【第78話】妖族の王
どうも、ノウミと申します。
まだまだ作品数、話数としては少ないですが、これから皆様の元へ、面白かったと思って頂けるような作品を随時掲載していきますので、楽しみに読んでいただければと思います。
沢山の小説がある中で、沢山の面白い作品がある中で私の作品を読んでいただけた事を“読んでよかった”と思っていただける様にお届けします。
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私は体の状態を確認しながら、燃え上がる炎を眺めていた、万が一にもここから復活されるような事がないように見届ける必要があるからだ。
確実に全てを燃やし尽くせるとは思うが…。
向こうの戦況も気になるところではあるが、ここに攻めてきていない事を考えると抑えれているのか、善戦しているのか。
炎が小さくなり始めた頃、中に人影が現れ始めた。
「まだ、ですか……」
これ以上は戦うことは厳しい、助けを呼びに行く隙もないだろう、こいつを引き連れてコハクたちの元へと向かう案もあるが、戦場は大混乱を招くだろう。
「もう一度リミッターを……」
リミッターを解除しようとした途端に、炎の中の人影が先ほどまでのネッセンとは違う事に気づく。
翼を広げながら、どこか見た事あるような姿をしていた。
「ほほっ、お主何者じゃ?」
翼を四枚に広げて、小柄な白髪のご老人が髭を指で解きながら喋りかけていた。
「あ、えっと…ナディです」
「ナディ…知らぬの、戒族の作りもんかえ?」
「あ、いえ…違います、異世界より来ました者です」
「しょうかしょうか、済まんな迷惑をかけた」
「あなたは一体?」
「ほほっ、知らぬか。儂は妖族の王【ヌシーラ】じゃ、どれぐらいの時が流れたか知らぬがの」
私の知る妖族の王はクロハだ、という事は先代の王なのか。カリナの話では先王の体を依代にしているとの事だったがまさにその事なのだろう。
「時間はないので端的に、今の王に伝えてくれ。“すまんかった”とな」
「今、妖族の王は不在です。クロハが王を担っていましたが……」
「そうか、クロハがの……元気にしとったか?」
「はい、沢山のものを遺して逝かれました」
「そうか…そうか。なら、会いに行くとするかの」
寂しげな表情を浮かべながら全身が黒くなり、炭化して消えた。風に飛ばされた灰が舞い散りながら。
残す八極衆は五人、それぞれに同じように。
これは皆に伝えないといけない、誰の王が依代になっているのかは分からないが、最後に言葉を交わすほどの時間はあった事と、灰となって消えてしまう事。
私はその場を後にし、もう一つの戦場へと向かう。
近づくにつれて戦闘音が大きく激しくなっている、それは心配するほどのものではなかった。戦況は思った以上にこちらの優位に進めているようだ、その中心にいるのはコハクとサクラ、それに見たことがない海族の一人が二人の邪魔にならないように立ち回っていた。
戦闘に慣れているのだろうか、動きが一人だけ浮き出ていた。そうして狙われて飛び出してきた兵士を横からコハクとサクラが仕留めるという非常に連携の取れた戦闘を繰り返し前線を抑え込んでいた。
後ろで指揮をしていたガリドンの側に寄り、戦況を確認する。
「おぉ、どこに行っ……その体大丈夫か!?」
「大丈夫です、あとで説明します」
「おぉ、そうか。戦況は良いと会えるだろうな、中々しぶといが着実に敵の数を減らしている」
「あの動きのいい海族の人は?」
「あぁ、あやつか……あやつの名は【アレク】と言ってな…」
「アレク…ですか」
「まぁ腕っぷしはあるが、ただの戦闘狂だ」
ここから見ているだけでもかなり強いと思える、それもコハクと互角に戦えるぐらいの雰囲気を感じる。
すると、水の渦を発現させて敵の兵士を一ヶ所に集め、そこを手に持っている大鎌のような武器で一網打尽にしていた。
「まさか水の原素持ちですか?」
「あぁ、もしかしてあいつに声をかけるか?」
「良ければそうしたいかもしれませんね、コハクとサクラにも意見は聞いておきたいですが」
「大丈夫だ、俺が保証する」
「…わかりました。この戦いが終われば是非に」
隣ではコハクが纏を発動し暴れ回っていた、それに呼応するかのようにアレクも纏を発動させていた。
まさに炎と氷が喧嘩をするように戦場を埋め尽くしていた、海族たちも溢れ出てきた人族の兵士たちを倒し回っている。
そこからの戦闘は一瞬で終わりを告げた。
人族の兵士を一人も残す事なく全てを倒し尽くしたのだ、こちらには大きな被害もなく私の体が一番の被害といえるだろう。
