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15.生活水準

 ナナちゃんを転移で送り返した日から三日後。俺は相変わらず工場で寝泊まりしていた。


 だが、変わったことが少しある。まず、工場に付いていた従業員用のシャワーが止まった。いつか来ると思っていたが、想像の五倍は早かった。


 悲しい。


 まあ、それはどうとでもなるのだ近くに川もあるし料理も出来るようになったし。


 誰が料理するのかって?俺がやる?いやいや俺は男飯しかつくれないから論外だ。そう、感の良い人なら気付いているかもしれないが、この前助けた人がいただろ?何を隠そうあの子が変化その二なのである。


 あの子、名前を春風(はるかぜ)オウカと言う。


 実は、ナナちゃんと会話をした後からずっと眠っていて、起きたのは昨日の夜。心配したが、起きた後は体に不調も無かった。


 だが、眠る前のナナちゃんとの会話はあんまり覚えていないようで、自分のやった街の破壊や傷付けた人を心配しているようだった。起きて直ぐに自首をしに行こうとしたくらいだ。


 何とか思い留まって貰うために被害状況や怪我人の事など(全部ナナちゃんの受け売りだが)を話した。ナナちゃんから聞いた被害状況なのだが実質被害ゼロらしい。


 何でも、彼女が破壊した建物はナナちゃんが誘導した廃ビルだったようだ。そして、彼女が殺してしまったと思っている人は、ビルの中にあったマネキンで怪我人はナナちゃんだけ。そのナナちゃんはもう魔法で治ってるので、実質被害ゼロなのだ。


 これを説明した最初は信じて貰えなかったが、立ち直って貰うために、被害のあった廃ビルや、実際のマネキン等を転移で連れていって見せたら何とか受け入れられたらしい。


 それからは、精神的に立ち直りつつあるが、ナナちゃんへの罪悪感は強いらしく、謝りたいとずっと言っている。


 まあ、俺の立場がどうなるか次第でオウカちゃんを会わせられるかは変わってくるけどね。


 何故、オウカちゃんを元の生活に戻せないかと言うと。コレもナナちゃんから聞いた話なんだが、怪人化した人は死亡と判定され戸籍などがなくなってしまうと言う。


 それをやっているのが魔法連盟なので、俺はさらに魔法連盟を信用できなくなった。


 行く宛の無い少女を何処かに放置するのは、俺の心の安寧の為にも出来ることではないので仮住居(廃工場)に置いているのだ。


 そして、料理は彼女の提案だ。なにもしないで恩人にお世話になり続けるのは嫌だと言っていたので、何が出来るのか確認したところ料理と掃除が趣味と言っていたので、料理と掃除を任せた。


 缶詰だけの所で料理が出来るのかと思ったろ?


 俺が確認しなかった工場の裏手の倉庫に非常食とカセットコンロがあった。他にも寝袋やランタン、ウェットティシュなど非常時に大事な物は大概あった。


 何故、見落としたのか俺も疑問だ。


 そんなこんなで生活水準が少しだけあがって俺はご満悦だ。


 でも、そろそろ普通のベットで寝たい。寝袋で寝ると工場の床の冷たさがダイレクトに伝わってきて辛い。


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