【第81話】千年亀(サウザンタートル)
どうも、ノウミと申します。
まだまだ作品数、話数としては少ないですが、これから皆様の元へ、面白かったと思って頂けるような作品を随時掲載していきますので、楽しみに読んでいただければと思います。
沢山の小説がある中で、沢山の面白い作品がある中で私の作品を読んでいただけた事を“読んでよかった”と思っていただける様にお届けします。
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私は龍魔心装を完成させた後に、スタンドレスへと戻ってきていた。道中はいつも通り問題なくトラブルも無かった。
街に戻ると建築はかなり進んでおり、見た事の無い建物や設備などが乱立していた。
初めに迎え入れてくれたのはシャナンだった。
「お帰りなさいナディ、これまた酷い損傷で」
「でも、お陰様でまだまだ改良していかないといけない事に気づきました」
「あれ以上の素材となると……」
「実はそれも協力をお願いしたく、ある程度は考えてありますので」
「わかった、とりあえず研究所に戻ろうか」
「はい」
道中、カリナやセーレンたちも合流し、皆で研究所に向かう事にする。竜の里で起きた一連の流れは全て話ながら歩いていた。
「さて、皆様に集まっていただいたのは他でもありません。この世界において一番硬い鉱石とは何かを伺いたく」
「それだったら、ミスリルじゃない?」
「だろうな…まさに伝説の鉱石ではあるがな」
「ミスリル…まさにファンタジー金属ですね」
「ファ?ふぁんたじー?何じゃそれ?」
「あ、いえ…こちらの話です」
セーレンとシャナンがそんな事を話していた。元の世界には他にもオリハルコンなどが物語上には登場していたが、この世界においてはミスリルが最上らしい。
その場にいた全員が同じ意見だった。
「それならば、そちらを探すには?」
「あの洞窟の最奥にあるとは思うが…」
「まだ見つけた事はないと?」
「あればこの場に出していますよ」
「それもそうですね…」
またあの洞窟に潜る必要があるのだろうか、時間をそこまでかからない以上潜れるのは一回きりだと思う、今から向かって日が沈み、さらに日が沈むまでのたった一回きり。
「何としてもその鉱石が必要です、皆さんにはご協力を願いたいと思っています」
協力を願いでる事は出来た、あとはミスリルを見つける事が出来るのかどうかだけ。人海戦術で一気に奥まで向かい鉱石をなんとか見つけ出す。
私はスタンドレスに戻って早々出発し、いつもの鉱石を採掘している洞窟に向かう。いつも通り転移した付近ではエルフ族が数人とゴーレムたちが採掘の作業をしていた。
そこを横目に私たちは洞窟の奥へと進む。
すぐに動けた私とシャナン、カリナに同行するメイシャンの四人で進んでいく。セーレンや、ガスールたちには念の為街の警備に残ってもらう。
私たちは洞窟の中を進んでいき、以前に岩鉱蛇と戦闘を繰り広げた地点までは楽に到着する事が出来た、ここから先に可能性が眠っている。
念の為、この周辺を探索してみるが何も無かった。
私たちはさらなる洞窟の奥深くへと向かう。
「そういえば、その鉱石で新しい体を作るんよな?」
「はい、そのつもりです」
「この世界で一番な鉱石で?」
「はい」
「本当にそれだけで大丈夫か?」
「いえ、多分無理でしょう…それを使って、その鉱石を超える合金を作ろうと考えています」
「その相手はどうするつもりで?」
「最悪はミルリル同士を錬金術によって、精錬し新しい合金へと変えれないかと考えています」
「それか、その近くにあった鉱石か?」
「はい」
合金とは本来、違う鉱石同士を掛け合わせて新しい金属を作り出すもの。複数の金属を合わせる、すなわち“合金”。
シャナンの言うように、近くに同じぐらいの鉱石が眠っていればいいのですが。
奥に進むにつれて道は狭くなるが、魔物が出現するわけでもなく問題やなく進めてはいるが、その道すがら壁を掘ったりしてみるが何も出てこない。
それでもミスリルを信じて、さらに奥へ奥へと進む。
しばらく進み続けていると、シャナンが歩みを止める。
「しっ、皆んな止まって」
「どうしましたか?」
「しっ…」
シャナンが私たちを制止させ、奥の方を見つめている。私にはなにも見ることができない、こんな時[探索/検索]が使えれば良いのだが、もう今後はその機能を再現する事は出来ないだろう。
その場に制止していると、ゆっくりシャナンが歩みを進め始める。何も言ってこないが私たちも同じ速度で、ゆっくりと歩みを進めていく。
この奥で何かを見つけたか、感じたのだろうか。
シャナンが弓を引き、カリナとメイシャンがナイフを手に握り始めていた。私には三人の動きに合わせて拳銃を構える事しかできない、私以外の全員が何かを感じ取っているらしい。
