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4.出会い

 自信を無くした俺は、少し一人になるためオウカちゃんに一言断りを入れ、ぶらついていた。


 「はぁ…」


 溜め息しか出ない。


 別に、オウカちゃんやスレイヤーに嫉妬や劣等感を感じている訳ではない。俺は自分にあきれているのだ。


 ナナちゃん救出の時は、自称天才のプロードに改造怪人を出されて怯んだし。その前のスレイヤーが襲撃してきた時はオウカちゃんを守れず、スレイヤーが殺す気ではなかったから助かっただけ。


 強くなりたいが、スレイヤーはここのところ忙しそうで、ほとんど会えていない。さっきの念話が久しぶりの会話だった。


 前に何をしているのか聞いたが、心配するなの一言で終わったし。


 鬱々と考えを巡らせながらふと、周りを見た。


 「何処だここ?」


 ナナちゃんの家の付近でもないし、オウカちゃんが教えてくれた拠点候補の近くでもない。


 もしかして俺、迷子か?


 何とか現在地を知ろうと、ポケットに手を突っ込みスマホを探す。


 「あ、そうだ。こっち来てから電子機器触ったことないや」


 考えてみると俺は、転生してからスマホを持っていない。まあ、初手が衣食住の確保だったからしょうがないんだが。


 これは困った、連絡手段がない。


 「どうしたもんかな」


 公衆電話を探して辺りを歩く。


 幸いなことにナナちゃんの両親から助けてくれたお礼と言うことで少しお金をもらっている。最初はすんごい額を提示してきたがお断りして、相手の気持ちを無下にしないように少しだけ貰った。


 なので、公衆電話さえ見つかれば……。


 そういえば俺、ナナちゃんの家の電話番号知らないや。無い物尽くしだな俺。


 現実逃避にシフトしようとした俺を、現実に戻す爆音がした。


 音の方に体を向け臨戦態勢を取る。変身はまだしない。


 爆音のした方は砂煙を上げ、視界が悪く何が落ちたかはわからない。


 暫く見つめていると煙の中から声がした。


 「うっざ!着地失敗したじゃん!」


 煙をかき分け出てきたのは、スラッとした女性と帯同する大きな鎌だった。


 「え、誰?」


 首をかしげ俺の方を見ていた。









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