2.
季節外れの雪。
何とも不思議な光景だが、暑さで頭がやられている俺はラッキーぐらいにしか思っていなかった。
「私、ツいてるじゃん。これも日頃の行いが良かったからか~」
雪が降り始めてから数分で辺りは寒くなり始め、アイスを買う必要も無くなったので、来た道を戻る。
しかし、温度は下がり続け。来た道を半分戻った頃には、半袖で外出した俺にはもう耐えられないレベルまで温度が下がっていた。
「~寒すぎっ!」
冷える体を擦りながら拠点へ急ぐ。
震える体に鞭を打ち、やっとこさついた頃には膝上まで雪が積もっていた。
おかしい。どう考えてもおかしい。拠点からコンビニまでは徒歩数分。ダラダラと歩いても五分程度。そんな距離の間に降り始めた雪が膝上まで来ているのはおかしい。
今の俺は、女にしては背が高い筈なのだ。その身長からして膝上まで積もった雪。
何か起きたと焦る。
仲間の無事を確認したい一新で雪をかき分け戻る。
扉を開け、第一声。
「皆、無事!?」
しかし、返ってくる声は無く、俺の声が響いただけ。
少し見渡して気付く。
マツリが居た部屋から明かりが漏れている。
驚かせやがって、と思いながら部屋に入る。
が、明かりのついた部屋は誰も居らず。シーンと静まり返り、蛍光灯のチリチリとした音がなるだけだった。
その後、一時間かけて館の中を見回ったが何も得られず、最初の部屋に戻ってきた。
一息付くためにドカッと座り込み頭を抱える。
八つ当たり気味に床に手を置いた。その時、手に何か当たった様な気がして目を向ける。
そこには小さな紙切れがあった。




