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ラーメン取り寄せてみた

 僕は急にラーメンが食べたくなり、前世で好きだった辛いラーメンを思い出す。

 前世の時は名古屋まで出かける程のラーメン好きで、カップ麺もネット通販で箱買いしていた。

 しかし、異世界のテンプレでは手に入れるどころか再現も難しいんだろうなあ。


「この世界で作っているいろいろなカップラーメンがあれば食べてみたいなぁ」


それを聞いていたリタはとんでもないことを言い出す。


「伝説のラーメンの木を探しましょう!」


「ラーメンの木?そんなものがあるのか?」


「はい、この世界にはラーメンが実る木があるんです。季節ごとに味が変わるんです」


「それはすごいな。でも、どうやって見つけるんだ?」


「私のデータベースにそのラーメンを作った人がいると思いますので調べてみます」


 奇妙な踊りを踊りだしたと思ったら、


「出ました。ここから馬車と船で1か月くらいの距離にラーメンツリーを栽培している農家がいました」


「やっぱりいたぁー!!」 


 でも1か月かぁ。


「ちなみに取り寄せってできないの?」


「生モノで消費期限が短いそうで……現地消費しかできないそうです」


 さすがにラーメンのために2か月遠征させてくださいって父上に言っても、10歳児の体では無理だな。

 僕が大人でも反対するわ。


 考えに耽っていると。


「アイテムボックス持ちの商人を雇って取り寄せてもらえば」


 リタは相変わらずの無表情で話しかけてきた。


「なんだそんな人いるんじゃん。じゃあ話がはや……」


 リタが僕の顔に向けて見積書らしき紙を突き出してきた。


「これだけかかります。ご主人様支払いできますか?」


「???。うそお!!たかー!!ラーメンのくせにたかー!!」


 日本の流通システムの安さに改めて感謝した。


まあ。今の僕には関係ないけどね。



 ―― 数日後 ――



「ご主人様、ラーメンを召喚する魔法陣を描けば召喚できるそうです」


「召喚の儀式?そんなことができるのか?」


「はい、特別な呪文と材料を使えば、前世のラーメンを召喚できるそうです」


「どんな材料が必要なんだ?」


「まずは、ドラゴンの涙、フェアリーダスト、そして…カップ麺の蓋です!」


「最後のが一番難しそうだな…」


「私の知り合いに王都でオークションを経営している者がいますのでそちらに連絡してみます」


 そういった直後何やらあやしい呪文を唱え機械音らしき音を出しなら通信?していた。


「さすが元スマホ」


 驚きながら感心していた。


 なんやかんやあり、僕はいろいろな所で手に入れた召喚材料を手に入れ 屋敷の近くにリタの部下?らしき人が作った召喚部屋でラーメン召喚の儀式をリタが行い難なく成功させる。


 早速召喚されたカップラーメンにお湯を入れ、数分後食べようとした瞬間、ラーメンが突然動き出した。

 麺から進化した触手?攻撃に部屋の壁や備品が破壊されていく。


 落ち着いたかと思いきやいきなり僕に襲いかかる。


「うわー!!ラーメンに食べられる―!!」


 思わずカップ麺らしきモンスターを放り投げた僕。

 その瞬間戦闘モードに変身した戦闘シスターのコスプレ?のような衣装になったリタが。

 触手をリタの武器(連接剣)を使いラーメン本体の根元まで触手バラバラにした後、


「ご主人様!隣にある銀のフタを!」


 ラーメンの隣りにあったドーム状の銀フタをラーメンにかぶせる。


 しばらく押さえつけていると中で暴れていたラーメンが静かになった。


「まさか、ラーメンがモンスターだったとは…!」



 ―― モンスター騒ぎが落ち着き ――



「ラーメンマスターと対決しましょう!」


 また訳のわからないことをリタは言い出した。


「ラーメンマスター?それは何だ?」


「異世界には、ラーメンを極めた伝説の料理人がいるんです。その方に勝てば、特製ラーメンを手に入れることができます!」


「どうやって勝つんだ?」


「ラーメン早食い競争です!」


「それなら自信があるぞ!」



 ―― 数日後 ――



街の広場が早食い競争の会場に。まさか盛り上がる町民の前でラーメン対決をすることに。


猫獣人の美人MCが会場を盛り上げ、僕は挑戦者として登場。


反対の袖からラーメンマスタという煽り文句から小柄(身長135cm)のお団子髪にした赤髪の猫顔少女があらわれた。


大食いラーメンのメニューをステージ上のラーメンルーレットで決めるらしい。


「この光景、前世のパリの柔道団体戦で見たルーレットだ。これ」


決まったラーメンは激辛担々麺。激辛が得意な僕。


これはいい勝負になると心の中でガッツポーズをしたが、隣のラーメンマスタの様子がおかしい。

実は大食いで有名だが辛さには耐性が無かった。


実質不戦勝だったが、僕はラーメン早食い競争でラーメンマスターに勝利。

ラーメンマスター特製ラーメンを手に入れた。


数日後、自分の部屋でお湯を入れ、早速実食。


そのラーメンは異世界のスパイスが効きすぎていて、僕は涙を流しながら食べることに。


「大会で食べたラーメンの方がおいしいってどういうこと??」


あまりの違う方向の辛さにむせび?泣く隣で、

リタの食べているワサビの香りがする緑色のラベルのカップ麺を食べていることに気づいた。


「リタさん、そのラーメンどこで手に入れたの?」


「コンビニの通販ですが」


「は?今までの努力は何だったの?」


「ご主人様の欲しがっていた、名古屋ラーメンは・・・・・・」


ラーメンを食べながらしゃべったため、


「ゴホ!ゴホ!」


とむせているリタ。


「……マート専売ですから、入手できませんでした」


 お互い見つめ合った後、リタが一言。


「食べますか?」


 食いかけのラーメンをリタは差し出す。


「なら最初から出せやー!!」


お読み頂きありがとうございます!


ほんの少しでも、


「面白いかも! 続きが楽しみ!」


「陰ながら応援してるよ!」


「逃げるなよ!」


「あ、こいつエタるわ!」


と思ってくださった方は、ブクマと↓の☆☆☆☆☆から評価頂けましたら幸いです


やらない後悔よりやって大成功

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