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9.氷見クオン

 酷い目に会った!


 全身、土だらけになるし。ナナちゃんの蹴りが当たった所はちょっと痣になってるし。最悪だよ、まったく!


 よくわからない魔法?も発動したしさぁー!何なのって感じだよ!


 心の中で言いたい放題言い、スッキリした俺は考える。ナナちゃんの蹴りの直後に発動したし魔法について。


 正直に言うとあの魔法に心当たりはある。だが、今の俺が使えるわけはない。というか、あの魔法の所有者以外は使えない筈なのだ。


彼女が助けてくれたのか?


いや、無い。有り得ない。


 いくら俺の原作知識から外れた世界だとしても、それだけは有り得ない。だがもし、彼女が関わっているのだとしたら、今考えても全く意味がない。


 なので、まずは俺の名前を考えようか。ナナちゃんに聞かれたときスッて答えられなくて困ったもんな~!


 好都合な事に、この身体はたぶん、戸籍とか今まで生きてきた記憶とかが無い。


何でわかるのかって?


 俺も説明しようのない感覚なのだ。異物をろ過して馴染ませたような、応急処置にしては上出来だけど、その対応のせいで干渉出来なくなったみたいな?


 ダメだ、自分でも何言ってるのかわかんなくなってきた。


 そんな事よりも名前ね名前、決めないと次にナナちゃんと会ったときに名乗れないからね。


 まぁでも、悩むこともなく決まっているけどね。


氷見 クオン(ひみ くおん)


 今日から俺はそう名乗る。前世の名は思い出せず、今世は最初から無い。しかし、前世の記憶はある。ならば俺が、考えに考えた美少女に付いててほしい名前10選から堂々の第一位を付けることにする。


 え?武装のカラーリングが紅と灰だから、氷見はイメージ違う?


 だまらっしゃい!!

 こんな機会でもなきゃ自分で自分の名字も名前も決める何て出来ないんだから!


熱い心を語った俺は一旦冷静になる。


 とりあえず、名前は決まったし今後の為に武装と能力の確認をしておこう。


身体に力を漲らせ、昂った所で言葉を紡ぐ。


「変身」


 バリバリと紅い稲妻が走り、武装を展開していく。僅か0.5秒で変身は終わった。


 隅々まで見て、先程と変わり無い事を確認する。相変わらず魔法少女らしからぬ武装だなと思うが、可愛らしいキャピキャピした感じのを着る勇気は無いので助かる。


「こう見ると殺すためだけの変身って感じがするな…」


 そして、一度目の変身ではよく見れなかった刀をまじまじと見る。微振動した刀身に鍔無しの柄、鞘に付いた充電マークは満タンになっている。


 試しに近場にあった木を切ってみた。中々に太い木を選んだので、斬り倒しは出来ないと思っていた。


結果は、豆腐を切るより楽だった。


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