『一億円の指(ゴッドハンド):その1 修行編』
『一億円の指:その1 修行編』
第一章:地獄の先行投資 ―― 黄金の指を創る一ヶ月
山奥の深い霧に包まれた、大学生プロデューサー・ユウキ所有の私設道場。そこは世俗の法も常識も届かない、ただ「究極の技術」を産むためだけに造られた聖域だった。
「いいですか、久我さん。これは単なるマッサージの練習ではありません。僕の人生、僕のプライド、そして一億円という巨額の先行投資を賭けた、国家転覆級のビジネスなんです」
ユウキは最高級のバカラグラスを揺らし、琥珀色の液体を見つめながら冷徹に告げた。
「あなたの能力……『女の胸を触れば、その人の過去が見え、取り憑いた霊を払える』というサイコメトリーと除霊の力。現状ではただの変態、あるいは不審者ですが、僕がプロデュースすれば、それは国家を救う唯一の『聖技』になる。そのために、僕は伝説の講師を呼び寄せました」
奥から、床を鳴らさぬ優雅な足取りで現れたのは、道着を羽織っても隠しきれない爆乳と、しなやかな曲線美を誇るドS美女、阿修羅先生だった。
「あんたが今回の『ゴミ』ね。一ヶ月で、あん摩マッサージ指圧師の試験に通る基礎力と、私の秘技を叩き込んであげるわ。……ただし、脱落すれば死だと思いなさい」
修行は、地獄という言葉すら生ぬるいものだった。最初の二週間、久我に課されたのは「鋼の指」を造るための基礎体力の構築。
「指先に全霊力を集めなさい! 石を揉んで砂にするのよ! 指先だけで腕立て伏せ一千回!」
久我は五本の指先だけで己の体重を支え、地球を押し返すような負荷に絶叫した。指の骨が軋み、皮が剥け、血が滲んでも阿修羅先生の鞭が飛ぶ。さらに、激しく落ちる滝の飛沫を、一つも逃さず指先で掴み取り、空中で弾き飛ばす「霊水弾き」。
一ヶ月が近づく頃、久我の指先は、岩を触れれば粉砕し、水に触れれば霊圧で沸騰させるほどの「黄金の硬度」と「霊的な熱」を宿していた。
第二章:秘孔の開示 ―― ピンクの聖域と「期待」の裏切り
修行も最終盤。阿修羅先生は、汗と鼻水でボロボロになりながらも立ち上がる久我を、薄暗い奥の間へと呼んだ。
「基礎はできたわね。……最後に見せてあげる。あらゆる霊を爆散させ、人を昇天させるあの架空の最強生物の竜すら屠ると言われる究極の秘技――『ドラゴン殺し』。そして、またの名を『乳首殺し』よ」
(聞いただけでも恐ろしい…..ドラゴン(乳首)殺しだなんて…..)
久我が震えながら問い返そうとしたその時、阿修羅先生は不敵に微笑み、問いかけた。
「あんた、人間の急所と言われている二つの秘孔……どこだか分かるわよね?」
久我は修行で得た解剖学の知識を必死に絞り出す。
「は、はい! 眉間の『印堂』、喉の『人迎』……そこを突けば、人は一発で……」
「――違うわ。本当の秘孔(急所)は、ここよ」
バサッ、と道着が左右に開かれた。そこには、重力に逆らうように美しくそびえ立つ、阿修羅先生の圧倒的な爆乳が顕露していた。
「「ブッ……!!!」」
久我とユウキの鼻から、一ヶ月の禁欲と特訓が限界突破したかのような鮮血が噴き出した。
「よく見なさい。この、なまめかしくツンと上を向いた、ピンク色の綺麗な突起……。こここそが生命の根源『母なる場所』であり、魂に最も近い聖域。ここを完璧に掴み、練り上げた霊力と共に螺旋を描くように回転させるの。母なる場所を制する者は、魂を制する。……これがドラゴンをも屠る最強の攻撃よ」
久我はそのあまりのなまめかしさと神々しさに圧倒され、指先を黄金に輝かせながら、(……先生に、先生にして良いのかな?)と淡い期待を抱いた。身体が熱くなり、指先が勝手に先生の胸元へと吸い寄せられそうになる。
だが、阿修羅先生の冷徹な声がそれを遮った。
「……何期待してんのよ、この変態ゴミ野郎。まずはユウキで練習なさい。……ユウキ、脱ぎなさい」
第三章:ユウキの陥落 ―― 真っ赤に腫れ上がる「相棒」
「ええっ……。先生、僕ですか!? 僕、一応一億円出したスポンサーなんですけど……!」
ユウキは困惑したが、阿修羅先生の瞳に逆らうことはできない。「僕かよ……」と絶望しつつも、彼はプロデューサーとしての責任感からシャツを脱ぎ捨て、胸をはだけた。
「いい、久我。指先に全霊力を集中させ、螺旋を描くように回すのよ。やりなさい!」
「ええ……。久我さん、僕を……僕を『完成』させてください……」