細くなっていたはずの洞窟の通路は、奥の方で大きな広場になっている空間が目に入っていた。その空間の中には入るが特に何があるわけでもない。
ただただ、広い空間が広がっているだけだった。
「あの…一体…」
すると突然地鳴りが始まる。
「来るぞ!下だっ!」
シャナンの掛け声と共に、地面の下から何かが飛び出してきた。地面を盛り上げて岩盤を上へと飛ばしながらその魔物は顔を出していた。
全身を地面の下から出していた頃には、その存在が巨大な亀に見えていた。
「…千年亀」
カリナがそう呟く。
「千年亀ですか?」
「その名の通り千年生きていると言われる亀だ、全身が鉱石の様な岩の様な甲羅と皮膚で覆われているらしい」
「らしい?」
「その姿を見た者は存在しない、伝わるのは言い伝えのみ」
「そういう事ですか……」
千年亀は、こちらに顔を向けて凝視している。
「勝てる存在でないと?」
「しらん、言ったろ?言い伝えだけだと…」
見逃してくれる事を祈りながら、しばらく沈黙の時間が流れる。だれもその場から動けずにいた、動かない方が正解なんだと誰しもが感じていたからだ。
ただ、それはこちらの願いを踏み躙る。
洞窟中に響く激しい咆哮と共にこちらに向かって前足を振りかぶっていた。まるで、土龍を彷彿とさせるかの様な威圧感を放ちながら。
「皆さん、逃げるか戦うか悩んでる暇はありません!」
「避けろぉー!!!」
全員がその場から四方に飛び散る。その間に前足が振り下ろされ、大きな地響きと地鳴りを発生させる。
幸いなこ事に動きは速いと言えず、避けきる事ができるほどのものだった。
遠くの方で戦闘音と読んでいいのか、色々な音が聞こえてくるが千年亀は怯む様子も見られない、聞こえてくる音も金属に弾かれている様な音ばかりだった。
私も似たようなもので、銃弾は全て弾かれる。
体も巨大な上にこちらの攻撃は全て弾かれている。
魔銃・超電磁砲を持ってきていない以上、瞬間的な火力を叩き出せるのはシャナンだけだろう、カリナとメイシャンは武器がナイフな上に、人族なので術式を使っての火力には期待できない。
ナイフで渡り合うのは不可能に近いだろう。
私も拳銃と刀を携えてはいるが、ナイフの延長線のようなもので同じく火力には期待できない。
それに千年亀に電は意味もなさないと思う。
金属なのか岩石なのか、はたまたそれ以外の何かなのか…仮にそのうちのどれかだとしても効果は無い。
シャナンに話をしにいきたいが、なかなか近づける隙はない。下を潜ろうとしたが、その巨体ごと迫られたら逃げる場所はなくなる。
それを逃げ切るだけの速度も出せないだろう。
「シャナン、聞こえますか!?」
返答がない、戦闘音は聞こえているので死んだわけでは無い。単純にこちらの声が届いていないのだろう。
するとメイシャンが私のそばに現れた。
さすがは暗殺部隊、音もなく近寄ってきた。
「メイシャンですか」
「はい、この戦況いかがなされますか?」
「成す術が無い以上、撤退しかありませんね」
「わかりました、皆に伝えてきます」
そうしてメイシャンが消えていった。
無駄に戦って被害を出す必要はない、こいつが街までくるのであれば全勢力を持って迎え撃てば良いだけの話、街に戻ればそれなりの総攻撃を浴びせれるだろう。ここで戦うには分が悪ければ、理由もない。
そうして、私もその場を離れてここに入ってきた通路へと走り出していく。
壁伝に走って行くので、大回りにはなるが踏み潰される心配も少なく、動きも遅いので捉えられる事もない。
そうして通路に戻ると三人は集まっていた。千年亀もこちらを追ってくる気配は無かった、無駄に戦う必要もないらしい。
「皆無事ですか?」
「はい、なんとか」
「危なかったーっね」
「これ以上は先に進むのは危険です、悔しいですがここで引き返す事にしましょう」
そうして私たちは、洞窟の来た道を戻ろうとする。
その時、また咆哮がこちらに向かって放たれる。
激しい音と地鳴りによってその場を動けずにいた、こちらを追ってくる気配はないが逃すつもりもないとでも言っているのだろうか。
すると、逃げようとした通路の先から千年亀を小さくした様な亀が、地面の中から溢れ出してきていた。
それはかなりの量で迫ってきており退路を完全に塞がれた、その小さい亀は倒せなくも無いが倒せば倒すほどに通路はどんどん埋まっていく。
進むことも戻ることも出来ずに、その場で留まるしかなかった。
「ナデイ、どうする?これ…」
81話ご完読ありがとうございます!!
久々の洞窟回ですね、科学のせっていなどは大目に見てください!なんとか形にしているところも正直あります!そこも含めて楽しんでください(^^)
また次話でおあいしましょう!!




