【第71話】龍の力
どうも、ノウミと申します。
まだまだ作品数、話数としては少ないですが、これから皆様の元へ、面白かったと思って頂けるような作品を随時掲載していきますので、楽しみに読んでいただければと思います。
沢山の小説がある中で、沢山の面白い作品がある中で私の作品を読んでいただけた事を“読んでよかった”と思っていただける様にお届けします。
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スタンドレスに戻った私は、全員を集めて事の顛末と、カリナの話が真実だった事を告げた、そして敵の戦力が見えてきた事なども踏まえて。
ガスールはクロハと面識もあったようで、かなり衝撃的な話になってしまったようだ。初めは信じれないと言っていたが、状況を細かく伝えると信じるしかないと思ったようで苦しくも飲み込んでいた。
そうしてその場の全員に、火の龍について何か知ってる事はないか問いかけたが、誰もその存在については知っていても、見かけた話等は聞いた事が無いと。
そもそもがこんなに出会う事自体珍しく、おかしい事らしい。
「今、龍の力につては風をクベアが、その他の土に関しては空白、今回新たに手に入れた水と雷に関してはこれから選定していく予定です」
「ナディ様、少し意見よろしいでしょうか」
あれ、様なんてつけていただろうか。
「はいジャスティス、何でしょう?」
「私は土の原素を有しております、どうか私にその力の一端を担わせていただけないでしょうか」
「土だったのか?」
「はい、正直疎ましくは思っておりますが、昔から“天族のくせに土なんて”と言われてきました。ですが、今はそれのおかげで皆を守れる力を手にする事が出来るのであれば、迷わず掴ませて頂きたいと進言します!!」
正直、ジャスティスについては戦闘の様子を見た事がない、それに術式をどこまで扱えるのかも不明。
それに竜族の王、セイも土だったはず、ここをどう考えるか話し合う必要があるだろう。
「わかりました、少し考えます」
「はい、是非にお願いします!」
そして水はタルトーに、電は私かファーネか、今回は宝玉を作るほどの余裕もないので、いずれにしても一人ずつのみ。
さて、どうしたものか。
「私はこれらを持ってもう一度、竜族の里に行く必要があります。またここを留守にする事になりますが、皆さんお任せできますでしょうか」
「今回は私も同行します」
「わかりましたサクラ、お願いします」
「私も宜しいでしょうか!!」
「ジャスティスもですか?」
「はい、私が戦えることを証明したいと!」
先ほどの龍の力についてだろう、この二人がついてきてもここの守りは万全だろうから問題ない。
「分かりました、二人とも準備を済ませてください」
「私はいつでも大丈夫です」
「俺はいつでも大丈夫です」
「よし、でしたらこのまま行きましょう」
そうして戻ったばかりではあるが、すぐに竜族の里へと戻る為に向かう事にする。慌ただしくもあるが、それほと急いで動いていかないと手遅れになる可能性があるからだ。
最良最短の動きをしていかねば。
またしても森を抜けて大峰魔山の洞窟に入っていく、ここまでは二人とも飛行が可能なので、私はサクラにおぶさりながら飛んで行っていた、流石に洞窟の中を飛ぶのは危ないので、ここからはいつも通り徒歩で向かう。
ここを後何回往復するのだろうか、この山を一直線にぶち抜けたら楽なんだろうが、それは風龍が許さないだろうな。
そんなことを考えながら歩いていると、突如地鳴りがする、もしかしてまたゴルマイガが遊びに来たのか。
と思ったが、ただの地鳴りだった。それは次第に大きくなり、天井に亀裂が入り上から崩れた岩などが落ちてくるほどだった。
「上にも注意してください、こんなところで生き埋めになるのは笑えませんからね」
「「 はい 」」
かなり長く続いた地鳴りは、落ち着きを取り戻す。
とくに大きな被害もなかったので、とりあえず走ってこの洞窟を抜ける事にする。
そこからは特に何が起こる事もなく、無事に竜族の里へとやってくる事が出来た。
竜族の里は、何故か騒がしく皆が動き回っていた。
「あの、何かあったんですか?」
「おぉ、あんたかいな。いやーっ、さっきの地震よ。何人か怪我人も出てな大慌てやで」
かなり大規模な地震だったらしい、ここいら一帯が激しく揺れたのだろう、よく見ると倒壊している建物も散見されていた。
