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アンドロイド魔王による異世界での理想郷  作者: ノウミ
三章 〜龍の力と魔王心〜
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【第82話】ミスリル鉱石

どうも、ノウミと申します。

まだまだ作品数、話数としては少ないですが、これから皆様の元へ、面白かったと思って頂けるような作品を随時掲載していきますので、楽しみに読んでいただければと思います。

沢山の小説がある中で、沢山の面白い作品がある中で私の作品を読んでいただけた事を“読んでよかった”と思っていただける様にお届けします。


X(旧:Twitter)でも情報更新しています。

↓是非フォローください↓

https://x.com/noumi_20240308?s=21

千年亀(サウザンタートル)にそれを小さくした様な無数の亀軍団。進むことも戻ることも出来なくなってしまったこの洞窟の中、攻撃手段としても限られている。


「ナディ、ここ…やばいねーっ」


「えぇ、取り敢えずはこっちの亀軍団を押し返していきましょう、次第に通路が埋まってはいきますが千年亀(サウザンタートル)を相手にするよりはマシでしょう」


「突き進もうにも数が多い、倒せば倒すほど通路が埋まっていくので余計に進めなくなる…ですか」


「メイシャン嫌な事言わないでよ〜っ」


「事実です」


このままではジリ貧だ、私が活路を見出そうと刀を両刀で構えて無理やり亀軍団に向かって突っ込んでいく。


「すみません、物は試しで突っ込みますのでサポートお願いします!」


甲羅には弾かれるが、首や手足の隙間を狙って刀を振り下ろすと斬れなくはない、切った端から足場にし飛び越えていくが、次第に進むことも出来ず苦しくなってきた。気付けば周りを囲まれている。


逃げ道を作ろうとシャナンが大技を放ち、辺りの亀軍団を一掃してくれた。


私は再び三人の元へと戻る。


「すみません、やはり無理ですね」


「いきなり突っ込むとは…人工知能(AI)とは思えない行動やねー」


「確かに考えなしでしたね」


「こっちにきて色々変わったんだ?」


シャナンとカリナが興味津々でこちらを見ている、今はそれどころでは無いというのに。


「さて、どうしようか…このままなら洞窟で生き埋めになっちゃうよ?」


選択肢は二つ。目の前の亀軍団を蹴散らして、道を切り開き出口まで突き進んでいくか。もしくは後ろの千年亀(サウザンタートル)をなんとか倒してこの亀の軍団が帰って行く事に賭けるか。


亀軍団を蹴散らして進む方が可能性は高いが、これ以上背を向けた状態で千年亀(サウザンタートル)がこちらに対して何もしてこないとも言い切れない。


どちらにせよ不安材料が大きすぎる。


時間もない中で決断をし迫られていた。


「皆さん、私の事を信用してくれますか?」


「何を今更……」


「私は皆さんを信用しています、なのでこの後にたら私の行動…その後の事は任せました」


「急に何を…っ!?」


もうこれしかない、説明している時間も惜しい。


私はその言葉を残し、振り返り走り出す。

目指すは千年亀(サウザンタートル)、奴を私が倒し切る事で活路を見出す。その為に作戦は考えてある、成功するか失敗するかは正直運任せになる。


初めて運というものを考えたが、創り出されて今日この時まで運が良かった事は無かったと思う。

私の計算外の事が立て続けに起こっているのだがら、これを運が悪いと言うのだろう。


私は振り返る事なく走り出す。


千年亀(サウザンタートル)が前足を振り上げてこちらを目掛けてくる、私はそれを躱しながら前足を掴みロッククライムの要領で上へと登っていく。


振り払おうと激しく前足を動かすが、私は手を離すつもりはない。必死にしがみつきながらも、顔に向かって登っていく。近づくと分かったが瞳すらも磨かれた鉱石のように輝いており、非常に硬そうだ。


試しに一発撃ち込んだみるが、銃弾は弾かれた。


その全身が硬いもので出来ており、まさに千年間誰にも倒される事なく生き続けてきた理由の一つなのだろう。そこを私が打ち破る。



「やぁ初めまして。そして、さようなら」


千年亀(サウザンタートル)はそれに反応するかのように、こちらに向かって咆哮を浴びせてくる。その勢いに体が吹き飛ばされそうになるが耐える。


しばらく続いた方向の収まった頃を目掛けて、私は口の中へと飛び込む。


形の中に入る寸前、皆の方に目を向けると三人で亀軍団を抑えているのが見えた、そのうち振り返ったシャナンが驚いた表情を浮かべていたが、後の事は任せると伝えたのだ。


ここから、私のやるべき事。


口の中に飛び込むと、擦り潰されないようにさらに奥に向かって飛んでいく。


「予想通りですね、これは……」


そう、流石に体内までは岩や鉱石などでは覆われていなかった。普通の生物と同じく、臓器があり中からの攻撃なら通ると踏んだのだ。

このまま魔核までいければ簡単だったのだが、生物の構造上そうもいかないだろう。


私はおそらく胃だと思われる場所に辿り着く。


胃液の海に飛び込まないように飛行ユニット/ドローンを展開して、足場にし胃の中で飛び浮かぶ。


「さて…やりますか」


自身の中に意識を集中させる。以前、リミッターを解除した時と同じ要領だ。幸いな事にわたしの人工魔心には(エレクト)を司る龍から賜った鱗と爪を加工したもので覆われている。この力を最大限に引き出し、体内から私の(エレクト)を一気に解放させて焼き殺す算段だ。


