【第62話】人族の国からの脱出
どうも、ノウミと申します。
まだまだ作品数、話数としては少ないですが、これから皆様の元へ、面白かったと思って頂けるような作品を随時掲載していきますので、楽しみに読んでいただければと思います。
沢山の小説がある中で、沢山の面白い作品がある中で私の作品を読んでいただけた事を“読んでよかった”と思っていただける様にお届けします。
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残り四人 ー
氷牙の動きもさらに鋭くなっていた、おそらく人数の有利に余裕をかましていたのだろう。二人殺されたこの現状では、余裕がなくなってきたか?
むしろ好都合。
私とカリナは変わらず背中を合わせて、焦らずに冷静に猛攻を捌いていく。但し、時間はかけられない。
この戦闘音に城の兵士が気づけば、それだけでこの状況は一気に覆る。
残り三人 ー
焦った一人の隙をつき、カリナが斬り伏せる。
残り二人 ー
斬り伏た奴を、向かってきた奴に蹴り飛ばし隙を作る、そこを私の銃弾が入る。
こうなってくると一対一の状況に持ち込む事が出来る、互いに目の前の一人に集中する。
暗闇の通路、静まり返る中私たちは、最後の二人を仕留める。大きな怪我もなく分が悪かったとはいえ、よくやったものだと褒めたくなる。
少しの油断で殺されかねない、そんな細い綱渡の上を見事に渡り切ったのだ。
「いやーっ、この日本刀斬れ味えぐいね」
「そちらの腕に驚きましたよ」
「いえいえ、はい、ありがとう」
カリナから刀を受け取り、鞘に納める。
「さて、行こうかおそらく私たちのことは城に伝わったと思うよ」
「これで全員では無いと?」
「うん、遠くから確認している奴がいるはず」
「分かりました」
もう静かに隠れるつもりはない、急いで駆け出し、外隔壁に向かって走っていく。門につけば、また私の反重力で浮かびながら、この国を脱出できる。
門の手前に着く頃には遠くの方で、声が聞こえ始めていた、カリナの言う通り城の兵士たちが追いかけてきているのだろう。
私は走った勢いのままカリナを抱え上げ、反重力を作動させ身体を浮かせる。速度はそこまで速く無い、今の技術ではほんの少しだけ、自身にかかる重力をマイナスにして浮かせるぐらいが限界だ。
「いたぞ!!」「追え!!」「逃すな!!」
そんな声が聞こえているが、その頃には壁の頂上に着いていた、後はここを越えて降りるだけ。カリナを抱えたまま地面に降り立つ。
「さて、走りますよ」
「だね」
ひとまずは国からの脱出を優先したので、スタンドレスとは反対方向の場所にいている。だが、ここで大きく回り込む暇はない、一旦森の中に逃げ込んで息を潜める必要がある。
私たちは森の中へと入り、木々を縫うように走る。
後方から声や、灯りは見えないがそれでも遠くに向かって走っていく。追いつかれたら終わりだ。
しばらく走り、カリナが立ち止まる。
「どうしました?」
「はぁーっ、はぁーっ、はぁーっ……こっち」
指さす方向に向かって走り出した、何かあてでもあるのだろうか。仕方なく着いていく事にする。
走り続けていると、洞窟が見えていた。どうやらあの中に逃げ込むらしい、あそこなら身を潜めるのに最適との事だ。
私たちは洞窟の中へと入り、カリナはその場に座り込む。
「はぁっ、はぁっ、はぁっ、はぁっ、はぁっ」
「ここ、大丈夫ですか?」
「はぁーっ、はぁーっ、ちょっと待っててね…」
息を整え、そう言いながらら奥へと進んでいった。
洞窟の中はここも同じだった発光石のお陰で夜でも明るい、特に灯りも必要ないので奥へと進んでいく。
進んだ先には扉があり、そこを開ける。
何度か来たことがある場所なのだろうか、特に迷ったり戸惑う事なく進んでいく。
扉を閉め、かんぬきをかける。
「これで、一旦大丈夫」
「ここは一体」
「ちょっと休憩させて、色々説明するから」
その場に倒れるように寝転び始めた、完全に油断しきっているようだ、そうなる程にこの場所は安全なのだろう。私も側に座り込む事にする。
次第に落ち着き始め、ゆっくりと深呼吸をする。
「ふぅーっ………さてと、待たせた。話をしようか」
カリナは、こちらに向き直って座る。
「色々積もる話もあるだろうが、まずこの洞窟は安心してもらっていいよ」
「先程も聞きましたが、ここは一体?」
「ここはね、私の隠れ家。誰にも言った事ないし、誰にも見つかった事がないから安心して」
「分かりました、信じましょう」
続けてカリナは話し始める。
ギルテ=ラザール王の娘と生を受け過ごしていた事、大人になってから今の人族のやり方に意を唱えたが、聞く耳を持ってもらえず、終いにはあの牢屋に閉じ込められていた。
意を唱える際に、今やっている事やこれからやろうとしている事を探るために、私に渡した本や地図などを入手したと。
結果は、悍ましい現実を目の当たりにする事になる。
「なるほど、そういった事が」
「でね、今の親父がやっている事に違和感を覚え始めたのが記憶が戻ったからなんだ」
「記憶…ですか??」
