだった

バスケ部

 ↓

野球部

 ↓

サッカー部

 ↓

バレー部

 ↓

卓球部

 ↓

陸上部

 ↓

弓道部

 ↓

美術部

 ↓

茶道部

 ↓

新聞部

 ↓

パソコン部

 やはり事前に聞いていた通り、音楽系の部活が1つもなかった。その代りなのか球技系の部活が充実している。俺は中学時代はバスケ部に入っていたが、部活動発表を見てやはり高校生ともなるとレベルが違うと感じた。

生徒会「部活動発表もすべて終了しましたので、これより高校の1年間の大まかな流れをしていくスライドショーの上映をしていきます。」

 体育館のカーテンが閉まりスライドショーの上映が始まった。

♪~

 去年の学校祭のテーマソングだったらしいELLEGARDENの「虹」とともにスライドショーが流れ始めた。1年生は5月ごろに最初の大きな行事の宿泊研修があり、そのあとに高校生活の1番の盛り上がりを見せる学校祭、秋には男子12キロ、女子8キロのマラソン大会、冬にはバスケとバレーと卓球の球技大会と・・・イベントが目白押しだ。

-山野高校・1年1組-

 放課後にバンドメンバー全員を1組に呼んだ。

ジュン「これより緊急の会議をする!まあ先ほどの部活動発表を見て分かる通り、音楽系の部活が1つもない!」

レン「要するに部活を設立するんだろ?」

ジュン「その通り!」

サトコ「バンドつ~ことは軽音部?」

ジュン「ノンノンノンノン。」

サトコ「えっ、違うん?」

ユリ「吹奏楽部じゃないよね?」

ジュン「そんなありきたりなものじゃないぜ!」

レン「何する気だ・・・。」

ジュン「これからアメリカンロック部というものを作ろうと思う!」

レン「はぁあ!?」

サトコ「アメリカンロックやってーーー!?」

ユリ「ということは歌詞全部英語だよね?」

ジュン「もちろん!」

ユリ「ジュンって英語できたっけ?」

ジュン「全く!」

ユリ「うわぁ・・・。」

 そう、俺は英語のテストで毎回赤点ギリギリ回避をしているような人間だ。まったくもって英語ができるわけがない。じゃあなんでこんな部活にしたかというと、どうせ作るなら珍しい部活にしたかったのと、音楽系の部活が全くないこの学校で目立ちたかったからだ。

ジュン「だから歌詞とかはユリとレンに任せた!」

ユリ「ええ!?」

レン「おい!」

ジュン「まあいいじゃん。2人とも英語のテスト95点以下とったことないじゃん。」

サトコ「うちは・・・ジュンと似たようなもんやし。」

レン「しゃーねーな引き受けるか。」

ユリ「私も!なんだかおもしろそうだし!」

ジュン「おお!よかった!」

 こうしてアメリカンロック部設立の第一歩が踏み切られた。その後部活について軽く話し合った俺たちは帰宅した。部活動設立は週明けの月曜日の放課後にでも職員室に行ってみようと思う。

2010年4月5日(月曜日)

-山野高校・職員室-

 本日の授業も終わり、放課後に俺達は職員室に来ていた。高校の職員室は小学校や中学校とは違い、2階にあり、俺達のいる1年生教室の向かい側にある。隣には進路指導室、さらに隣には図書室がある。さらに離れたところに生徒会室がある。

ジュン「・・・というわけで部活を作りたいと思うんですが。」

矢島「あら、別に大歓迎よ!」

ジュン「本当ですか!?」

ユリ「部室ってあるんですか?」

矢島「あるわよ。2年生の教室の向かい側に使われていない教室があるから、そこを部室にしてちょうだい。」

レン「ありがとうございます。」

矢島「まあ私も昔はこの学校でそんな感じの部活やってたからね。だから顧問もやってあげるからね。」

ジュン「ありがとうございます!!!」

サトコ「ジュンは少し落ち着きーや。」

矢島「でもアメリカンロックなら歌詞とかも英語でしょう?大丈夫?」

ジュン「自分で決めたことなので精一杯頑張ります!」

矢島「フフッ その意気ね!」

レン(英語全く出来ね~くせに。)

矢島「じゃあこの用紙に名前だけ書いてね。他のはこっちでどうにかしておくから。」

ジュン&レン&サトコ&ユリ「ありがとうございます!」

 俺達4人は部活動申請用紙にそれぞれの名前を記入して職員室を後にし、さっそく部室の下見をしに行くことにした。

矢島(あの子たち将来はなんだかすごいことをしそうね。なんだかすごいオーラを感じるからね。)

-山野高校・2階廊下-

ユリ「そう言えばみんなに聞きたいことがあるんだけれど。」

ジュン「なんだ?」

ユリ「私の担任の先生いるでしょう。」

レン「両山りょうざん先生か?英語の。」

ユリ「なんで髪型アフロなんだろう?」

ジュン&レン&サトコ「さあ~?」

 俺が中学校時代に高校の先生に面白い先生がいると聞いていたが、両山先生だったのだろうか?なんだかまだまだ面白そうな先生がたくさんこの高校にはいそうな気がする。いろんな方面で。話をしているうちに俺たちの部室となる空き教室へと到着した。2年生教室が3つ並んでいて、その一番奥の2年3組の迎側にあった。もらった鍵を使って中に入った。

