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探偵は胸を揉む  作者: リチャード裕輝
探偵は胸を揉む:『霊感(パイ)コメトリー・オブ・ザ・デッド』

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第15話:夜の海、あるいは最も見てはいけない儀式

第15話:夜の海、あるいは最も見てはいけない儀式



夏の夜。

大学生グループの肝試しになぜか久我も巻き込まれて、海辺の遊歩道を歩かされている。


ユウキは不参加。


「若者の集団心理は面倒ですから」


「それに夏の夜の海ですよ……その場に行かなくても、何が起きるかは想像がつきますね」


と即切り。


久我


「なんで僕だけ!?」



波の音、潮の匂い。

遠くで誰かの小さな声がする。


女子大生


「……ねえ、今の聞こえた?」

男子

「女の声じゃね?」


久我は一瞬、能力が反応しかける。


(あ、これ……霊じゃないな……感情が生々しすぎる)


しかし言う間もなく、

岩陰の方から


「……やだ……」

「静かに……」


という完全に勘違いを誘発する声。


一同、凍りつく。


女子大生


「……幽霊?」

男子

「……出るやつ?」


久我


「いや待って、これは……」


(岩陰の物音を聞いてビビってる大学生たち)


女子A


「……ねえ……幽霊……出たの……?」


岩陰を覗いた瞬間――


月明かりに浮かぶ、不自然に絡み合う影。


久我(即答)


「いや、出てない。

出そうな声はしてるけど」


一同


「え?」


その瞬間、岩陰から


「……ウッ……」

「……出る……」


一同


「!!!!!」


女子B


「ちょっと待って今の何!?」

男子C

「やばいやばいやばい!!」


久我、額を押さえて


「……だから言ったじゃん……

それ成仏じゃなくて絶頂だから……」


一同


「は?」


さらに追撃。


「……出ちゃった……」


沈黙。


風の音。

波の音。

そして気まずさの頂点。


久我


「……うん。

幽霊じゃなくて、出たみたいです」


女子A

「最悪……」


女子B

「肝試しで聞く台詞じゃない……」


男子C

「帰ろ……もう帰ろ……」


女子D

「……ちょっと待って、今の配信してたんだけど…… コメント欄が地獄になってる……」


男子E

「……なんで肝試しで負けた気分になるんだよ……」


久我だけが前かがみになりながらぼそっと。


「……僕、胸揉む除霊専門なんだけどな……

排出は専門外なんだよ……」


一斉に踵を返す大学生たち。


そのとき。


遠く、海の向こう側から。


「……やっと……きた……」


「……こんどは……にがさない……」


全員、ぴたりと止まる。


久我だけが、ゆっくり顔を上げて。


「……あ、あれは……」


――悲鳴と波音が重なる。


――終了。


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