「そ、信じてもらえないかもしれないけどね、私この世界と違うところの記憶が残っていたの」
「やはりそうでしたか」
日本刀や拳銃、フラグ回収などの言葉はこの世界では聞き覚えのない言葉のはずだ、これらが口から出たという事は、と思っていたが間違えていないらしい。
「あれ?知ってたの?」
「いえ、憶測でしたが私も同じですので」
「えぇーっ!?そんな身体に転生したの!?」
「あ、いえ、私はこのままです」
「中々苦労してそうだねー?」
「それなりには」
そこからは、私の話を始める。
今回、人族の国へと偵察を行う事になった原因と、今の私たちに置かれた現状について。
「なるほどね…」
「なので、非常に助かりました」
「いえいえ、こちらこそだよ……ところで、さ」
「はい、なんでしょう?」
「ちょっと身体触ってもいい?」
「はい?構いませんが」
元の世界が同じような場所ならば、それほど珍しい者ものでは無いと思うが、カリナはこちらに歩み寄り私の身体を隅々まで触って確認していく。
「ほうほう…ふむふむ…なるほど…」
「あの、何か?」
「いや、ねぇ?…その…さ…」
「あのー?」
「………」
かなり集中しているのか、返答がない。そんなに変な箇所でもあったのだろうか?もしかして、シャナンと同じ技術者とか。
『お嬢様から離れなさい、外道が』
突如、首元に見覚えあるナイフが突きつけられた。
おかしい、どこから現れた。扉は背にしてあるし洞窟の奥は念の為警戒して見張っていた。
この場所には、それ以外にこちらに気づかれる事なく忍び寄れる場所なんて無いはずだが。
『このまま、貴様の首をはねて…』
「あーっ!何でここにるの!?」
やはり先ほどの氷牙が追いかけてきたのだろう、ただ見る限り一人だけのようだ。首を刎ねられたぐらいではこの身体は少しだけなら動かせる。まだ何とかなる。
「ちょっと、メイシャン!離れなさい!」
ん、知り合いか?
『しかしお嬢様、こいつは…殺すべきです』
「いいから離れなさいっ!」
『……ちっ、かしこまりました』
背後の人物は、嫌々ナイフを喉元から話し離れていく、カリナと仲が良いのか取り敢えずは解放された。
私は二人から離れた位置に下がり、拳銃を構える。
「敵ですか?味方ですか?」
「ちょ、落ち着いて、大丈夫だから!」
「では何者ですか?」
「彼女は【メイシャン】、私の専属メイドよ」
メイド?ただのメイドが、存在を気づかれる事なくこの洞窟に潜入し、私の喉元にナイフを突きつけたということか、それにあのナイフは……。
「ただよメイドじゃないですよね、そのナイフ」
「あぁ、メイド兼氷牙の一員ってとこね」
「さっき襲ってきた奴らですよね?」
「…なにっ!?」
「あ、メイシャン違うのこれは…」
「あいつら…私のお嬢様によくも…ぶち殺してやる」
「ちょ、メイシャン落ち着いて!」
「それでなくても、牢屋に入れた奴ら全員を殺し損ねているのだ、一人や二人増えたところで……」
「ストップ!ストーーーップ!!」
「はっ、失礼しました」
「と、まぁ、こんな感じで…ね?味方です」
どんな感じなんだろうか、と言うのは止めておこう。
二人のやりとりを見るに味方である事は、間違いないだろう、この場所は落ち合ったのだろうか。
「そういえばメイシャン、どうしてここが?」
違ったらしい。
「お嬢様の香りを辿って参りました」
斜め上のやばい回答が帰ってきた。
「いや、どうやって入ってきたの?」
メイシャンとやらは、天井を指さしていた。上を見上げると、人一人分の穴が空いているのが確認できた、あの中を通ってきたのだろが、今空けたのか?
「この場所は前々から存じ上げておりました、ここでお嬢様が休まれている時に上から覗…、上から何かあれば、駆けつけれるようにと掘っておきました」
「なるほどね!うん、結果オーライ!」
「いや、今覗くって…」
鋭い眼光でこちらを睨み付けてきた、どうやら深追いはしない方が賢明らしい。カリナも嫌がっている雰囲気はないので、そっとしておこう。
「ではお嬢様、なぜ牢屋を抜け出して氷牙のクソ野郎共に終われながら、あんな奴とここへ?」
これまでの経緯を、カリナから説明していく。
メイシャンの顔は七変化が如く、ころころと変わっているのは少し面白かったが。
「なるほど、先ほどはご無礼を失礼しました」
「いえいえ誤解が解けたのであれば…良いです」
(お嬢様に身体を触られまくっていたのが羨ましかったからとは……)
「ん?何か言いましたか?」
「いえ何も。これからの予定はどうされるのかなと」
「それなら、大丈夫!一晩を明かしたらここを出て彼の街に亡命するつもりだから!」
「へっ?」
「えっ?」
私もメイシャンも、予想外の言葉に驚く。
敵地に乗り込んでくるとは、一体どういう事だ。
第62話ご完読ありがとうございます!!
気がつけば2ヶ月書き続いていました。
ここまで読んでいただけている方は本当に、ありがとうございますm(._.)m
引き続き応援のほど、宜しくお願いします。
また次話でお会いしましょう(^^)




