11.
弁明をしてどうにか誤解が解けた俺は、ナナちゃんの同級生だと言う少年に事情を聞いていた。
「少年、なんであんなことしたの?」
「……」
「正直に話してくんない?」
「……」
「私しか聞いてないからさ~、話しちゃいなよ~」
今、俺と少年は二人っきりだ。その方が少年も話しやすいと思ったから俺が、三人に頼んでこうした。
だって嫌じゃん、同級生の前で罪の告白なんてさせられるの。
俺ってば優しいな。
「早くしろ~。私のストーカー」
「…違う」
「うん?」
「…だから、お前のストーカーじゃない!」
喋った…。
苦節二時間、ようやく一言喋った。長かった…。
「じゃあ、何が目的?」
「…お前を殺すこと」
「なるほどね?」
わからん、この少年に恨まれることはしてない筈だが…。
「動機は」
「お前に僕の邪魔をされたから」
「なんか、邪魔したっけ?」
「お前っ!!」
いや、そんなに憤られても心当たりが本当にない。
「本当にわかんないんだけど?」
「チッ…僕が手に入れる筈だったナナをお前に盗られたんだ!!」
「は?」
「あの科学者と契約してもうすぐ手に入る筈だったのに!!」
待ってくれ。つまり、この少年はプロードと関係があったのか?
そして、この口ぶりからしてナナちゃんの一件に関わっていたのだろう。そう思い至り、さっきまでの許そうかなって言う思いが消えた。