「二人とも、とりあえず今は手を貸しましょう」
私とサクラは走り回りながら、倒壊した建物に巻き込まれた人はいないか確認してまわっていく、ジャスティスには空から異常がないか偵察してもらった。
一通り確認を終えると、大きな怪我人はいないようで安心する、行方不明者もいないようなので一旦は落ち着いたといった所だろうか。
「おぉ、ナディ。もう戻ってあったのか」
「コハク、つい先ほど戻ってきました。洞窟の中で揺れたので走ってきましたね」
「こんな事は生まれて初めてじゃ」
「地震は今までに無かったのですか?」
「なんじゃ、じしんと言うのか?そうじゃの…妾が知る限りでは無かったの」
「かなり昔じゃが一度あったぞ」
「タルトー、かなり昔にですか?」
タルトーが小さかった時に、一度だけ似たような地震が起こった事があったそうだ、その時は大地の怒りだ言って大騒ぎになったが、それ以降は特に何も無かったと。
という事は、これも私の知る普通の地震なんだろう。
そう安心していると、遠くの森のから激しい爆発音が鳴り響いた。咄嗟に全員が身を屈めるほどの、音と振動が伝わったくる。
音の方へと目を向けると、激しい炎の柱が立っているのが確認できた、明らかに異常事態だと分かる。
空からジャスティスがこちらに向かって降りてくる。
「ナディ様、ご存知かと思いますが急に炎の柱が噴き上がりました!!」
「えぇ、そのようですね…あれは一体?」
取り敢えず現地に行って確認するしかない、ただあの炎の付近まで行くと人族と鉢合わせになる可能性もある、あれだけのものが急に現れたのだ、向こうも無視はしていないだろう。
「取り敢えず私たちだけで見にいきましょう、放置するには事が大き過ぎます」
私たちは炎が噴き上がる方に向かって走っていく、ジャスティスには引き続き空からの警戒をお願いする。
森の中を私とサクラ、コハクにタルトーが走りながら向かっていく。
向かっている途中もその炎は衰える事は無かった、変わらずに激しく燃え上がっている。近づけば近づくほどにその熱気、燃え広がる森に行く手を阻まられる。
このままでは森が全て燃え尽きてしまいそうな程の勢いで、炎が増している。
「タルトー!あの魔道具は持っていますか!?」
「あるぞ、でもどうするんじゃ」
「ジャスティス!降りてきてください!!」
そうして降りてきたジャスティスにタルトーが以前に使っていた、大量に水を放出させる魔道具を受け取らせて、上空から水を撒き散らせる。
合わせて、サクラにタルトーを抱き抱えさて、同じく上空から水の原素でさらなる消化に当たってもらう。
このまま燃え広がれば、竜族の里にまで影響を及ぼしかねない、ここで消さなければ。
「コハク、私と一緒に原因を確認しにいきましょう」
「わかった、行こうかの」
人族との戦に備えて私は熱に強い身体を作っている、コハクも火の原素という事もあり耐性を持っている、最悪は纏を発動して貰えばこの炎の中でも大丈夫なはずだ。
そうしてそれぞれが行動を開始する、私とコハクで燃え盛る森の中へと突入し、炎柱の元へと向かう。
目の前まで走ってこれた、コハクもまだ問題ないとの事だった。ここまでの炎柱が上がったので、噴火か何かかと思ったが、マグマのような感じではない。
炎が吹き出している元を確認してみると、地面に大穴が空いておりそこから吹き出しているのだと確認できる、その大穴に近づいてみるがまだ大丈夫だ。
下を覗き込めるような隙間は空いていたので、確認してみると驚くべき光景が広がっていた。
「コハク、あれ見てください!」
「どうしたのじゃ?」
大穴の下では、龍がいたのだ。そして付近の三人ぐらいと戦っているように見える、誰かがあの龍と戦ってその余波で、今回の炎柱が上がっているのかもしれない。一個人で龍に挑むとは、どんな人物が……。
よく見ると、光りながら戦っているのが見える。
「もしかして、あれって…」
「ナディよ、もしかするともしかするのでは?」
考えたくもないが、あそこで戦っているのは間違いなく王燐だろうか。人族も龍の力を奪いに来たらしい、だがあの龍を前にそう簡単にはいかないはずだが。
何か作戦でもあるのか?
71話ご完読いただきありがとうございます!
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