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怪しい鍵を手に入れた

僕は、リタとの修行を通して、自分自身の強さをあまり実感できないままでいた。

それでも、せっかく転生したのだから世界のどこかで苦しんでいる人々を助けたいという思いを抱き、最強の冒険者を目指そうと決意した。

しかし、最近の魔物が強くなっていると冒険者間で噂になり、古代の遺跡から邪悪な力が目覚めようとしているのではないかという噂が持ち上がる中。


「ご主人様。街の雑貨屋で怪しい気配のカギを見つけましたので、衝動買いしてしまったのですが」


僕の部屋の机にいかにもファンタジー的な鍵をリタが置いた。


「触ってもいい?」


リタはうなずいたので、持ってみることに。


「重っ!なにこれ?鉛か?それとも未知の鉱石?でも硬いから鉛ではないよな。ナニコレ?」


「私が解析するには真鍮製(しんちゅうせい)だと思いますが、特殊な魔法が掛かってるようなのでご主人様には重く感じるのかと」


「それってRPGでいう持ち主じゃない人は持つことが出来ないという設定のやつじゃん」


「どうしますか、ご主人様。捨てます?」


「これを捨てるなんてとんでもない!」


 親父に聞いてみることにした。今日は朝食を一緒に取ったから屋敷にいるはず。親父の執務室に向かうことにした。


「父上!失礼します」


「ん?アレク。どうした?お前がここに来るなんて。リタ殿も一緒か」


「リタがこのカギを買ってきたのですが、僕には重くて持てないので、父上にご相談を」


リタがおもむろに親父の机に鍵を置いた。親父が持ち上げようとするが、やはり重くて持ち上げることが出来なかった。


「こんなカギの知識は私にはないな。冒険者ギルドのマスターならこの手のアイテム関連には詳しいと思うからそちらに向かった方がいいな。私の方も伝手(つて)で調べてみるが」


