表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
アンドロイド魔王による異世界での理想郷  作者: ノウミ
三章 〜龍の力と魔王心〜
70/111

【第64話】人族の動きについて

どうも、ノウミと申します。

まだまだ作品数、話数としては少ないですが、これから皆様の元へ、面白かったと思って頂けるような作品を随時掲載していきますので、楽しみに読んでいただければと思います。

沢山の小説がある中で、沢山の面白い作品がある中で私の作品を読んでいただけた事を“読んでよかった”と思っていただける様にお届けします。


X(旧:Twitter)でも情報更新しています。

↓是非フォローください↓

https://x.com/noumi_20240308?s=21

突如シャナンに乗り掛かる、カリナ。それを見て斬りかかろうと構えるコハク、守るために駆け出すメイシャン、それを眺めている私。


「ももでしょう、あなた!?」


「だから誰!?」


「この世界で、ここまでの反応を見せる人は異世界から来た人しかいないはずよ、それにあの反応の仕方…私が見間違えるわけ無いじゃない……」


そう言いながら、カリナは涙を流していた。その光景を見たコハクとメイシャンが寸前で止まった。


「もしかして……香利奈?」


「そうよっ!!」


どうやら、二人は元の世界での知り合いだったらしい。それも深い仲であった事が伺える。


「あっははははっ!!赤毛の香利奈じやん!」


「笑いすぎっ!!」


「へぶっ」


爆笑していた頭の上から、拳を振り下ろしていた。

鈍い音と共に、頭を抱えてうずくまる、どこかで見たような光景が広がっていた。


「なにすん……」


カリナは言葉を遮り抱き寄せる。


「生きてたんだね…」


「……うん、一回死んだんだけどね」


「辛かったでしょ」


「うーん、今はもう良いかなって」


「そっか…ももがそう言うなら…」


「まさかカリナもこの世界に来てたとはね」



「後ろから失礼します。積もる話もあるでしょうから、続きはお部屋でいかがでしょうか?」


私は二人に声をかける。ようやく周りの私たちが見ていた事に気がついたらしい、二人は急いで立ち上がってこちらにお辞儀をした。


「コハク、カリナは大丈夫だと思いますよ」


「みたいじゃの、お主と同じ世界かの?」


「ええ、そうらしいです」


「知っておったのか」


「あちらのお二人が知り合いとまでは、知りませんでしたが」


そうして私たちは持ち帰った情報を話し合うために、研究所に戻る事にする。そこで皆に、カリナとメイシャンの事を説明する予定だ、シャナンが補足してくれれば問題ないだろう。




皆が揃った事を確認して、今回の顛末を話していく。

本の内容や地図については読みきれてない部分が多いので、自己紹介も兼ねてカリンに説明してもらう。


初めは戸惑いこそあったものの、シャナンの口添えや人族の内情について話していくと、皆の見方が変わっていった。


「それで、人族の戦力やこれからの動きについてですが……」


ギルテ=ラザール王を筆頭にした王軍、そして最近増やされたという八獄衆、ここまでは皆も周知の通りだった。ここから先が、あるとは思いたく無かったが。


「基本的に人族の軍勢は二つに分かれます、先ほど話しました王軍と、ラザール王が喚び出した【獄魔軍】」


「獄魔軍の中に、八獄衆がいると言う事ですね」


「はい、そうです。そうしてその喚び出し方は奴の持つ本に鍵があります」


「本……ですか?」


その本とは、人族の祖先ノブヨシなる者が遺した本であり、力の全てをそこに記してあるそうだ。


その力とやらが地獄とこの地を繋ぎ、向こうの世界から様々な存在を喚び出す物らしい。以前戦った際に、赤黒い手が現れたのも、刃のようなものを飛ばして、私の腕を斬り飛ばしたのも全て、その本に記されている力の一旦らしい。


