霊障マタニティ・ブルー:『暗黒乳(ダークミルク)の洗礼と、還りゆく聖母の胎内』
霊障マタニティ・ブルー:『暗黒乳の洗礼と、還りゆく聖母の胎内』
1. 乱入:白銀の天使、再臨
事務所のドアが、C4爆薬でも仕掛けられたような勢いで蹴破られた。
「久我さぁぁぁん! 会いたかったですぅ!」
雪山での「人間魚雷」こと、アオイである。彼女は久我を見るなり、サヤカの存在を完全に無視してその細い腕で抱きついた。
「ア、アオイさん!? なぜここに!?」
「久我さんの不足分(性エネルギー)を補いに来たんです! ……あら? その赤ちゃん、もしかして久我さんの……?」
ユウキの肩でスヤスヤ眠る霊央を見て、アオイの瞳がキラキラと輝く。
「可愛い……。久我さん、サヤカさんばっかりズルいです! 私も欲しい! 私も久我さんの赤ちゃん作りたいですぅ!」
「なっ……!?」
久我は鼻下を伸ばし、とまんざらでもない表情。だが、背後ではサヤカから「特級怨霊も失神するレベルの般若面」が浮かび上がり、事務所の観葉植物が次々と枯れ果てていった。
2. 惨劇:Aカップの悲哀と「見えない壁」
「キャハッ!」
目を覚ました霊央が、新しい「膨らみ」を求めてアオイに飛びついた。
「おっ、霊央! アオイさんの胸も『ぱんぱん』だぞ!(期待値込みで)」
久我が興奮に震える。しかし、霊央がアオイの胸元を「ぱんぱん!」と叩いた瞬間――乾いた、虚しい音が響いた。
「……? ぱいぱい……ない?」
霊央の瞳から、大粒の涙がこぼれ落ちる。アオイの胸元は、清々しいまでのAカップ。
ドレインしようにも、吸い取るべき質量が「狂気」以外に存在しなかったのだ。
「うぅ……赤ちゃんにまで『虚無』って言われるなんて……。久我さん、私の胸はやっぱり『面』なんですね……」
「アオイさん、泣かないでくれ! 質量が全てじゃない! 君には『殺傷能力の高い真心』があるじゃないか!」
3. 禁忌:暗黒物質ミルクの調合
「いいわ……。私、立派なママになってみせる! 霊央くんのために、私が『特製ミルク』を作るわ!」
アオイが取り出したのは、禍々しい紫色の粉末と、ドロドロに溶けた「何か」が入った哺乳瓶。かつて落ち武者を「旨味成分」に変えた、あの暗黒調理スキルが発動する。
「やめろアオイ! それはミルクじゃない、液体化した地獄だ!」
「飲ませるな! 赤ちゃんの魂がデリートされるぞ!」
久我とユウキの制止も虚しく、アオイは「愛情たっぷり(致死量)だよ♡」と霊央の口に哺乳瓶を突っ込んだ。
「ゴクッ……ゴクッ……」
霊央がそれを飲み干した瞬間。
「……ギ、ギャフン!!」
最強の超能力ベビーの顔が蛍光グリーンに発光し、白目を剥いてその場にバタリと倒れ伏した。
「霊央ぉぉぉぉ!!」
久我が絶叫し、アオイは「えっ、隠し味の『呪い(スパイス)』が強すぎたかな!?」と泣きじゃくる。
4. 結末:究極のドーピングと胎内回帰
霊央の体が、透き通り、分子レベルで消えかける。
「嘘……死んじゃうの!? 私のせいで久我さんの忘れ形見がぁ!」
「ア、ア、ア……(※訳:殺される……!)」
霊央は命の危険を察知し、フラフラと這い出しながら、なぜか実の父である久我を全力でスルー。そして、唯一の良心(一般人)であるユウキの足元にしがみついた。
「パパ……たしゅけて……(涙)」
「えっ、僕!? ちょ、霊央くん、僕はパパじゃないよ!?」
ユウキが慌てて抱き上げると、霊央はユウキの無味無臭(無霊力)な清潔感に安らぎを見出し、その胸に顔を埋めて震えている。
「ちょ、ちょっと待て霊央! 俺が本物のパパだぞ!? なんでその『一般人A』みたいな男に懐いてるんだよ!」
久我が必死に手を伸ばすが、霊央は「イヤァアア!」と全力で拒絶。
「久我さん、残念ですが……今の霊央くんにとって、久我さんは『毒親の共犯者』にしか見えてないようです。……サヤカさん、お願いします!」
4. 結末:究極のドーピングと胎内回帰
ユウキは悟ったような顔で、殺気立つサヤカの元へ歩み寄った。
「サヤカさん、お願いします。この子を……『お家』に帰してあげてください」
「……ふふ、仕方ありませんわね。わたくしの愛の深さを、思い知らせてあげますわ」
サヤカが優しく霊央を抱き上げると、アオイの毒ミルクに含まれる「怨念」が、超能力ベビーにとって最強のエネルギー源へと変換され、同時にサヤカの圧倒的な母性によって中和されていく。
「……キャハハハハ!!(※訳:全回復、というか限界突破!)」
エネルギーが溢れすぎて制御不能になった霊央は、爆発的な勢いで光の弾丸となり、再び「本来あるべき場所」――サヤカの腹部へと、吸い込まれるように還っていった。
「――ンッ……アァッ!!」
サヤカが艶やかな声を上げ、その腹部がポカポカと黄金に光る。
「……ふぅ。霊央ったら、アオイさんの『猛毒』を食べて、わたくしの中でお祭り騒ぎをしていますわ。……でも、これで当分は出てこられませんわね」
5. エピローグ:終わらぬ女の戦い
「……霊央くん、帰っちゃった」
アオイがポツリと呟く。しかし、すぐに顔を上げて久我の手を握った。
「久我さん。次はサヤカさんの中じゃなくて、私の中に『直接』作ってくださいね? 私、もっと料理の修行して、次こそは『致死量ギリギリの愛』を注ぎますから!」
「……ああ、アオイさん。俺、君ために何度でも死ねる気がするよ(物理的に)」
背後では、サヤカが以前よりさらに巨大化したEカップ(霊央の充電完了)を揺らしながら、氷のような微笑みを浮かべていた。
「あら。次があると思っているのかしら、この泥棒猫。……久我様、今夜はわたくしの『揉んで除霊』のフルコース、受けていただきますわよ?」
「……一番怖い、愛の地獄変だ……」
ユウキの呟きと共に、事務所のシャッターが閉まる。 久我の「シナシナ」な毎日は、二人の女性と、腹の中で牙を研ぐ息子によって、これからも搾り取られ続けていくのであった。
――完――




