左右に宿るもの ――背徳の造形、魂の調律
左右に宿るもの ――背徳の造形、魂の調律
某探偵事務所。
今回の依頼人は、都内でも有名な音大に通うという清楚な美女、綺麗田 美代。はち切れんばかりの胸元を両腕で抱え、赤らんだ顔で身を震わせていた。
「……霊が、入り込んだみたいで。最近、そこが……異常に張るんです。熱を持って、疼いて……」
久我は獲物を狙う獣の目で膨らみを見据え、口を開く。
「ホルモンの影響では?」
「もう、昨日終わってます」
「なるほど」
納得したように頷き、久我は改めて彼女の全身を舐めるように観察する。
「それでは、妊娠の可能性は?」
「いえ……まだ、そういうこと自体、なくて……」
一瞬の沈黙。久我の喉仏がゴクリと大きく動いた。
「……こんな美人なのにもったいないな、まだ純血とは」
医学生のユウキがたまらず立ち上がり、聴診器を取り出した。
「久我さん、人それぞれですから、不謹慎ですよ! 美代さん、医学的な観点から僕がまず検診を……」
「どくんだ、ユウキくん!」
久我がその肩を荒々しく掴み、後ろへ投げ飛ばす。
「この人(美人)は僕が専属で診る......巨乳霊の憑依、乳好きの守護霊......いずれにせよ乳に関わる霊障だ。ちょっと見せてくれ。真実を見極める必要がある」
ためらいながらも、美代はブラウスのボタンを一つずつ外し、ブラを解いた。 解放された白く柔らかな双丘が、重力に従ってしどけなく揺れ、その先端は赤く恥じらうように尖っている。
「素晴らしい」
女性は頬を染め、恥じらいながら言った。
「久我先生……あなたに、人生で初めて(おっぱい)を捧げます」
「……ふふふ。任せてください。痛くしませんからね」
「!?(久我さん、言い方完全にアウトだ!)」
久我は覚悟を決め、視線を逸らさずその肉感的な膨らみを観察する。
時折り指先がピクつく。
視線が、一瞬だけ彼女の足元に置かれたバッグへ落ちた。
半開きの口から、擦り切れた御守りが覗いている。胸元に押し当てる癖があるのか、角だけが妙に丸い。
「……あなた、いつもこのお守りを右に持ってましたね。願いを込めた物を、無意識に右へ……そりゃ偏る。霊は“近い願い”から喰う」
「……だから右側だ。あなた、確か――本来は清楚なCカップだったはず。なのに右だけ……もはやEカップ。左にパッドを入れて誤魔化している」
依頼人の目が見開かれる。
「なぜ、それを……」
「だが、大きくなっていくにつれ、男の視線が増えていく。正直、それが快感で……言い出せなかった。
虚栄心と、その居心地の良さ。霊にとって、これ以上ない環境だ」
ユウキが口を挟む。
「久我さん、それ推理というより、ただの性癖の開示ですよね」
「黙って」
久我は続ける。
「確かに霊が強まっている……処置は一つ。では、私が、いただきます」
「えっ……ぁっ」
「安心して。これは聖なる除霊だ」
久我が吸い付くような手つきで右側の膨らみに掌を当て、揉みしだく。
「……ぁっ、温かい……先生の手……」
除霊の波動と共に、指先は乳腺の凝りを鮮やかに解消していく。
「張ってるな。指を押し返さんばかりの弾力だ。乳管の奥まで霊障が詰まっている。……ふんっ、これで霊を抜く……いや、逃げた! 左へ移動したぞ!」
「えっ、ちょ……あ、あんっ! 先生、左が、左が熱いぃ!」
「なんということだ。今度は左が膨れ上がっている……! 逃がさんぞ!」
ユウキが顔を赤らめて実況する。 「逃げてますね。あれま、今度はお尻の方まで行きましたよ」
久我は掌に残る官能的な感触から、正体を看破した。
「なるほどな。胸を解析して分かったよ。
こいつは……あなたの『胸が大きくなりたい』という願いを叶えようとした守護霊に近い存在だ。
本来ならとても良いものなのだが、コントロールが下手すぎて歪な形に膨らませてしまったようだ。
……どうしたものか、下手に除霊すれば、カップの願望ごと壊れる。危ういな」
久我の指先が、ほんの一瞬だけ止まった。
「……待て……よし、私がこいつを誘導してやる」
「……そんなことが?」
「ああ。だが、まずは逃げた霊体を本来あるべき場所へ戻さねばならん。……失礼」