すでに修行のサポートを通じて久我の指に魅了されていたユウキが、恍惚とした表情で胸をはだける。久我は震える指先に、一ヶ月で練り上げた全霊力を込めた。
「ハァァァァァッ……! 喰らえ!!」
「――っ!! ギ、ギャァァァァァァァァ!!」
ユウキの絶叫が夜の山々に響き渡り、鳥たちが一斉に飛び立つ。久我の黄金の指が捉えたユウキの胸元は、触れた瞬間に肌を火傷させるほどの熱を持っていた。
練習が繰り返されるにつれ、ユウキの胸元は真っ赤に腫れ上がり、物理的な痛みを超えた「禁断の快感」が彼の脳を支配していく。
「あああ! 汚れちゃいました……僕の純潔が、久我さんの指に汚されちゃいましたぁぁ!!」
ポッと頬を赤らめ、ガタガタと震えながら喜びを噛み締めるユウキ。エリートとしてのプライドは完全に粉砕された。
「ふん、いい筋ね。刺激が欲しい時はセルフでもしなさい。私もたまにしてるから」
第四章:伝説の師匠越え ―― 「いかせて」の一撃
修行最終日。阿修羅先生が少しだけ驚いたように目を細める。
「面白い。あんたのようなゴミに触れさせるわけにはいかないけれど……その指、どれほどのものか試してみたくなったわ。……いいわよ、やってみなさい。ただし、満足させられなかったら死刑よ」
「――っ!!」
隣で見守るユウキの顔面が真っ青になる。
「久我さん、正気ですか!? 先生のその神聖な領域に……!! う、羨ましい……!! 先生、ここは僕が代わりに!!」
「黙ってなさい、ユウキ。あんたはもう、十分すぎるほど汚れちゃったでしょ?」
阿修羅先生はユウキを冷たくあしらうと、久我に向かって胸を張り出した。
「さあ、来なさい。一ヶ月の成果を見せなさい、久我!」
阿修羅先生が自身の指先に凄まじい霊圧を込め、久我へと突き出した。久我もまた、右手の二本指に全霊力を集約させた。ターゲットは、目の前でなまめかしく波打つ、桜色の「母なる場所」。
――バチィィィィィィンッ!!! 道場の中央で二人の指先が激撃し、衝撃波が床をめくり上げる。だが、久我の「触りたい」という純粋な煩悩が、先生の霊圧を押し返した。
「先生……いかせてあげます!!」
「秘技・ドラゴン殺し――『双極旋回・天昇』ッ!!!」
久我の指が、ついに先生のピンクの聖域を完璧に捉えた!次の瞬間、指先が物理法則を無視した超高速で回転を始める。
「――っ!? ……ああ、ああああああああっ!!!」
それは、ドS師匠のものとは思えない、激しい悦びの悲鳴だった。
「な、何これ……!? 霊力の密度が……今まで自分でやってたセルフとは……比べ物にならない……!! 脳が、脳が溶けるぅぅぅ!!」
「先生、行きますよ! 回転を上げます!!」
「ダメ、それ以上は……!! あああああっ! 先生、イっちゃう……先生、イっちゃうからぁぁぁ!!」
黄金の光が道場を包み込み、阿修羅先生の体から真っ白な浄化の煙が吹き出した。
「……やるじゃない。あんたの指……一ヶ月で、私の想像を超えたわ。おめでとう、久我。今日からあんたは……私の、専属の『救護士』よ」
ユウキが膝を抱えて呟く。
「……先生まで、汚れちゃった……。次は……次こそは、また僕に……」
第五章:衝撃の置き手紙 ―― 旅立ちと一億円の行方
その日、ユウキは一億円の報酬を阿修羅先生の口座に即座に振り込んだ。
翌朝、試験会場へ向かう直前、二人が道場に顔を出すと、そこは異様なほどの静寂に包まれていた。久我が奥の部屋を開けると、そこはもぬけの殻。あるのは、冷え切った机の上に置かれた一通の封筒だけだった。
『久我、あなたの乳首殺し、最高だったわ。 まさか教え子のあんたに、これほどの悦びを教わるとは思わなかった。……私もまた、あなたに感化されて新たな修行のために、消え……いえ、旅に出ることにしたわ。 一億円は確かに受け取ったわ。これでさらに高みを目指すつもりよ。試験頑張って。あんたのその指があれば……正直、試験の内容はさっぱりわからないけれど、少なくとも「試験官」をイカすことだけはできるはずよ。じゃあね、私の可愛い救世主様♡』
「……は? 消え……っていま『消える』って書きかけたよな、この人!?」
「ちょ、先生……!? 逃げた!? 旅に出るってなんだよ! 一億円振り込まれた瞬間に、そそくさと消えたぞあの女ぁぁ!!」
久我の叫びが道場に虚しく響く。あまりの身勝手な「卒業」に、久我は一億円の損失と、試験への不安で顔面蒼白になった。
あまりに身勝手な「卒業」に、二人は言葉を失ったのだった。