クベアが恐る恐る手を挙げ、発言をする。


「あの〜、もしかして八獄衆以外にも?」


「はい、来る予定ではありますが喚び出すには条件がいくつかあります」


「その条件とは?」


「生ける者の命です」


全員がざわつき始める。無理もない、人族がそこまでの悍ましいものに、手を出していたのだから。


「ナディ、おかしいと思いませんか?牢屋に誰も捕まっていなかったのが」


「もしかして」


「ええ、罪人達を生贄にして喚び出しています」


「なるはど、それで…」


「そして、その数は八人以上です……」


その言葉の意味する事は、八獄衆人以外の戦力が投じられているとの事。その数や、個々の戦略については未知数との事だった。


「そこまでの戦力が……」


全員が言葉を失う、ただでさえ不利だったこの戦況の中でさらなる脅威が姿を見せていないのだから。


「そして、皆さんにお伝えしづらい事がもう一つ」


「なんじゃ?」


「皆さん各種族の先王たちですが、魔王心を抜かれて盗み出した黒い箱の中に入っていると思いでしょう」


「そうじゃ、妾も今までに持っておる。これの事じゃろう?」


コハクは懐から、鎖の巻かれた黒い箱を取り出す。


「はい、では種族の王は何人でしたか?」


「元は六人じゃったが?」


「あなたたちは、八獄衆を二人倒しましたよね?」


「何が言いたい?」


「地獄からの喚び出しには、生ける者の命が必要だと話しました、それは地獄の中でも下位の者たちです。災害と言うべき上位の戦力達は違います」


カリナから告げられたのは、コハク達にとって信じたくもない事実。それは、上位の者を呼ぶ時には、自身の心臓、若しくはそれに近いもの(魔心)を抜き出し、死んだ体を元に喚び出される。


その肉体が強者であればあるほど、活動限界は無くなるとの事だった。その為に先王達は利用されたと。


コハクは、それを聞いた直後机を強く殴る。隣にいたガスールも同じ気持ちらしい、拳を震えるほど握り血が滴っていた。


「そして、魔心のあった場所に奴らの【獄心】を宿し、この大地で活動しています」


「先の二人は、先王では無いと?」


「はい、ラザール王も後の二人に捧げたのは人族の中でも強者であるがそこそこの兵士に留めていました」


「妾たちの王が、そのお体がまだ動いていると?」


「はい、非常に言いにくいですが」


「ふぅーっ、きっついのぉ……」


誰もがその話を聞いて話せなくなる。かなりの脅威だと思っていた敵が、人族に利用された先王たちとの事だったからだ。簡単に手が出せなくなるだろう。


先ほど、未知の敵がいるかもしれないと言われた後で、この真実は皆にとって堪える事だろう。


「さらに、もう一つ言いにくい事が…」


「なんじゃ、まだあるのか?」


「はい、こちら側に裏切り者が…います…」


「嘘をぬかすな!」


コハクが鞘から刀を抜き去り、カリナに向ける。今度は、シャナンとメイシャンが守るようにして間に入る。


「刀を下ろしてください」

「刀を下ろせ」


「コハク、落ち着いて……」


「これが落ち着いてられるか!未知の敵の存在!?父上の体が利用されている!?あまつさえ、こちらに裏切り者がいるじゃと!!こんな状況、落ち着いて話ができるわけないじゃろうが!!!」


「証拠ならあります」


「申してみよ!違ったなら、ただでは済まさんぞ!」


「不思議に思いませんでしたが、ここと天族の村への同時強襲、そして天族の村に突如現れた一方通行の光の道」


「だから何じゃ?」


「裏切り者からの密告です」


「そんな奴いるはずがなかろう!!」


「では、今までの話を思い出してください。圧倒的に不利な他種族、先王の体を利用されている事、そして今回の強襲」


「回りくどいぞ!!」


「裏切り者は望みました、生かしてもらう事、先王の体を返してもらう事を」


「言っとるじゃろ!?だからおらんと!!」


「そうして、その情報を確かめるためにここと、天族の村への偵察も兼ねた同時強襲。そして、天族の村への光の道は実験も含めています」


「なら、誰が裏切ったと?」


「私が告げるのは真実です、その上でどう判断し同行どうするかは皆さんで決めてください。私はその者の名前と、この手紙を置いていきます」


手紙を取り出し机に置いた。

そして、しばらく間を置いた後告げられる。


「裏切り者は ー 」

第64話ご完読ありがとうございました!!


中々盛り上がりを見せてきましたね。

ここ最近、少しだけ盛り上がりが少なかったかなと感じていたのは、ここまで溜め込んでいました。


次話でお会いしましょう(^ ^)

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