私はリミッターを一つ一つ確実に解除していく。


解除する度に、全身に龍の力が駆け巡る感覚が分かる。この力を今回は制御する必要はない、ただただ力任せに解放させるだけだ。


これで倒しきれれば、皆に救出してもらわないといけないし。倒しきれないのであれば、どのみちこの千年亀(サウザンタートル)を倒す手段はない。


「後は…頼みました……」


最後のリミッターを解除し、一気に解放させる。


龍の咆哮にも似た雷鳴が全身から鳴り響き、(エレクト)を一気に放出させる。それは工房で見せたのよりもさらに激しく、範囲が大きく広がっていく。


胃の内側にぶつかると、それを伝ってさらに広範囲に広がっていく。駆け巡っていく(エレクト)はすぐに千年亀(サウザンタートル)の体内全てを焼き切りながら走り続けるだろう。


これが唯一、今の私たちにできる作戦だ。


また運任せだの、人工知能(AI)らしくないだの色々言われるだろうなと思う。


すると異変を感じる、千年亀(サウザンタートル)が咆哮とは違った声を上げていた、おそらく私の(エレクト)によって悲鳴を上げているのだろう。

攻撃が効いている証拠だ、外がどうなっているか私には確認しようないがこれを続ける。


(エレクト)の龍の力、思い知りなさい」




激しく上げていた声が次第に弱くなっていた。


「もう少しでしょうか」


弱くなっていた声が聞こえなくなると、激しく揺さぶられるようにして胃液の海が荒れ始めた。


そうして落ち着いた頃、音も声も何も聴こえなくなる。私はリミッターを再度一つ一つかけていき、龍の力を抑えていく。


正直かなり限界に近かった、身体中から煙を上げて熱を帯びた体は少しだけ溶けていた。


ドローンも安定しなくなり、今にも墜落しそうな勢いで煙を吹いていた。なんとか動かしながらも、口元までそのまま飛んでいく。


舌の上に着いた頃、ドローンが墜落した。


私もその場に転がるように一緒に落ちる。


口内で間違いはないだろうが、完全に口を閉じているようで開く気配がない。体も満足に動かせなくなっているので、力尽くでとはいかない。


ここまで来て動いてない所を見るに、倒し切る事は出来ているようだ。外はどうなっているか分からないが、このまま助け出されるのを待つしか無い。


亀軍団が引くことなく攻め続けていたのであれば、時間はかかるだろうが、この広い空間であれば逃げ場を失う事なく戦う事が出来るだろう。


後は任せるしかない。



暫くしていると金属を叩くような音が聞こえ始める。間違いない、千年亀(サウザンタートル)の口をこじ開けようとしている音だ。


三人は上手くやってくれたようで安心した。


そうして、口の中に光が差し込む。

慌てた表情が確認できるほどに、こちらへと身を乗り出していた。


「またお前は無理をしてーっ!」

「せめて説明しなさいよ!!」

「かなり無謀な賭けでしたね」


「そうですね…賭けでしたね」


「一体何があった?」


「体の中なら攻撃が通るかと思い、中から一気に(エレクト)を放出させて焼き切りました」


「対巨大生物の常套手段ね」


「でた、生き物好きのカリナ…」


「なによ、非生物好きの変態シャナン」


「なにを!?」

「なによ!?」


「はいはい、とりあえず喧嘩は後で」


メイシャンが二人を諌めていた。

その光景を見ていると、無事に終わったのだと実感する。三人の姿を見ていると大きく怪我をしている様子もない結果としては上々だろう。


体の熱が冷めた頃、体を動かせるようになっていた。


私は立ち上がり皆と一緒に外に出る。


千年亀(サウザンタートル)が倒れた後、蜘蛛の子を散らすように亀軍団が消えていったそうで広場の中には戦闘を繰り広げたような痕跡はなかった。


通路の奥には、先程まで倒していた亀軍団が山積みにはなっていたが。帰る時にはあれを崩しながら進まないといけない。


「さて、無事に何とかなりましたので目的のミスリルを探しに奥に行ってみましょう書いて…」


「ナディ、その必要はないよ?」


「え?」


シャナンの指さす方向に視線を移すと、千年亀(サウザンタートル)の甲羅の頂上に輝く光が見えた。


「もしかして…あそこに?」


「行ってみないとわからんが…」


確かに、他とは違う輝きを放っているのが見える。

倒れた事によって、頂上が見やすくなり光を確認する事が出来たのだろう。


「確認しに行ってみましょう」


そうして、私たちは全員で甲羅の上を登っていく。


頂上に着く頃にはその光は輝きを増していた、その光に向かって進んでいくと一際輝く鉱石の塊が生えているのが確認できた。


「これが…ミスリルですか?」


私は見たことがなかったので、本物かどうかは見分けが付かない。それでも、目の前にあるこの鉱石は他のものとは違う…私の知識外にあるものだと感じた。


「文献通りですね、まさか千年亀(サウザンタートル)の甲羅の上にあるとは思いもしませんでしたが」


これで目的のものを見つけることが出来た。丁寧に周囲の岩を砕きミスリルを回収する。


後は、これに合わせるのに見合うだけの鉱石があればいいのだが……。

読者の皆さん、今回も読んでいただきありがとうございます!


洞窟内での亀軍団との戦い、そして千年亀との激闘はいかがでしたでしょうか?主人公たちの連携や、AIアンドロイドの決死の行動が少しでも皆さんの心に響いていれば嬉しいです。


次回はついにミスリルを手に入れ、新たな展開が待ち受けています。彼らの冒険はまだまだ続きますので、引き続き応援よろしくお願いします!


コメントや感想もお待ちしています。


また次話でお会いしましょう(^ ^)

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