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老婆と大男

 かつて、このラケン大陸は平和そのものであった。どこにいても危険がないため、安全な所なんて特別に意識する人間はいなかった。

 しかし、事態は一変する。鼻血王国のキーゼルバッハ王が、お祭りをやろうと言いだしたのだ。これにより、ラケン大陸全土が混乱に包まれる。お祭り慣れしていないラケン大陸の住民は、戸惑い、様々な疑問と不安を抱えたのだ。そこへ、悪魔がやってくる。


 ミチル大王だ。


 ミチル大王は変態の集まるお祭りを企画し、不満が噴出すれば、その責任をすべてキーゼルバッハ王になすり付けた。すべては、言いだしっぺであるキーゼルバッハ王の責任だと。

 この事態を重くみたトマト王子は、諸外国と連携して、秩序ある企画を打ちたてようとしたが、時既に遅し。ラケン大陸は、戦火に包まれていたのである。

「一刻も早く、ミチル大王を討伐しませんと」

 トマト王子は、決意を新たに歩き出す。雨はやみ、星空が見えていた。

 ふと、老婆に話しかけられる。

「ミチル大王をお探しか。わしは何でも知っているよ」

「本当ですか!?」

 トマト王子は、頭を下げる。

「僕はミチル大王を倒して、ラケン大陸の平和を取り戻さなければなりません。彼の居場所が分かるなら、どうか教えてください」 

「いいだろう……などと素直に言うと思うかリア充王子め! こちとら嫌がらせにきたんだよバーカバーカ」

 トマト王子は絶句した。ミチル大王が台頭してからは、頼まれ事を断る人間が増えた。暴言も横行するようになった。

 老婆は高らかに笑う。

「あーはっはっはっは! ミチル大王のおかげで、好き勝手な言葉を吐き、犯罪をする自由さえうまれたのさ。あの変態王も、たまにはいい仕事するねぇ」

 トマト王子は、苦々しい表情を浮かべる。

「なんという事を……」

「このラケン大陸は、変態の天下だ。おまえも、下着で満月の夜を徘徊するがいい!」

 老婆の言葉は、純粋なトマト王子にとっては耐え難いものだった。

「想像するのもお断りです」

 怒りを込めて剣を握る。

「暴力か? いけない事だー、清廉潔白なトマト王子の名が泣くねぇ」

「悪を倒すための暴力に、ためらいはありません」

 トマト王子は本気だ。老婆は後ずさる。

「き、鬼畜。ちょっと、からかっただけなのに!」

「なんとでも言ってください。僕のプライドを傷つけた罪は重たいのです。魔剣ボルディアスの露となってください」

 魔剣ボルディアスが光り輝く。

 そして、老婆はお空のお星様になった。何が起こったのかよく分からないと思うが、作者も理解していないので、軽く流す。

「またつまらぬものを、ぶっ飛ばしてしまいました」

 トマト王子はため息を吐いた。

「早くミチル大王を倒して、良識ある人々が気持ちよく暮らせるラケン大陸を取り戻しませんと……」

「ワロワロワロース!」

 突然、盛大な高笑いが聞こえた。振り向けば、大柄な男がいた。

「変態に良識とかワロース! 変態は制限なく暴れるから変態なのだー」

「どなたですか」

 トマト王子が剣を構えると、男は更に豪快に笑った。

「ワロワロワロース! 俺は貴様をおほもだちにするために、ここに来たー。俺が掘ったらすごいぞー」

「どうすごいのですか?」

「デュフフフ、お楽しみだー」 

 男の怪しい笑いに、トマト王子は首をかしげた。

「よく分からないので、調べます。野菜王国の大臣に命じておきましょう」

 自力で調べるという発想のないトマト王子。

「俺が教えてやるー」

 変な意味で食い下がる男。トマト王子は笑う。

「あはは、いりませんよ。あなたは生理的に無理なので、僕の前から消えてください」

「なんだそりゃ!? 性格悪すぎるだろ! ワロえなーい」

「あはは、泣いていいですよ。では、魔剣ボルディアスの露となってください」

 魔剣ボルディアスは光り輝き、男をぶっとばした。


 こうして、お空のお星様が増えた。

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