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アンドロイド魔王による異世界での理想郷  作者: ノウミ
一章 〜種族の王と魔王心〜
14/111

【第11話】宝物庫と王の私室

どうも、ノウミと申します。

まだまだ作品数、話数としては少ないですが、これから皆様の元へ、面白かったと思って頂けるような作品を随時掲載していきますので、楽しみに読んでいただければと思います。

沢山の小説がある中で、沢山の面白い作品がある中で私の作品を読んでいただけた事を“読んでよかった”と思っていただける様にお届けします。


X(旧:Twitter)でも情報更新しています。

↓是非フォローください↓

https://x.com/noumi_20240308?s=21

外には人が増えてきたのか、声が大きくなってきた。

私達は、黒い箱の置かれていた部屋の中で準備する。

ここら逃げ出せれば目標は達成。

今はまだ、無理に戦う必要はない。


ラクーンが術式を唱え、部屋の壁に穴を開ける。

予想通り、外の景色が広がっている。

穴を人が通れるぐらいの大きさまで、広げていく。


コハクは、台座を倒したり、壊したりしながら部屋の中を荒らしていた。


「姐さん、こんなもんでしょ」


「そうじゃな…隠れるぞ」


再び隠蓑ハーミットを羽織り、ドアの内側…部屋の隅へと3人とも移動をし、息を潜める。

どうやら、私を助けてくれた時と同じ方法で、この場をやり過ごすらしい。


私が、先ほど塞いだ扉から叩きつけるような音が、こちらまで響いてくる。


暫く扉を叩きつける音が続いていた。

静かになったと思えば、今度は爆発音が鳴り響く。

それと同時に、大量の足音が中へ入ってくる。


『周辺を警戒せよ!!くまなく探せ!!!』


『『『『『 はっ!!! 』』』』』


『門番が殺られています!発見しました!』


『賊めがぁ〜…ここをどこだと…』


慌ただしいやり取りが聞こえてくる。

部屋中に、打ちつける様な足音が響く。

鎧を着ているのか、金属の音も聞こえる。


『班長!奥の扉が開いております!』


『なっ!?あそこには…!全員あの部屋に迎え!』


足音がこちらに向かい、大きくなる。

数もかなりのものだ。

1人、また1人と…続々と私たちのいる部屋に入る。


『班長!人影なし!台座が荒らされています!』


『奥に穴が見えます、恐らく外に…』


『ここにあった【黒闇ノ棺】はどうした!!』


黒闇ノ棺…先ほど回収した黒い箱の事だろうか。


『見当たりません!それらしき物もありません!』


『外にも人影は見当たりません!逃走されたかと!』


『くそぉっ!!』


男は、被っていた兜を勢いよく、外へと投げつける。


『数人はこの部屋に残り、なにか探し出せ!残りは二手に分かれて、部屋を出て中を探す部隊と、穴を通り外を探す部隊に分かれろ!!』


『は、班長はどちらに…?』


『お、おお俺か!?俺は…あれだ…王に報告だ!』


『か、かしこまりました!』


かなりの人数が二手に分かれ、散っていく。

残ったのは…目視で確認できるだけで5人。

向こうの部屋にもいる可能性は捨てきれない。

声も出せないこの状況で、思考を巡らせる。

今できる、最善の策を考える。


暫く潜み続ける事にした。

もしかしたから、人数が減るかもしれない。

奥の確認さえできれば、こちらも動けるのだが。


(やるぞ)


