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アンドロイド魔王による異世界での理想郷  作者: ノウミ
ニ章 〜種族連合と戒族の遺産〜
33/111

【第28話】未来への希望と残された時間

どうも、ノウミと申します。

まだまだ作品数、話数としては少ないですが、これから皆様の元へ、面白かったと思って頂けるような作品を随時掲載していきますので、楽しみに読んでいただければと思います。

沢山の小説がある中で、沢山の面白い作品がある中で私の作品を読んでいただけた事を“読んでよかった”と思っていただける様にお届けします。


X(旧:Twitter)でも情報更新しています。

↓是非フォローください↓

https://x.com/noumi_20240308?s=21

誰か助けて…。

そう願わずにはいられない。

アンドロイドの私が、神に祈りたくなるほどに。


ノイズは出てくる気配がない。

前に聞いた話しなら、この状況を変えるかと。

あんなやつにもすがりたいほど、追い込まれた。


ただ、出てこない、誰も助けてくれない。

ファーネが、このままでは…。



すると、音もなくゼンエンの腕が地面に落ちる。

ファーネは解放されて、その場で倒れる。


「こぼっ……ごほっごほっ…はぁー、はぁーっ」


「ファーネ、大丈夫ですか?」


「はぁーっ……ごほっ、なんとかな…」


ゼンエンの視線の先にはコハクが立っていた。

刀を片手に握り、抜き斬った体勢をしている。

逆手には鞘を持っていたのだ。


『…斬ったのか?』


「さぁの…関係ないじゃろ、お主に」


体の前に構えながら、刀を鞘に納める。

納刀されると、軽く鋭い金属音がなる。


『苦しまずに殺してやる』


ゼンエンの体がコハクに向く。

矛先を変えるように。


「感覚が掴めそうなのじゃ、忘れぬうちにの」


コハクは少し前屈みになる。

頭は下を向け、左の腰に刀を構える。

左手で鞘を、右手で刀の柄を握りしめる。


膝を軽く曲げ、力を込める。


「これは…」


居合い抜きの構えだ。

前に、刀の使い方で映像を出した事はあるが。

この場で、それを習得しようとしている。


『見せてやろう、獄炎の刃を』


ゼンエンが腕を刀のように振る。

その先から、炎が三日月のような形をして飛ぶ。

振るたびに放たれるそれは、コハクに集中する。


コハクはやけに冷静だ。

全身の力が抜け切っている感じがする。

あれでは素早く動かないのでは。


「コハク、危ない!避けや!」


すると、炎の刃はコハクをさけるように過ぎ去る。

先ほどから一つも当たっていない。


その身を構えたまま、地面を蹴り上げる。

勢いよく前に駆け走りだす。


それでも、炎の刃は掠りもしない。


『こしゃくな』


炎を纏った腕が、近づくコハク目掛け振り切られる。



[ 孤月流(コゲツリュウ) 八ノ型(ハチノカタ) 獄斬抜刀(ゴクザンバットウ) ]