 鍵はリタがアイテムボックスに収納した。


「父上にもわかりませんか。お忙しい中 ありがとうございました」


「ああ。話は変わるが、最近辺境周囲が危なくなっているから、修行もほどほどにな、リタ殿がいるから心配ないとは思うが」


「お気遣いありがとうございます。父上」


 執務室を出た。


「では、早速ギルドマスターに会いに行きますか?」


「馬車で?」


「飛びます」


 リタに手を握られたと思ったら、目の前には冒険者ギルドの裏口だった。


 ギルドマスターの部屋に入ると、先客がいた。

 巨乳の金の長髪(ドリル髪ではない)リリアンヌと、小柄でピンクショート髪のエリーゼと名乗る女性が、リタに向かって雑貨屋で売っていたカギをよこせと言い出した。

 そのカギはつい先日街で落としたらしく、雑貨屋に売られたことを知った2人はカギを買った大柄のメイド服の女を探しているとのこと。

 リリアンヌは真の持ち主でないとこのカギは重くなりアイテムボックス以外の移動方法は無いと説明した。


 鍵はリタが開錠スキルで持ち主を僕に変更した。

 持ちあげられないほど重かった鍵はいともたやすく持つことが出来た。


 軽く持ち上げた僕を見たリリアンヌとエリーゼは、なんと伝説の救世主様が現れたと言い抱き合いながら喜んでいた。

 僕は騙している気がして申し訳ない気分になった。


 数日後、僕とリタは親父に呼び出された。

 数ある文献から、この鍵が辺境の魔の森にある古代遺跡の鍵である可能性が高いと告げた。

 そして、その遺跡には、世界を滅ぼしかねない邪悪な力が封印されているという。

 僕は、この鍵の秘密を解き明かし、世界を救うために立ち上がることを決意した。


 それを告げに冒険者ギルドを訪れると、ギルド長はすでにこの件について知っていた。

 彼女は、この鍵は非常に危険なものであると警告しつつ、リタが同行することを条件に僕の決意を支持してくれた。

 そして、僕は先日出会ったリリアンヌとエリーゼと共に、古代遺跡へと向かう準備を進めた。


 準備を終えた僕たちはギルドが募集してくれた10人くらいの冒険者と共にギルドを出発した。


 僕とリタと数人の冒険者と共に馬車に乗っていた。

 リリアンヌとエリーゼは後方の右端の席に、少し離れて座っている。

 この世界にカーナビがあったら「この先しばらく道なりです」と案内されそうな、先が見えない道だった。


「ご主人様、順調ですか?」


「まあ、進んではいるね」


「お身体、大丈夫ですか?」


「何もしていないけど、揺られるから疲れてくるね」


「疲れているところ申し訳ありませんが、暇つぶしにこれなんかどうですか?」


 リタはそう言いながら、A4くらいの大きさの写真を渡してきた。


「これ、去年王城で行われた仮装パーティーの写真で、この中から国王様を探していただきたいと」


「疲れているからって、さらに頭まで疲れさせようとしているのか!!」


まるで「〇〇を探せ」ゲームのような内容で、僕は暇つぶしをしようとしているようだ。


「10分近くかかっているんですが。いませんか?」


「どこ?」


 僕はリタに写真を手渡した。


「あ、すみません。ちょっと写真の選択ミスで……国王様が撮った写真を印刷してきました」


「あ!そういうこと!写っている写真の反対側に国王様がいるんだ。このクソが!!」


 僕は笑顔でリタに言い返した。


「楽しんでいただけましたか?」


「楽しんだのは馬車に乗ってる人だけだよ」



 馬車で向かって丸一日くらいで遺跡の入り口に到着。

 そこで夜明けが来るのを待ってから遺跡に侵入することに。

 別に遺跡の中は暗いのだからすぐ入ってもいいのにと思ったが、他の冒険者から、深夜で問題が起こると応援が頼めなくなるとのことだった。


 他の冒険者が思い思いに夕食の準備を始める。

 もちろん僕達のパーティーも例外の訳が無いわけで。


「ご主人様。お腹すきましたか?」


「お腹めっちゃ空いたし、身体も疲れたし」


「ご主人様の母君からプレゼントが届いてまして」


「母様が送ってくれたの?」


「冒険者のお仲間の方とご一緒に食べてくださいということで、魔法陣が」


リタが袋を僕に手渡す。


「どれどれ」 袋の中身を確認後、取り出した物は。


「ジグソーパズルじゃんよ。魔法陣のパズルってなんだよ。めんどくせーなぁ。誰が切ったの?」


「それがそのまま送られてきたので」


「それでこの袋にはいっていたの?」


「はい」


「どんな母親だ!!」


「最近セキュリティを厳重にしないといけないと奥様からの進言で」


 早速魔法陣のパズルを組み立てる。


「・・・・・・あー!!頭痛くなるこれ!」


 細かい魔法陣の模様を見ながらの作業に悶絶する。


「夕食の準備でしょ。これ」


「ごほうびです」


「どんな奴なんだよ。俺の母親って。知能で、知能でくるタイプだったのかぁー!」


 黙々と組み立てる。


「母上が怖くなってきたぁ」


 思わず独り言が飛び出すほど疲れてきた。


「何がこわいですか?」


「母親」


「ドラゴンより怖いですか?」


「怖い―――!!!」



 30分後



「できったっぽい」


 僕の横に立ったまま何もしていないリタにパズルの完成を伝えた。


「できましたか? ちゃんと魔法陣になっています?」


「わかんないよ。ちゃんと起動するか確かめてみるよ」


 僕は魔力をを込めてみる。


「あれ?起動しませんね」


 僕は何故起動しなかったのかが分かってしまった。


「そりゃそうだろうよ!!」


 なんと。完成したパズルの魔法陣そのものが完成していなった。


「あ!申し訳ございません。その中の魔法陣のパズル、作りかけでした」


「あーーー!!!時間が、もーぅ!!」完成したパズルに八つ当たりする。


「二重認証した方が安全だと言っていたので奥様が」


「それで作りかけだったの? アホか!!」


 リタがスカート下のアイテムボックスからごそごそと何かを取り出す。


「栄養食30個取り寄せたので仲間の方に分けてあげてください」


「取り寄せるんだったらもっとまともな食糧取り寄せろよ」


「予算がなったんで」


「お前カロリー○イト取り寄せる金で菓子パンとかカップ麺くらいいくらでも取り寄せできただろ」


「おいしいので。栄養食」


「わかったよ配ればいいんだろ。配れば」


「時間ないんで」


「なくしたのはお前だろうが」


朝になった。数人の仲間と共に遺跡の攻略を試みた。

目的は、かつてこの地に災いをもたらした魔物を再び封印すること。


迷宮のような通路を抜け、ついに最奥の大広間にたどり着いた。


最奥の大広間。祭壇の中央には、巨大な宝箱が鎮座している。

宝箱は今にも蓋が開きそうな状態で、まるで何かを待ち構えているかのようだった。

宝箱に鍵を差し込み、封印をするために左に回そうとした。


その瞬間、中から勢いよく何かが飛び出し、僕に向かってきた。

「ご主人様に会うためにずっとここで待っていたんですよ」

それは、意思を持つかのような不思議な物体だった。

喜びとも悲しみともつかない、複雑な感情を宿した声で、それは僕に話しかけてきた。


しかし、次の瞬間、それは動きを止めた。

そして、先ほどまでの友好的な態度から一変、

怒りを帯びた声で僕に言い放った。


「あなた。誰ですか?」


その声は、僕を拒絶し、警戒しているようだった。

目の前にいる存在が、友好的な存在ではないことを悟った。


このままでは、封印どころではない。

まずは、この謎の物体の正体を突き止め、

その上で、どうするかを決めなければならない。


しかし、時間は限られている。

この状況が長引けば、封印が解けてしまうかもしれない。


僕が内心あたふたしている間に、リタは仲間たちに指示を出した。


「警戒を怠るな。この物体が何者であれ、敵である可能性が高い。

いつでも戦闘態勢に入れるようにしておけ」


僕たちは、リタの言葉に頷き、武器を構えた。


緊張が走る。

謎の物体は、こちらをじっと見つめている。


果たして、僕たちは無事に封印を成功させることができるのだろうか?



これで、AIアシスタントが異世界で俺のメイドになりましたは終了です。

このあとアレクはどうなるのか・・・・・・

冒険者たちと協力して熱いバトルが展開するのか。

鹿アニメみたいに何事もなかったという展開なるのか。

この後の展開や設定はいっぱい作ったのですが、面白い話を作り上げることはできませんでした。

とにかく中途半端にしてエタるのだけは嫌だったので、ここだけは頑張りました。

ここまで読んでくださってありがとうございました。


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