表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
14/16

メイドが誕生日なので高価な武器を買ってあげました

 メイドのリタが僕の部屋にやってきた。 


「今日は私の誕生日でして」


「え!そうなの。知らなかった。おめでとう!」


「それで……まことにおこがましい事なんですが。ご主人様から誕生日プレゼントを頂きたいのですが」


 プレゼントをねだってきたよ。 まあ……日頃からお世話になっているし。話だけ聞いてみるか。


「それでどんなプレゼントが欲しいの?」


「攻撃のパターンを増やしたいので、今までの両手剣(連接タイプ)だと魔物の攻撃が防ぎづらいので、片手剣を持つ攻撃スタイルに変えようかと思いまして」


「片手剣始めるの?」


「はい。ミスリル剣欲しいなってことで」


「いくらぐらいするの?」


「検索したら、数万くらい」


「数万って……僕のお小遣い少ない事知ってるでしょ」


「今あります?お金?」


「現金なんてほとんどないよ。ギルドには預けてあるけどね」


「ギルドにはあるんですね」


 普段は無表情なリタの笑顔が眩しい。


「わかった!買ってあげるから。あまりクレクレ言わないの。それで?買うの?作るの?」


「すぐ試したいので既製品買おうかなと思いまして」


「どこの店で買うの?」


「なんかよさげな店があるので」


「あ。そうなの?」


「ご主人様。行きましょう、今から。ハイ支度して」


「そんなに焦らなくても行くから……」





 リタの願いを聞き入れ、リタのポータルを使い王都で最高級の武器屋に到着する。

 あまりの豪華な装飾と品ぞろえの多さに驚きの声が思わず出てきた。


「うわあ。本格的だよこれ」


 早速片手剣コーナーの近くにいた店員に話しかけるリタ。


「すみません」


 女性のポニテ茶色髪の店員さんに話しかけた。


「何にしましょうか」


 特に説明もなくリタに聞いてきた。


「材質ですか?ミスリルで」


「ミスリルですと付与なしと付与付きの物、あと……蒼銀の刃 (そうぎんのやいば)・星影の剣 (ほしかげのけん)・神秘の刃 (しんぴのやいば) 今はこんな感じですね」


「ご主人様。どれがよさそうですか?」


「わかんないよ」


 即リタに突っ込む。


 愛想笑いする店員。


「お客様。こちらの剣は王都入荷20本の限定品なんですよ」


「はぁ。20本限定」


 店員さんの話を聞いても分からない僕をよそに、店員さんがリタに神秘の刃8万9千GのPOPに右手を差し出し説明を始める。


「超レア……なものではあります」


「では、そちらを頂きます」


 僕は即決するリタに苦笑いを浮かべるしかなかった。

 剣のグリップを決めるために僕とリタは別室へ。


「モンスターや対人戦では全然グリップの材質などが変わってくるんですよね。一般的に高い剣を使う人は……」


「高いんですか・・・・・・」


 リタはつぶやく。


「一般的なものでかまいません」


 リタは店員さんに答える。


「ワイバーンで」


 店員はリタに確認する。


「はい」


「いいですか?」


 店員が再度リタに確認を取る。


「いいですか?ワイバーン」


 リタは僕に同意を求める。


「ワイバーンがわかんねぇ」


 僕には分からない世界であった。

 店員さんはガードについても説明を始める。箱の中に何種類か持ってきてリタは即決で商品を確認後。


「ではこれで」


 と店員さんに指し示す。


「お時間30分ほどかかりますが、こちらの番号でお待ちくださいませ」


 早速店員さんは剣を仕上げる為工房の奥に入っていく。

 僕は陳列してある商品を見ながら待っていたが、ふと目にしたさやと小手などが付属したセット品の片手剣を見つけてリタに話しかける。


「あれセットで5万だよ。神秘の剣だけで8万9千なんだけど」


「王都限定商品なので」


「お前分かんないでしょ。その価値ぃ」


「神秘の剣……」


 声が小さくなるリタ。


「20本ってその……少ないの? 知らないよ。片手剣の限定20本の価値って」


「騙されているのでしょうか」


 ほんの少し動揺するリタ。


「騙されているとかじゃないよ。多分ね」


 慰めにもならない言葉をリタに掛ける。


 30分後。神秘の剣が完成。

 早速店員さんがリタとグリップなどの微調整を始める。握り方も教えてもらう。


「ありがとうございまーす」 


 店員さんに挨拶される。

 リタが剣を受け取って満足する横で、


「マジで大切にしてね! 本当に大切にしてよ!」


 強い口調でリタに言い放つのであった。


 会計をすると思いきや、リタはアクセサリーコーナーでさやと肩掛けバンドも購入。

 店員さんは手早く会計し


「合計で13万3千Gですが。キャンペーンで7割引させていただきます」


 割引スキル(7割引)を持っている僕はギルドからおろした40000Gを渡す。


「久しぶりだこんな高い買い物」


 前世でもPC以来かも。


「君はやらないの?」


 と俺に話しかける店員さん。


「はい。彼女の誕生日プレゼントで」


「ええええええ。すごい!」


 店員さんの素が出てしまう大きな声の驚きで、


「すごい優しくて」


 と店員さんの言葉に照れ答えをしたリタがかわいい。


「ハイ!ではプレゼント」


 僕は店員さんから剣を受け取り、リタにその場で渡した。


「おめでとう!」


 僕と店員はリタに拍手をした。

 店員さんにお礼を言い、店を出たのであった。



お読み頂きありがとうございます!


ほんの少しでも、


「面白いかも! 続きが楽しみ!」


「陰ながら応援してるよ!」


「逃げるなよ!」


「あ、こいつエタるわ!」


と思ってくださった方は、ブクマと↓の☆☆☆☆☆から評価頂けましたら幸いです


やらない後悔よりやって大成功

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