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24.見守り隊、結成 後編

 何でナナちゃんがいるんだ!?


 内心、引っくり返りそうなくらい驚いた。だが、ここで驚いては何か負けた気がする。なので、さも知っていたかのように平然と装う。


 スレイヤーの方を見ると、忽然と姿を消していた。


 あれぇ?どこ行ったの?


『おい、クオン。ここだ』


 スレイヤーの声が頭に響く。


「どこだ?」


「何を言っているです…?私はここにいますよ」


『馬鹿め、声に出すな。頭に喋りたい内容を思い浮かべろ』


 成る程…?念話的な感じかな?


『そうだな。それと…我は今、お前の腰にぶら下がっているぞ』


 確認のために手を腰に当てる。今、俺は変身している。なので、左腰には剣がある。そして、右腰にはスッゲェ豪華なロングソードがぶら下がっている。


 え、うそ。これがスレイヤーなの?


『うむ、それが我の核だな』


 核だって?おいおい!そんなに簡単に見せても良いのかよ?


『うむ、あの娘が入ってきて答えそびれたが、我はお前の計画に乗ってやろう』


 …本当か?


『うむ、騎士に二言はないな』


 何故、急に?


『あの娘が入ってきて咄嗟に、緊急措置として核にもどってお前の腰に剣として擬態したのだ。その時にな、お前の魔法少女への想いをダイレクトに受けてしまってな。嘘偽りが無いことを知ったからだな』


 スレイヤーからの申し出は凄く嬉しいが、その理由が何とも気恥ずかしい。まずもってして、俺から提案した計画だ。なので、俺の想いを知ってもらって協力すれば伝達も齟齬がおきずらい。俺が恥ずかしいと言う点を除けば完璧な能力だ。


 ありがとう、スレイヤー。これからよろしく。


『よろしく頼むぞ、小僧』


 え、は?


『お前の内側を読んだのだ、おのずと出自も知れる物だ』


 成る程、それで俺が元男だと知ったのか。


『うむ、お前が覚えていることは大概知れた。逆にあやふやな部分は何もわからん。安心しろ、今のはからかっただけだ。今後は、クオンと呼ぶ』


 了解、からかうのは程々にしてくれよ~。


 スレイヤーとの会話に一区切り付き、ホッとしていると声が掛かる。


 「あの、私抜きで話進んでませんか?気のせいですか?」


 あっ…忘れてた…。


『何とかしろクオン』


 おい、こう言うときこそ助け合いだろ!知恵を貸せ!


『気絶させるか?』


 却下!!


『おや、もう案がなくなってしまった。後は頑張れ』


 え、暴力沙汰しか案出してないよ?しかも一つだけだし。


『………』


 反応が無い、ただの屍のようだ。


 本当に反応しなくなりやがった。スレイヤーはナナちゃんへの対応を俺に丸投げし無視を決め込むつもりらしい。


 「あの、さっきまでもう一人いませんでした?」


 「う~ん?いや、いなかったよ?」


 「そうですか…?私の気のせいですか…」


 「それよりさ、どうしたのかな?」


 「あ、そうでした。さっきの貴女の独り言?を聞いてしまったんですが、良ければ私にも協力させてください!」


 何とか独り言で押し通しナナちゃんの話を聞く。


 大体予想は出来た。

 大方、この前情報として伝えた俺の能力、核となった人の意識を取り戻す力で希望が見えたからだろう。


 あの時は言ってこなかったけど、ナナちゃんは起こしたい人が居るみたいだしね。起こすのは全然やるし、なんなら無償でいい。


 それよりも問題は、ナナちゃんの起こしたい人に近付く方法だ。


 どうやって、魔法連盟に気付かれずに近付くかだな。


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