「ナディ、お主何があった?」
「マスター・ナディ、大丈夫ですか?」
私に気づいた二人が戦場から走り寄ってきた。
「詳しく説明しますね」
ガリドンも含めて私の身に起こった事を全て話す。
後方で急に現れた八獄衆、倒した後に先王が現れて短いながらも言葉を交わした事。
「なるのどの、すまぬな。助かった」
「そうだな抑えきれずにこちらに来ていたらと考えると、恐ろしいな」
「そうだと思い頑張りました」
「さすがマスター・ナディです」
「その体は大丈夫なんじゃろうな?」
「はい、また修理します」
そう、壊れた体はまた直せばいい。
一番肝心な頭と人工魔心に関しては守りきった、この二か所さえ潰される事がなければ何度でも直す事ができる。元の世界での技術は確立された現状では、私の体は不死身に近いだろう。
それに、今回の戦闘でここまでの損傷を与えられたという事は更なる改良の余地が必要とのこと。
次はさらに強力な体へと作り替えなければいけない。
説明を終えた後、アレクを呼んだ。倒した人族の兵士たちが使っていた装備類を回収している所だった。
そのまま放置する事は出来ないので、使えそうな物だけ回収して残りは燃やし尽くすらしい。
アレクは大きな鎌を背負ったままこちらに合流した、私が呼んだ理由を説明していく。
「突然すみません、私はナディと申します」
「おう、俺はアレクってんだ。なんだ急に?」
「先の戦いぶりを拝見させて頂きました、中々の戦いっぷりでしたね」
「まだまだ暴れ足んねぇけどな」
「つきましては、貴方を私の元へと付いてきて欲しいと考えております」
「なんだ、また急に?」
龍の力についての説明と、水の力を担う者が決まっていない事を告げて、その力をアレクに受け取って欲しいと話す。
初めは困惑した表情をしていたが、水の力を担うにあたって海族以上の者はいないと考える、その中でも一番強い者であるアレクであれば適任だと考えていると伝えた。
しばらく考え込んだ後、私の手を握った。
「わかった、その話に乗ろう!」
「ありがとうございます!」
「いやいや、こちらこそ!」
「それでは早速ではありますが、私たちと共に竜族の里へと向かって欲しいのですが」
「あぁ、善は急げだな!」
私たちは今回の戦いの後処理を手伝い、全てを終わらしてから竜族の里へと戻る事にした。
集めたいらない物をまとめてコハクとサクラが全て燃やし尽くす、使えそうな物はいくつか持って行っていいとの事だったので、何点か抱える。
そうして私たちはアレクを加えて海族たちの元を後にし竜族の里へと戻る事にする。
道中は極力人族の兵士が通ってきた道を通る様にする。逃した敵がいないかの確認と、第二陣や第三陣などさらなる侵攻が無いかを確認する為だ。
一気に戦力を注ぎ込んだのだろう、竜族の里へと戻る道までは特に異常らしいものも無かった。これでしばらくは安心だろうが、帰ってこないとなるとさらなる増援を送り込む可能性もある。
その事はガリドンも承知の上らしく、しばらく休憩したら荷物をまとめて住処を移動するらしい。
その移動先として竜族の里を頼りたいとの事だったので、私たちはその確認もしないといけない。
ここまで来た以上、戦力は固まっている方がいいと。
コハクも同意見だった、私たちのファストエンドはそのままで、戦力の増強に努める計画だ。
私も街に戻って体を修復したい。
竜族の里では設備と素材が足りないからだ。
そうこうしているうちに、竜族の里へと到着する。
まさに日帰りで戻ってこれたので、セイたちも驚いてはいた。
そして、海族と人族との争いについて事の顛末を全て伝える。竜族としては向かい入れる事は大丈夫との事だったので、伝令役として竜族の数人に向かってもらった。
私たちはこの場に残り、武器を作り上げる必要がある。コハクの刀に、アレクは大鎌だろうか。
ジャスティスの武器もこれからだろうし、後は私の武器だけだ。
ここまでの間に、ある程度の設計図は出来ている。
最後にすり合わせをして作り上げる。
これで龍の力を担う者が揃う、さらに戦力を上げる為にはそろそろ魔王心の解放と継承について、突破口を見つけないといけない。
まだまだ手探りな状態。
何か鍵となるものが見つかればいいが。
78話ご完読ありがとうございました!
昨晩は三話続けての投稿となりましたが、これから毎日の投稿を目指して頑張ります!!
引き続き応援のほど、よろしくお願いします!
また次話でお会いしましょう!(^^)




