23.見守り隊、結成 中編
「え、は?みまも……なんだって?」
「だから、見守り隊だよ」
「何だ、それ?」
「私がずっと温めてきた計画、そのはじめの一歩だよ!」
「具体的に何をするのかと言っているんだが…」
「魔法少女を見守り、時に助け、必要とあらば敵に回る。そんな感じかな?」
「なるほど…?だが、我は付き合わぬぞ。我は魔法少女が死に行くのを見たくはない。だから、変身しないようにしたいのだ」
「大丈夫、スレイヤーの意向とも反発しないよ。むしろ、共存できる」
「何だと」
「つまり、だ。スレイヤーは力無き魔法少女を救いたいんだろ?なら簡単。全員、力有る魔法少女にしてしまうってのはどうだ?」
「夢物語だ」
「かもしれない、でも試す価値はあるだろ?」
「だが、それで犠牲が出たらどうするのだ!?」
「その為の私達の共闘だよ。魔法少女達の地力が上がるまでは俺達二人で怪人を倒す」
「だが、我等でカバー出来ぬ部分もあるのではないか?」
そうなんだよ、そこが問題でな。俺がもう少し自分の力について、勉強しないとならない。スレイヤーをどう説得するか悩むな。
実際、こんなに早く強い奴との会話が出来るとは思っていなかった。元々、いつ来ても良いように説得方法は考えていた。何分、転生して間もないので練りきれていなかったのだ。
そして、スレイヤーが魔法少女を守る事に前向きなのが誤算だった。
勿論、嬉しい誤算だが、こうなるとどうするのが正解かわからない。
「なら…私も手伝います」
後ろから掛けられた声。聞き覚えのある声だ。正体についてはもうわかっているが確認の為、振り向く。
そこには、俺の予想通り。ナナちゃんがいた。