こちらが考えてるうちに、覚悟を決めたのか。

コハクが呟く、かろうじて聞き取れるぐらいの声で。

ラクーンがそっと扉を閉める、扉が動いたと同時に、部屋にいた5人、全員が扉に目をやる。


コハクがレイピアを構え、駆け出す。

ラクーンは扉を背中で押さえながら、杖を構える。


《 土ノ拘束ソイル・バインド 》


螺旋状に駆け上がる土で、3人の動きを封じる。

他の2人は、反応が良く…躱された。


私とコハクは、その2人を見逃さなかった。

眼前の2人が体制を整える前に、動き出す。


コハクは兜と鎧の間を狙い、喉元を突き刺す。

そのまま両手で握り、首を刎ね飛ばす。

私はトンファーを回転させ、長い針で、鎧ごと胴体を突き刺す。

それと同時に、電流を流し込み内部を灼き焦がす。


ラクーンが続けて術式を唱える。


《 土ノ棘針ソイル・ニードルスピア 》


先程まで拘束していた3人を、地面から飛び出した針に、血飛沫と共に貫かれた。

運良く生き残った者には、私が顔に手を当てながら、直接電流を流し込み、確実に息の根を止める。


瞬く間に、部屋に残っていた5人が床に転がる。

扉の方に意識を向けるが、異常はない。

ラクーンがそっと扉を開け、外を確認する。


「誰もいない…こいつらだけだ…ごほっ…」


「大丈夫か、ラクーン」


「まだまだ大丈夫ですよ」


「そうか…しかし、何とかなったの」


「はい、危なかったですけどね」


「お主らを信じておったから、動いたのじゃ」


信じるという言葉は悪くない。

私もコハクとラクーンを信じている。

この信頼を裏切りたくないものだ。


「さて、どうしましょう?ナディのセンサーはもう使えないんだろう?」


「はい、奴らが言っていた黒闇ノ棺が近くにあるせいなのか、全く作動しなくなりました」


「よし、隊列は変わらず行くぞ、俺が前を歩くから慎重に地下へと向かおう」


「うむ」


足早に部屋を出て、周囲を警戒しつつ、廊下を見渡す。

目視で確認できる範囲には、何もいないらしい。

足音をたてないように、階段へと向かう。


階段に到着し、下を覗いたラクーンが答える。


「やばいな、下が騒がしい。外に逃げたと思わせたからのか、このまま下に降りるのは危険だ」


「ふむ、強行突破も難しそうか?」


「数が多すぎますね、辿り着けないでしょう」



「あの、あえて上に行くのはどうでしょう?」


「逆方向だぞ?」


「この場所や、下に降りると、上下の挟み撃ちに遭う可能性があります。最上階ならまずはその心配はないかと」


「なるほどの…取り敢えず上がってから、別のルートを模索するのじゃな」


「はい、それに私が、一定距離離れて単独で動けばセンサーも作動するはずです」


「それでは、お主が危険じゃろ他に案があるはず」


「言い合ってる時間はありません、これが最善です」


「し、しかし、お主…」


「姐さん、ナディの言う通りです。このままでは最悪、全滅すら有り得ます。可能性が少しでもあるなら…」


「コハクの命を、私は預かっています。お返しするまでは壊れる事はありません。命令には忠実ですから」


「…なら、さらに命令じゃ…“死ぬな”…」


「かしこまりました」


私は身を翻し、2人と距離を空ける。


[ 探索/検索スキャン開始 ]


私は廊下を進みながら、作動する範囲を探る。

どうやら、探索範囲のギリギリ外らしい。

もう一度2人の元へ戻り、2人がセンサーの範囲に引っかからないので、自身の後方警戒をお願いする。


さて…ここからが正念場だ。

実は、[ 探索/検索スキャン ]の調子もあまり良くない…先程よりかはクリアになっているが、モヤがかかっている様な状態が続く。

あの2人を守れる範囲を意識し続ける。


慎重に廊下を進みながら階段を探す。

奥から兵士が2人ほど、こちらに向かって来る。

私は、隠蓑ハーミットに身を包みながら構える。


すれ違う兵士にトンファーを突き刺し、電流を流す。

先程と、同じ要領で処理していく。

その場に倒れ込み、動かなくなった兵士は、近くの部屋の中へと押し込む。

進行方向に現れる兵士は、同じ要領で処理し続ける。


エネルギー量も半分を切ってきた。

まだ余裕はある、この調子で廊下を進み続ける。


2人に、これ以上の負担をかけるわけにはいかない、特にラクーンには…。


暫くして、ようやく上へと続く階段を見つけた。

上には何の反応もない、視界の先にも誰もいない。

2人が、私の側へと駆け寄る。


「おい、大丈夫か?」


「そうじゃお主、無茶しとらんか?」


「はい、大丈夫です。エネルギーもまだあります」


「いや、そうじゃなくて……」


「ナディよ、上はどうじゃ?」


「問題なく上がれそうです、先程と同じく、私が先行しますので着いてきてください」


ラクーンが何かを言いたそうにしていたが、今は気にしている暇がない。

そういうと私は、上を警戒しながら登っていく。

最上階のフロアには、長い廊下と部屋が一つだけだ。

両端には、廊下を蝋燭が明るく照らしている。


2人が登ってくるのを、上から見ながら待つ事にする。


『お前か…騒がしい原因は』


背後から声がしたので、咄嗟に振り返る。

だが、誰もいない。反応もなく何もない。

トンファーを両手に構え、周囲を警戒する。


おかしい、[ 探索/検索スキャン ]には何も反応しない。


『何しにここに…って無粋だな…魔王心だろ?』


声がずっと聞こえてるのに、姿が見えない。

周囲を見渡すが、何もない。

下の2人は、声に気づく事なく登ってくる。


『持ち出されると困るんだ…置いていけ…』


ハッと気がつく。扉の向こうから聞こえると。

その、聞き覚えのある声に気づいた時には、遅かった。


「ラクーン!!コハクを連れて!にげt……」


突如、地面から勢いよく赤黒い腕が、こちらに向かう。

私は、反応できずに身体を鷲掴みにされる。


「くそっ!離せ!」


鷲掴みにされた、大きく赤黒い腕は振り解けない。

トンファーを伝って全力の電流を放つが、まるで反応がない。


動けずにいると、ラクーンが下から声を上げる。


「ナディ!どうした!大丈夫か!?今向かう!!」


2人の駆け上がる足音が、激しく大きくなる。

私の声は届かず、私の元へ駆け寄ろうとしている。


「来てはダメです!こいつは…こいつは!!」


遅かった、2人が視界に入る。

だが、駆け上がってきた2人の視線は私ではなく、私の後ろに向けられた。

またあの声が聞こえる、憎き声が。

ラクーン王の声が。


『なんだ、たった3人か…舐められたものだ』


扉から出てきた奴は、あの日見たままだった。


『ったく、宝物庫の守備班はなにをしておる…』


俺をこの世界に送りつけた元凶、この世界の絶対悪

第11話の投稿となります!完読ありがとうございます!


話を続ける、表現を文章にするって大変ですね!

伝わるかな?伝わってるかな?

と不安になりながら、何度も読み返し、

緊張の“投稿”ボタンを押しています。


また次話でもお会いしましょう!(^^)

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