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5.危険人物になっちゃった☆前編

 ズゴォォンと言う音を発てながら、怪人の腕が地に落ちる。


何をされたのかわかっていない怪人は、突然の痛みに悲鳴を上げ無差別に攻撃を始めた。


 街に何かあったら俺の信用に関わるな、と思い能力の確認もかねてもう一度、刀を振る。


 硬質な物体を切る音と肉を断つ音が、同時に聞こえる。怪人は悲鳴を上げることも、何処から切られたか確認することも出来ず、核となった人間を排出しながら粒子になって消えていく。


 ちなみに、瞬殺されてしまった可哀想な怪人君の見た目は、パニエを履いてスカートをふんわりとさせた下半身にコルセットをきつく巻いた上半身そして、仮面舞踏会とかで着けるような仮面。所々、欠けた装飾に亀裂の入った首飾り、剥げた爪。肌は異常なまでに白く不気味な見た目だった。


 あの怪人はHigh&Deathに登場していた。ゲーム序盤でナナちゃんともう一人の子で倒していたはずだ。


 しかし、今のナナちゃんは味方もおらずゲームの時と性格が違う。もっと明るく前を向く子だったと思うが、何があったのかはわからないがゲームと同じ世界ならばろくでもない事に違いない。


話を戻そう。


 あの怪人は名を虚飾の怪人と言って、人の着飾りたいと言う欲を核に生まれる。特徴は硬い外皮と上空からの範囲攻撃で戦う弓チク野郎なのだ。


ゲームの序盤でどれだけ苦しめられたことか!


 ナナちゃん達は最初、力を上手く扱えず上空の敵への攻撃手段を持たないので最初の難関と言われHigh&Deathの初心者卒業の目安とされていた。


そして、忘れてはいけない設定が一つ。


怪人は全て元人間を使用している事。


 怪人になった人間は動力とした欲によってこれまでの人格とは全く別のモノになってしまう。


そして、怪人を討伐すると核の人間は抜け殻のようになり二度と意識は戻らない。


つまり、さっき虚飾の怪人から出た人はもう死んでいると言っても可笑しくはない。


だけどね?な~んかさっきから違和感があるんだよね。


なんだろ?


「あっ……あの!」


え、ナナちゃんが俺に話しかけてる?さっきまで警戒してなかった?うーん?


あ、しっかり警戒は続けてるみたいだね。ちゃんとしてるな~


「なにかなぁ?ナナちゃん。」


「しょっ…所属を言って下さい…」


所属?何処にも入ってないよ?て言うかこの世界、特に組織らしい組織無いよね。


あるのかな?聞いてみるかぁ。


「ナナちゃん的にはどこに所属していて欲しいの?て言うかナナちゃんの所属は?」 


「えっ…わ、私は魔法連盟に所属しています」


結構簡単に答えてくれたけど機密とかではないのかな。それとも、調べればすぐ出る情報なのか。ナナちゃんの雰囲気からの予想だけど、多分後者かな?


「そっか、そっか。所で魔法連盟ってなに?」


自分の考えが纏まった俺は、最大の疑問をナナちゃんにぶつけた。

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