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~罪ノ使イ~

〈登場人物〉

レアノ

セルヴァに仕えている天使。心優しく、大人しい。シルダが死んでから、心のどこかが変わってしまった。シルダと同じように、辛く苦しい運命を辿る事になるが…。


セルヴァ

レアノの主。レアノとはあまり話さない。


ラスティオ

レアノの幼なじみ。ゼラルディに仕えている天使。彼もレアノのように大人しい。


ゼラルディ

ラスティオの主。赤い瞳を持ち、冷酷な一面がある。自分の天使でありながら、ラスティオを殺してほしいとセルヴァに依頼した人物。


フィライネ

レアノの幼なじみ。シェルアに仕えている天使。明るく、誰が一緒に居ても楽しい存在。


シェルア

フィライネの主。魔術を使うのが得意で、特別な力を持っているが、今は体が不自由で、霊界でしかその力を発揮する事ができない。


シルダ

レアノの元主。レアノと仲が良く、いつも優しく接していたが、ある理由で命を落とした。



用語解説


『霊界』

天使、精霊(人の死後を含む)、神、あやかしなど、人間界では空想とされているものが自由に行き来できる場所。それらのものは、人が《空想》として生み出すことで遥か昔に誕生したとされる。また、人間の中でも、稀に霊界に行くことができる者もいる(シェルアがその一人)。


『天使』

大昔は、霊界とは別で、天界に暮らす人類に近い生物として扱われていた。ところがある時になると、突然天界の存在が消え、天使の居場所は人間界のみになった。それからというもの、人間は天使と※契約を結び、魔師だけが天使と共に生きる事が許されるようになった。

天使はそもそも人間では無いため、人間界という環境で過ごすことには慣れることが出来なかった。そこで自然と何らかの働きが天使の身体に生じ、人間との違いが現れた。それが以下の通りだ。

〈血液の形状と色〉

人間の血は赤い液状だが、天使は白い粒状のもので、内側から光を発している。重さがほとんど無く、出血しても鳥の羽根のように宙を舞ってゆっくり地面に落ちる。

〈不老不死〉

正確に言えば、絶対に死なないということは無く、特別な魔法と『罰』と呼ばれる現象のみで消滅する。この、特別な魔法というのは、天使の主となった魔師(天使を制御するため)と、天使だけが使うことができ、一般の人間と、他の空想とされる生物には使用不可能な術である。ゼーテ(国の言語で“闇”という意味)と呼ばれ恐れられてもいるが、その力を研究している者もいる。罰とは、天界が消えてから生み出された、儀式によって起こる現象のこと。ストーリー上の時代では解明されず、未知の現象となっているが、実際は『罪』による人の恨み(憎しみ)もしくは悲しみといった感情から、復讐心が形となって現れたもの。人間とは罪の非常に多い生き物だが、天使は生まれながら何かの罪を持ち、それが人類と比べとても大きいものであることから、罪の対になる『罰』を受けた場合負担が重すぎて(天使の)身体と精神が自然に消滅してしまうのである。罰はストーリー上では何によって生み出されるのかわかっておらず、知らない間に天使が現象で消滅しているといった出来事が一時的に相次いだ。なお、今までに消滅した天使の3割が、罰によるものだという。


※天使と主が共生する際交わす契約の内容は、非常に複雑な仕組みになっている。それらは、また機会があったときに話すことにする。

〈翼〉

元々、天使には翼はなかったが、天界が消える異変が起きると、天界に居た神達のエネルギーが天使達に行き渡り、翼をつくる為の力が生まれ、天使の身体に翼が生えた。翼は人間には見えず、同じ天使でも見える者は滅多にいなかった。

〈霊界への移動〉

天界が消えてからというもの、天使は空気の綺麗な霊界を頼り、行き来するようになった。しかし、あまりに出入りする天使が多かったため、睡眠をとっている時間(夢間)のみに霊界へ行くことに定められた。


『魔師』

魔師とは、魔術を身に付けていない人の依頼を受け、変わりに魔術を使った仕事を果たす職業。もしくはその職業で生活している人のこと。多くの魔術を勉強しているため、魔師には天使の主になる資格がある。国王に使える魔師や、街のはずれでひっそりと仕事をする魔師も実際に存在する。時には、暗殺等を担当とする魔師(黒魔師)も実在し、問題になっている。


『魔術』

この時代には、一般の人間も防御魔法や生活を便利にする魔法などは覚えていた。しかし個人によって、魔術に含まれた成分が身体(または精神)に合わず、一般で覚えるはずの魔術が覚えられない場合もある。元々の性質なので仕方ないが、大きな仕事がある時は、魔師に頼むことができる。


『天使の狩人』

当時、不老不死の力とゼーテの研究が目的で天使を狙った事件が多かった。主が目を離した一瞬の隙に連れて行かれる天使や、主までもが襲われるケースも少なからずあった。狩人達は魔師と変わらぬ程の魔力を持っており、今までにも多くの天使、主が惨殺された。そのため、天使狩り禁止令が出たのだが、いまでも密かに活動している研究所がある。


『共生』

共生とは、天使と主が行動を共にする事である。儀式によって彼らの魂は霊界で結ばれ、どちらかが死ぬまで共にいる事となる。


『フィセゾゾ』

当国の言葉で“彷徨える天使”の意味を持つ。主を失った天使は、次の主が現れるまで、独りで生きていかねばならない。そのような天使を、人々は《フィセゾゾ》と呼んだ。



本ストーリーで使われる共生法


共生法はこの時代に使われた、天使と主の関係についての法。


・天使が主を、もしくは主が天使を殺してはならない。

たとえ人間より身分の低い天使であっても、殺す事は許されない。また、天使も主を殺してはならない。


・天使は主の命令に逆らってはならない。

天使は儀式により主に仕える事を誓ったため、どのような命令でも従わなければならない。ただし、主の命令が他の法を犯すものであれば、従ってはならない。従った場合には、天使のみが罪を問われる。


・主に依頼した人物を、天使が知ってはならない

天使が好まない命令を主から受けた時、その命令を依頼した人物を探ると、天使はその人物に恨みを抱く可能性があるため、依頼した人物を天使が知ってはならない。

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