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最強?の船を手に入れた

「失礼いたします。ご主人様」


 昼下がり。昼食が終わっての昼休みに僕専属のメイド『リタ』が僕の部屋に訪れた。


「面白いアイテムを入手しまして」


 三人掛けのソファーで寝そべりながら、風魔法が使える初級魔導書を読んでいる。


「ここで出してよ」


「ここでは見せられないので、広場に移動していただきたいのですか」


「そんなに大きいものなの?」


「それなりには」


 広場に移動した。特に何もないサッカーができる程度の一面の芝生だ。


「船を手に入れましたので。ここで出します」


 ちょっと待て!!水が無いところでサッカーコート大の船なんか出したらひっくり返って大惨事になるぞ!


 巨大な魔法陣がリタの前で展開される。


「お前何考えて! えっ!」


 光輝いた先から、長さ5mくらいのゴムボートが出てきた。


 フェリーとかイージス艦でも出てくるかと期待していたのに。期待して損した!!


「どこで手に入れたの。これ?」


「ラフティング好きの方から金貨10枚で手に入れました」


『前世の世界では70万円くらいです』


 解説。あれ?リタ。ぼったくられてね?


 異世界でもラフティングしたい異世界人がいるんだ。


「新型が出たそうで格安で譲り受けました」


 格安じゃないよ、ぼったくられてるよ。リタさん。


「これからギルドの依頼で湖に出た水龍を狩りに行きますので準備してください」

 

 湖?うちの近所に湖なんかあったっけ?ため池レベルならあったけど。


「私のポータルを使えば歩いて5分です」


「それめっちゃ遠い!!」



――とある某所の湖――



 前世の木崎湖に似ていた。UFOいそう。異世界だし。


 リタは湖畔の水面にゴムボートを召喚。そこにはクーラーボックス(大)とトランシーバーがある。


「では、ご主人様には、湖の中央にいる珍しい水龍を狩っていただきます」


 え?一人で?リタと一緒じゃないの?


「修行の一環なのでおひとりで狩っていただきます」


 無情にも言い放った。


 ・・・・・・という訳で。


 このゴムボートを使って、火を吐く珍しい水龍を僕一人で狩ることに。


 ボートにめがけて火を吐く水龍。結界が張ってあるから大丈夫だというが。


「うわ!!」


 正面から炎をまともに食らったはずだが、僕もボートも無傷。


「やっぱり・・・・・・ あの転移人から買って正解でしたね」


 トランシーバーからリタの声が聞こえた。


 でも僕の知っている転移人は販売はしていないと思うんだ。


「これで炎上は防がれます」


 僕はついさっき魔導書で覚えたエアカッターで、水龍にちまちま攻撃する。

 ほくこの展開、前世でAHEMAで観たわ。


「別の意味で炎上しそうだけどな」


 僕が狩っているの水龍だし。ウ〇ギではない。


 エアカッターの刃が水龍の首に当たる。戦意を喪失した水龍は逃げの体制になるが。



    スパーん!!



 見えない何かが水龍の首を跳ね飛ばした。


「ご主人様!そこのアイテムボックスで回収してください!」


 対岸にいたリタが叫んだ。ボ―トにあったクーラーボックス大のアイテムボックスを開けて沈んでいく水龍を回収するイメージで魔力を込めた。

 みるみるうちに頭と胴体を回収したあとにきっちり蓋が閉まるアイテムボックス。うん優秀。


「ご主人様。ミッションコンプリート!」


 レシーバーから聞こえるリタの声。


「リタ!ありがとう!」


「とりあえず戻ってきてくださいませぇ」


 岸に戻ってきた。


「では、早速ギルドに持っていきますので、夕食は水龍のステーキですから期待しておいてください」


 ボートとクーラーボックスを回収したリタは転移魔法で消えていった。


 牛肉みたいに熟成させないの?

 リタならタイムアクセラレーターくらいは持っていそうだけど。深く考えるのはやめた。


 ・・・・・・でもここからどうやって帰るんだ?



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