引き抜かれた刀は音もなく、迫る腕を斬り落とす。

そのまま胴へ向かうが、浅く斬り込み、止まる。


「ふむ、まだ妾では腕一本が限界かの……」


『ぐあぁああっ……』


「こっちも二人やられておる、腕二本では釣り合わんが、許してくれるじゃろ」


そう言いながら、コハクがこちらに飛んでくる。

私たちを守るように前にはだかる。


『よくも、よくも』


「おぉ、うちのナディみたいに男前になったの」


奴の全身から炎が噴き出す。

まるで火山のように勢いよく、激しい音を立てて。


「無駄じゃ、言ったじゃろ()()()()()()と」


気づいていなかった、空に雲が集まっていた。

タルトーとクベアが纏をしている。

満身創痍で立っている感じだが。


コハクは私たちに耳打ちをし、距離を開け退がる。


「ほんと人使いが荒いの…はぁ…はぁ…」


「はぁーっ…これで、終わりですから…はぁ」


二人は、空に向かって手を上げている。

次第に雲が集まり続けていた。


『お前らはここで、その身を焦がし尽くせ』


「無駄じゃ、ここでお主は死ぬからの!」


『それは、お前らの方だ!!』


コハクが立ち止まる。

振り返ると、私たちの前に立ち、炎を纏う。


『無駄だぁ!』


「それはどうかの」


『獄炎…《《 氷嵐ノ式(ヒョウランノシキ) 積乱爆突(ダウンバースト) 》》


二人が手を振り下ろすと同時に。

天から吹き降ろされる。


それは、意識させる隙すら与えずに。

爆発的な気流を降下させ、ゼンエンに突撃する。

周囲を瞬間的に凍りつかせ、

突風による破壊的な威力となる。


私たちはコハクの熱に護られている。

それでも、凍えるほどの気流が襲ってくる。


クベアが風を操作し、こちらへの被害を抑えてくれる。

おかげで被害は最小に止められていた。


コハクとファーネは衣服が凍っていた。

一面の砂漠が、氷の景色へと変貌する。


私の世界にもあった。

目の当たりにすると、ここまでの威力とは。


「お゛、おぬ゛じ…や゛ずぎじゃ……」


「ざ、ざむ゛い゛ぃぃ゛ぃぃ゛い゛」


「がはははっこれは恐ろしいな」


「きっと、この鱗のおかげだね…凄いや」


ゼンエンは見事に凍っていた。

おそらく、これで死んだのだろう。

奴から熱は感じない。


コハクが徐々に熱を取り戻していっていた。

ファーネと一緒に暖まっていく。

暖かい炎は、私たちを包むように広がる。


私の体も凍りついていたので、ありがたい。


「ありがとうございます」


「なんの、生きてて良かったと思う…」


「ほんまに、危ない橋ばかりやな」


「運も実力の内よの!」


「本当に生きててよかったよー…」


念の為、ゼンエンの元へと歩み寄る。

見事な氷の柱ができていた。

その中心に、動かずに固まっていた。


「やりましたね、これなら大丈夫でしょう」


「あぁーっ!しんどいの!!」


「確かに、この連戦はしんどいですね…」


「どこかでゆっくり休みたいの…」


「確かに、このまま山を登るのは無理やな」


「ここで休むんですか?」


ただ、ここで休むにしては何もなさすぎる。

周囲にしばらく歩けば森はあるが…

幸いな事に山は見えてるので、方向は分かる。


さて、どうしようか。


「とりあえず山を目指そうかの」


「森に入れば、何か物でもあるだろな」


私たちは山に向かって歩いてくことにする。

正直かなり限界がきている様子だ。

私の体も、かなりボロボロになってきている。


サラカントに回復してもらえて良かったと思う。

あれがなければ、ここまで戦えなかっただろう。

鱗と爪も、クベアを尽力してくれた。


運が良かったとしか言えないだろう。


暫く歩いていると、森が見えてきた。

前と同じく、森には入らずに外で休憩をするらしい。

見晴らしもよく、魔物に襲われても対処できる。


森の入り口に到着し、役割分担をしていく。

食材の調達、水場探し、私は本を読み解く事にする。

水が無ければ最悪、術式を使うらしいが避けたいと。


しかし、この手書きの本。

よく完成されている。

所々、間違えた解釈は見受けられるが。

私はこの世界の知識がないので、非常に助かる。


すると、ファーネに声をかけられる。


「あのさ、ちょっとええかな」


「はいなんでしょうか」


「これらってやっぱり君の世界の技術?」


「はい、比較的最新の技術です」


「こんな事言いたくないんやけど、君の世界の技術がこの世界では禁忌とされて、戒族は滅ぼされた?」


非常に答えにくい質問だ。

確かにその通りなのだ、戒族の昔からあった技術を飛躍的に向上させた結果が、破滅を呼んだのだから。


「はい、大変申し訳ございませんが……」


「そっか…そうなんや…」


「本当にすみません、私の世界の技術が…」


「いや、ええんよ…実は戒族の中でも、昔ながらの技術を使う派閥と、最新の技術を使う派閥で争い合っとったんよ」


「その中心がこの本だったんですね」


「せやね、まぁどの道人族の侵攻は変わらんけどな」


昔から、生命人形(ゴーレム)人造体(ホムンクルス)を作る技術は、門外不出で確立されていたそうだ、ただこの技術が長い間進歩しなかったと。


そこに、私の世界の本がなんらかの原因で届く。

それをどの時代かの人物が、読み解き加速させた。

戒族の技術全てを。


それに反発する保守派もいたと言う事だが。

それらから隠れるようにしていたのだろうか。

ファーネの恩人という人物は、二人を守りながら、技術の伝承と進化を進めていたのだろう。


「この本の持ち主は素晴らしい人でしたね」


「せやね、私たちの恩人や」


「そういえば、あの扉があった理由などは分かりましたか?」


「あぁ、その事な……この本に挟まっとった手紙に全部書いてあったわ」


「そうでしたか、それで涙を?」


手紙の内容は、ファーネに宛てた物らしい。

このまま、戒族の技術を扱ってしまうと、人族に狙われる原因になり殺されるかもしれないと。

それを防ぐために、あの扉の作成を止めた。

開発すらもやめさせた、本当にすまないと。


それでも、楽しそうに作る姿は最後まで覚えていた。

戒族一の技術者になれる素質もあったと。

その道を途絶えさせてすまない。


「最後にな、この手紙を呼んだって事は、それだけ諦められへんって事やから本を託すって」


「それがこの本ですか」


「せや、私の為に厳選しておいたって…それでもな、中身見ても理解できひんかってん……」


ファーネは泣いていた。

己の未熟さに書いているのだろう。

恩人が残してくれた本を理解できない事に。


「ファーネ、私が付いています」


「へっ?」


「私にはご覧の通り、腕がないですから、口先だけのやつなんです」


「ははっ、なんやそれ」


「でも、お伝え…教えられる事な沢山あります」


「君が?」


「そうです、私が教えますから…一緒に戒族の技術を復活させ、人族に復讐を成し得ましょう」


「せやな…せやな……ありがとう…」


泣きながら、私に感謝をしていた。

途絶える事がないことに安心したのだろう。


握手をしようとしたのか、腕を伸ばす。

が、腕のないことに気づき引っ込めた。


「はははははっ」


「はははははっ」


これで少しの希望と、未来が見えた。

この体は近いうちに崩れ、壊れていくだろう。

それまでに、ファーネに全てを伝える。

時間は限られている、少しも無駄に出来ない。

やれる事を確実にやっていこう。


それが、私の罪滅ぼしにもなるのだから。

第28話ご完読ありがとうございました!


ようやく、八獄衆の一角を倒し切りました。

どうやって倒すかは悩みましたー!

そのおかげか、時間かかりました。


読んでいただきありがとうございます!

また次話でもお会いしましょう(^^)


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