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蟷螂の斧

作者: 篠山 翔

俺は天下無敵のカマキリ様だ。俺の武器はなんといっても両腕についてるこのカマだ。俺は切れ味の鋭いこのカマで、ときには華麗に舞う蝶を仕留めたり、ときには堅固な甲冑を纏ったカブトムシを倒したりしてきた。クモを捕らえて食ったこともあった。

噂じゃあ、俺様は「二つ斧」なんて呼ばれ方をされて恐れられているらしい。カマと斧の違いすらわからねぇのかと呆れたくなるが、まあ、呼び方なんてものはどうでもいいのさ。俺様に敵うヤツなんざどこにもいねぇ。俺様が一番強い。それだけが重要なことなのさ。


──どうやら俺様が寝ている間に大雨が降って、茂みから流されちまったらしい。

クソ、どこだここは!

灰色の硬い地面がどこまでも続いている。俺様の住処になる茂みがどこにも見当たらねぇ。雨はもう止んでいるようだから、適当に茂みを探しに歩くか。

(ピーポーピーポー)

……なにかデケェのがこっちに向かってきてるな。俺様に向かってくるなんていい度胸だ!俺様の力見せてやるぜ!カマを上げて威嚇のポーズだ!

(ピーポーピーポー)

ほう、こうやって俺様の凶悪なカマを見せつければ、大抵のヤツはビビッて逃げ出すもんだが、まだ向かってくるか。面白れぇ!

……あれ?なんかこいつ、でかくね?

こうして、カマキリは天国へ旅立っていきました。


蟷螂の(かまきりのおの)

カマキリが前足を上げて車の進行を止めようとする意から、弱いものが自分の力量もわきまえず強敵に立ち向かうことのたとえ。


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