表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
6/50

6話【リーシャという女性】

5.5話はノクターンノベルズにて掲載中。

「ふぁ~……。んぅ……、リシャルテぇ起きて~、朝だよ~……」

明け方のこと。

寝ぼけ眼で隣に眠る彼女の体を揺らした。

裸に布団一枚と肌寒そうな彼女は目尻を擦りながら私と目を合わせる。

まぁ私も同じ格好なんだけど。

「んぁ……、……ッ! あっ、申し訳ありませんお嬢様! 本来起こすべき私が眠ってしまって……!」

「んふふ、大丈夫だって。こうして起きた時リシャルテが隣で寝てるのも、なんか幸せって感じがしてすごく好きだからっ」

隣り合わせに眠るのも、私はすごく好きな時間だ。こうして隣に愛している人がいる瞬間はたまらなく心地が良い。

「あっ、その、……私も好きです。お嬢様」

照れた顔を隠すように布団で口元を隠しながら、彼女は素直に好意を伝えてくれる。

「リシャルテ、お嬢様に戻ってるよ」

「あっ、申し訳ありません。まだ慣れなくて……」

「徐々に慣らしていこう。またすれば馴染むかもね」

「またというのは、また明日しても良いのですかっ?」

興奮気味に少し上擦った声で彼女が言う。

「シてもいいけど、明日なんて言ってないよ? まったくリシャルテちゃんはお盛んですね~♡」

「っ! あ、アルミラ様には言われたくありませんよ! 昨晩一体何度イったのですか!?」

「イかせたのはリシャルテじゃんっ。おかげでシーツが……あ」

「シーツ? ……あ」

2人して顔を見合せた。

そして恐る恐る、布団を捲り上げた。

「……リシャルテ。掃除お願い、誰にもバレないように」

「……はい、かしこまりました」



数十分後。ようやくドレスに袖を通した私は、同じくメイド服に袖を通したリシャルテに髪を梳いてもらっていた。

「あー汗でベタベタするー。朝ご飯の前にお風呂入りたーい」

「いけません。もう時間がありませんので朝食の後になさってください」

「はぁい、わかったー」

ブラブラと椅子の上で足を揺らしながら、渋々ベタつく体を我慢する。


「アルミラ様、なんだか昨日より砕けたご様子ですね?」

「んぅ~? まぁリシャルテが私の事好きって言ってくれたし、シたのにかしこまるのも変じゃない?」

彼女は私を愛してくれている。それが分かれば、態度だって変わる。

全員に平等に接することなんてできない。全員に心を開くことは出来ない。

だからせめて、私を愛してくれる人には私の全てを曝け出そうと決めている。そうじゃないと息苦しいもの。


「あの……ではその……」

モジモジと彼女が何かを言いたげだった。

そして勇気を振り絞ったように。

「私のことを……その、リーシャとお呼びいただけないでしょうか?」

「愛称で呼んでってこと?」

「大変無礼だとは承知していますが、何卒……」

「いいの!? 嬉しい! ありがとね、リーシャ!」

自然と笑顔がこぼれた。

こんなに嬉しいことがあるだろうか。だってリシャルテが……リーシャが私と近づきたいと思ってくれた。私の事、愛してくれてるんだね。嬉しいよ。とってもとっても嬉しい。

「……! はい、アルミラ様っ」

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