-山野高校・アメリカンロック部 部室-

 俺たちに託された部室は十分すぎるくらい広く、奥には黒板があり手前には大きめのテーブルとその周りにはソファーとパイプイスが3つ置かれていた。どうやらここは前に何かの部活の部室として使われていたらしい。手前側には楽器置くのにちょうどいい感じのスペースがあり、ここで練習ができそうだ。窓からは体育館がすぐそばに見え、運動部系の道具がしまわれている倉庫と高木記念館が見えた。

ジュン「おお!予想以上に広いぞ!」

レン「十分すぎるくらいだな。」

サトコ「え~っと・・・中学校時代の練習部屋の2倍以上くらい?」

ユリ「これで安心して明日からバンド活動再開できるね!部長はジュンよね?」

ジュン「おう!当たりめ~よ!明日は各自楽器を朝のうちにここに運んできて放課後に練習だな!」

レン「了解。」

サトコ「うちドラムやから大変やで~。まあ家は高校からそんなに離れてないからええけど。」

ユリ「私は車で運んでくるかな?」

 部室の下見を終えた俺たちは部室のカギを返却してそのまま下校した。予想以上にいい部室を手に入れられて最高の気分だ。これで明日からの練習もはかどりそうだ。

2010年4月6日(火曜日)

-山野高校・アメリカンロック部 部室-

 今日の授業がすべて終わり、各自の掃除当番を終えた放課後。俺たちは部室に集合していた。

ジュン「よし!全員そろったな!じゃあ早速練習だな!」

レン「練習といっても前に作った俺たちのオリジナルソングしかないしな。」

サトコ「もう少しレパートリー増やしたいところやね。」

ユリ「そうね・・・じゃあジュンに何かいい感じの曲がないか探してきてもらいましょう。」

ジュン「了解!とりあえず今日のところは前からあった曲の練習だな!」

 俺はギターケースからギターを出した。ギターは(FenderJapan/MG73 CO OLB フェンダージャパン・ムスタング)だ。このギターはギターマニアである母から譲り受けたものだ。ギターにはリボンのようなライン状の模様が入っているので、俺は「リボン」と呼んでいる。

レン「さてと・・・ベース出すか。」

 レンのベースは(FenderJapan/PB-STD VWH プレシジョンベース)だ。バンドを始めるときに札幌のとある楽器屋に行った時に店員さんが値引きをしてくれて購入したものだ。白と黒が特徴的なクールなベースだ。

サトコ「うぅ・・・ドラム運ぶの大変やったで・・・。」

 サトコのドラムは(Pearl/FZH725/C91 レッドワインパールドラム)だ。こちらもレンと同じく札幌のとある楽器屋に行ったときに購入したのだが。運よくセール品で激安特価で手に入れたらしい。赤いメタリックカラーと黒色が目立つ。

ユリ「私は準備万端よ。」

 ユリのキーボードは(YMAHA/piaggero NP-V80)だ。俺の「リボン」と同じく母から譲り受けたものらしい。ところどころ色が違ったりしてなんだかおしゃれなキーボードだ。

ジュン「じゃあアメリカンロック部としての1発目の練習開始だ!」

♪~

 こうして高校に入って初めての練習が始まった。部室に全員が集まったのは16時くらいだったが、帰るころには18時になっていた。4月なのでまだ日が短く、外はすっかり暗くなっていた。

-真田家・ジュンの部屋-

 自宅に帰った俺は早速インターネットでいい曲がないか調べ始めていた。1時間ほど探して候補の曲を2曲とりあえず決めた。すると誰かが階段を上がってくる音が聞こえた。

ジュンの母「ジュン~!ごはん出来たわよ~。」

ジュン「おう!今行く。」

2010年4月7日(水曜日)

-山野高校・アメリカンロック部 部室-

 全員が集まったところで俺は自分の家から持ってきたノートパソコンを出した。俺のパソコンはモバイルルーターというものを使っており。ルーターの持ち運びが自由で、どこでもインターネットができるという優れものだ。

ジュン「じゃあ探してきた曲を発表する!1曲目はGoodグッド Sharlotteシャーロットというバンドの<The Riverリバー>という曲だ!」

♪~

レン「ほう。ボーカル2人いる箇所があるな。」

サトコ「この曲の時はジュン&レンコンビがボーカルちゅ~ことやね。」

ユリ「もう1曲あるんでしょ?」

ジュン「おう!2曲目はFooフー Fightersファイターズというバンドの<Allオール Myマイ Lifeライフ>という曲だ!

♪~

サトコ「うわお!後半やたらと叫ぶんやな。」

ジュン「魂の叫びだ!喉がつぶれそうだがな・・・。」

レン「じゃあ早速練習し始めるか。」

ジュン「そうだな・・・いでよ<リボン>!」

♪~

-通学路-

 俺たちは18時くらいまで練習していた。まだまだ演奏できるまではほど遠い仕上がりだが、少しは前に前進できた感じがした。今日はアメリカンロック部の4人で帰っていた。

ジュン「ふぅ・・・疲れたぜ~。」

レン「お前かなり叫ぶからな。」

ジュン「なあ、みんな。」

サトコ「何や?」

ジュン「俺たち高校卒業したらメジャーデビューしてね~かな。」

レン「何スケールでかい話してんだよ・・・。」

ユリ「まあ夢は大きいほうがいいよね。」

ジュン「で、何かの間違いで武道館で演奏してたりして!?」

レン「天と地が逆さまになってもあり得ない話だな。」

 こうして4人はそれぞれ家へと帰宅した。高校生活もまだまだ始まったばかり。そしてアメリカンロック部としての活動も始まったばかり。これからも俺たちの練習続いていく。


ToBeContinued

最後まで読んでいただきありがとうございました。

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