久我は躊躇なく、美代の背後に回り込み、彼女を背後から密着して抱きすくめた。 「あ、そこは……っ! お尻はダメぇっ!ここも初めてなのッ」 「動くな。これは聖なる回収だ」
久我はスカートの上から、溢れんばかりの曲線を描くお尻を、両手で「むにゅっ」と掴み上げた。柔らかな肉が指の間から溢れ出し、美代の身体が弓なりに反る。
「捕まえたぞ。……さあ、戻れ、あるべき双丘へ!」 久我は指先に霊力を込め、お尻から腰、そして敏感な脇腹へと、這い上がる霊体の塊を強引に押し上げた。
「あ、あんっ……ひぁっ! 昇ってくる……熱い何かが、私の中を掻き回して……っ!」
久我の手掌が背中を駆け上がり、脇から一気に前方へ。
逃げ場を失った霊体は、再び胸元へ押し戻された。
「……ふぅ。さて、ここからが本番だ。
相当の霊力と指先の全神経を注ぐ繊細な技術が要る。
私の魂を削ることになるがな」
ユウキが顔色を変える。
「久我さん! あなたの命まで……!」
「このカップ乳には、それだけの価値がある。ああ、任せろ」
久我は低く息を吐き、奥義「双龍掌」を繰り出す。
両手で左右の果実を捉える。
「右をあと3ミリ……そうそう、そこだ。左、いきすぎ。もう少し内側だ……よしよし、完璧だ」
全身から熱気を含んだ蒸気が立ち上る。
「ふぅ……完璧な乳だ。
両方Dカップ、形も完全に整えた。上向きの乳首、乳輪の色艶も。
これなら、もう心配要らない。もともと神クラスだが、もはや一般人には手が届かない芸能人クラスになった」
久我は霊体を消さず、肉体と「共存」させた。
依頼人は鏡を見て感極まり、久我の手を握りしめた。
「先生、ありがとうございます……!こんなに気持ちの良いものなんてッ....私知りませんでした」
「なぁに。定期的に私を頼って来なさい。
胸だけじゃなく、まだ初めてでしょうから、この先の『作法』も、たっぷり教えてやりますよ……ニチャア」
「えっ良いんですか?ぜひまた来ます。これからもずっとずっと私の専属でお願いしますね」
(久我さんのおかげで、私、新しい世界が見れたわ.......もっと気持ちよくなりたいの.....)
女性が満足げに去った後、久我は膝をついた。
霊力の過剰消費――そして眼前の情景による強烈な昂ぶりが、限界に追い込んでいた。
「……久我さん」
背後から、サヤカの冷徹な声が響く。
視線は久我の股間に一点集中。
「久我さん、あなたのアソコ……ズボンの繊維が引き千切れんばかりに、禍々しく隆起していますわね」
「……何!?あああ、大事なところがこんなに固く腫れ上がってしまっている!どうやら守護霊が、俺からあの女性を守ろうとして、私の体にも取り憑いたようだ……!」
「久我さん、美人だからって、あの人を触りすぎでしたよ、自業自得です」
久我は顔を真っ赤にし、破裂せんばかりの隆起を押さえ、悶絶しながら叫ぶ。
「サヤカさん……! 触って……しごいて……! 早くこれ(霊毒)を、出してください……ッ!!」
サヤカは冷たい紅茶を啜り、一切の感情を排した声で言う。
「……セルフでしごきなさい」
「えっ」
「自分の不始末でしょう?
その溢れんばかりの『霊毒』、自分の手で一滴残らず排出しなさいと言っているんです。
立ち去らないでくださいね。
あなたが『解脱』するまで、私が一秒も目を逸らさず観察して差し上げますわ」
「な、何を……! サヤカさんの冷徹な視線を浴びながら、自分で自分を……そんなこと、できるわけが――」
「早く。できないなら、五鈷杵で物理的に叩き出しますけれど?」
サヤカが銀色に輝く鉄塊を弄ぶのを見て、久我はガタガタ震えながらベルトに手をかける。
「……くっ、これは聖なる浄化だ……自分自身への、除霊儀式なんだ……っ!」
「ええ、その意気ですわ。
もっとしっかり握って。あなたのその……『毒の塊』が、どう惨めに果てるのか、じっくり見学させていただきますわ」
「ひいぃっ、サヤカさんの目が……冷たすぎて、逆に、アソコが熱くなってくるぅ……!!」
事務所に残ったのは、サヤカの冷たい視線と久我の情けない呼吸音だけだった。
(俺は久我さんのなんてものを見させられてるんだ……)
――END




