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2.オウカ

 「クオンちゃん!マジヤバイ場所見つけたから早く行こ!」


 「そうだね、行きたいのは山々なんだけどその前に幾つか質問良いかな?」


 「うん?いいよ~」


 「先ずは、ちゃん呼びは何故?」


 「距離を縮めるため?」


 「なるほど。じゃあ次、少し真面目な質問ね」


 「ドンと来い!」


 「ナナちゃんの言ってた魔法連盟側の説明どう思う?」


 「ありゃ?本当にマジメなやつだ~。真剣に答えるね、って言っても私は大して詳しい訳じゃないから本当に主観になっちゃうけど…」


 「全然良いよ。むしろそっちの方が聞きたい」


 「わかった。質問に対しての答えは魔法連盟は信用ならない。遺族に対しての説明とか絶対にしてないでしょアレ」


 「確かに。私達と同じ意見か…」


 「おんなじ?」


 「うん、スレイヤーと私と同じだね」


 意見が同じで少し嬉しそうなオウカちゃんを、見ながら考える。


 まず、何故こんな質問をしたかと言うと、ナナちゃんに説明されたときの内容に違和感があったからだ。


 特に違和感が強かったのは怪人化した人の家族や血縁に説明したと言う話のところだ。


 研究次第では起きる筈の、怪人化した人々が死んだことになっているのは意味がわからない。起きた時の事なんて最初から考えていないのだろう。端から、実験サンプルとしか思っていないのだろう。


 消耗品だから起きる心配は無いし、万一起きても内々に処理できるのだから危険性は無いのだろう。


 そして、もう一つ疑問なのが何故、ナナちゃんとナナちゃんの家族を行かしておいているのか。これについては全く検討も付かない。


 「クオンちゃん、質問終わった?」


 「あ、うん。終わりだよ、ありがとね」 


 「じゃあ、行こう!新居に向けてしゅっぱ~つ!」


 オウカちゃんに腕を引っ張られ、引き摺られる様に連れていかれる。


 「オウカさん、お出掛けですか?」


 「うん、クオンちゃん連れて行ってくる~。ナナちゃんも行く?」


 「いえ、今はその…家族と居たいので遠慮しておきます」


 「そっか、確かに!家族は大事にするんだよ~」


 「はい、オウカさん達も気を付けて」


 「いってきま~す」


 ナナちゃんより年上の筈のオウカちゃんが何故か年下に見えるが、オウカちゃんは別に馬鹿と言うわけではない。


 これは彼女なりの励ましと優しさなのだ。決してアホの子とかでは無い。


 「あれ、道どっちだっけ?」


 たぶん…。

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