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アンドロイド魔王による異世界での理想郷  作者: ノウミ
一章 〜種族の王と魔王心〜
13/111

【第10話】潜入と悲願

どうも、ノウミと申します。

まだまだ作品数、話数としては少ないですが、これから皆様の元へ、面白かったと思って頂けるような作品を随時掲載していきますので、楽しみに読んでいただければと思います。

沢山の小説がある中で、沢山の面白い作品がある中で私の作品を読んでいただけた事を“読んでよかった”と思っていただける様にお届けします。


X(旧:Twitter)でも情報更新しています。

↓是非フォローください↓

https://x.com/noumi_20240308?s=21

私とコハク、ラクーンの3人は隠れ家にいた。

今夜は作戦決行の日だ。

各々が潜入作戦に備え、準備を整える。

隠蓑ハーミットを羽織り、武器と巻物を懐にしまう。エネルギー量もライタに、100%まで補充してもらった。

2人も同じく問題ないようだ。


最終の打ち合わせに入る。

私たち3人で潜入、魔王心のありそうな王の私室と、宝物庫を探しながら内部を探索。

発見次第、奪取。その場から逃走。

問題が発生した際は、その場で対応。

ライタとタルトーが、城の周辺にて万が一に備える。


「さぁ、いこうかの…妾の命、預けたぞ」


そう言うと3人は、城を脱出した時の通路を奥へと進んでいく。様々な思いを抱え、城へと向かって進んで行く。

城の厨房へと続く扉を開けると、クベアが扉の前で待っていた。

彼は、今にも泣き出しそうな顔をしている。


「姐御ぉ〜ようやくなんですねぇー!」


「しっ!声がでけえよ!」


「よしよし…よく耐えたの、ありがとう」


泣きそうな顔を堪え、こちらに顔を向ける。


「この前はお互いにバタバタしていましたね」

[ナディさん…どうか…どうか姐御と兄貴の事よろしくお願いします……また無事な姿で会いましょう」


クベアが私の手を握る。

感覚はないが、きっと力強く握っているんだろう。

私は、クベア手にそっと手を添える。


「はい、精一杯お二人の力になります」


「さて、時間もないからの…お主には伝えてあったが、ここにいて欲しい…ここは任せた」


「もちろんです!任せてください!」


「だから、声がでけえって!」


クベアは大きく胸を叩き、胸を張る。

ずっと待ち望んでいたのだろう…たった一種族で。

少ない人数で、見つからないように息を殺し。

今日のこの時を、ずっと待ち続けていたのだろう。


「そういえば変わった事は無かったか?」


「ないよ、兄貴!いつも通りだったよ」


「了解」


「さぁ、ここから敵城じゃ。気を抜くでないぞ」


「「 はいっ 」」


私はここから[ 探索/検索スキャン ]を全開にする。

腕の見せどころだ。最短ルートで、誰にも見つからないように、目的の場所まで導いてみせる。


とりあえず、このフロアには誰もいないようだ。

2人に指示を出しながら、先頭にラクーン、真ん中に私、後ろをコハクが警戒しながら進んでいく。


厨房を出て、階段を登り、1Fのフロアに到着する。

ここに、目的の部屋がないか調べていく。

そんなに多くはないが、廊下を数人が歩いていたり、各部屋にも人がいたりいなかったり。

特に変わった特徴のないフロアだった。


「恐らく、ここには何もなさそうじゃな」


上のフロアに続く階段を探し始める。

この城は、各フロアごとに階段の位置が変わるので、フロアを移動するだけでも[ 探索/検索スキャン ]を使いながら慎重に進む。


廊下をすれ違うのは、メイド服を着た女性や、燕尾服を着た執事ばかりだった。

隠蓑ハーミットのおかげか、こちらに気づかれずに進むことができている。

息を殺し、接触しないように動きを見て、慎重に一歩ずつ確実に歩みを進めて行く。


私たちは順調に2Fフロアまで到着した。

召喚に使われた大広間が、この先に確認できる。

ここには、人がほとんどいない。

念の為、大広間を調べる事にする。


「ここがお主の召喚された場所か…」


「はい、ここで召喚されました」


「あの時は危なかったよなー」


「おかげさまで、助けて頂きました」


「こちらこそ、今は助けられているよ」


「ふむ、召喚の術式が床に描かれておるの…一部分、欠けておるようじゃが……」


ラザール王が座っていた椅子なども手探りで探して行くが、めぼしいものは何も見つからない。


「何か引っかかったかの?」


「いえ、特には…ここには何もありません」


ひとしきり探し終えると、3人は大広間を出てさらに上のフロアへと向かい始める。

[ 探索/検索スキャン ]の範囲も限界まで広げていて、今の私に出来るのは半径1kmほど。

センサーの反響エコーと、熱源センサーを使っているので、上下フロアの情報までは届かない。


歩みを進めながら、慎重に警戒と探索を続ける。

見えてきた3Fフロア。

感覚がない私でも何故か感じる、空気が変わったと。

2人も同じく感じ取ったらしい、緊張感が走る。


(ここは、なにかありそうっすね)


(お主も感じるか?ナディ、何か引っ掛かるか?)


(いえ、今のところは。とりあえず、人影もしばらくは反応がないので、廊下を進みましょう)


3人は変わらず縦に並びながら、進んでいく。

一部屋一部屋に[ 探索/検索スキャン ]を通しながら、見落としがないよう確実に潰して行く。

ここでもない…ここにもない…ここにはない…

すると、前方に今までと違う部屋を見つける。

部屋の前には2人ほどの人影が確認できた。

動く気配はない、ずっと立ち続けているようだ。


(恐らく、宝物庫か、王の私室じゃろうな)


(可能性は高いっすね


(ですが、すみません。何故か中までは把握でず、実際に中に入って確認するしかありません)


おかしい、扉1枚ぐらいなら見通せるはずなのに。

中に何かがありそうだ、ただ、あの扉を開けた中には、危険なものが眠っている可能性も高い。

判断ができない以上、決断しかねる。


(何を今更、ここまで来ておるのじゃ、後には引けん以上…進むしかなかろうて)


(後ろは任してください、俺が扉を開けます)


(素早く門番は殺して構わん、妾とナディで左右をやる。ラクーンは扉を頼むぞ)


そう言うと、2人は呼吸を整える。

コハクが鞘からレイピアを抜き、私もトンファーを取り出し準備をする。


「…ふうーっ……行くぞ、3、2……1っ」


3人は、勢いよく扉と門番をめがけ駆け出す。

私とコハクが先導し、ラクーンが後をつける。

周囲の人影は確認終えている、問題ない。


ここには5人しかいない。


『なっ!? なにも…』


声を上げさせる前にコハクが喉元を掻き斬る。

そのまま、レイピアを心臓へと突き立てる。

もう片方の門番へ、トンファーの先端を心臓に刺し込み、口を手で押さえつけ息の根を止める。

それぞれ倒れそうになった門番の体を、音が出ないように抱きかかえる。

ラクーンが扉を開けようとするが、鍵がかかっていた。


予想していたかのように、杖を取り出し唱える。


《 ソイル 》


土が形成され、形を作る前に鍵穴へと入れていく。

形が定まったことを確認し、鍵の形を形成。

そのまま、鍵をこじあけ、扉を開く。

ラクーンが扉を開けながら3人は中へと入る。


中に入り、動かなくなった門番を隅にやる。

部屋の中は灯りがともっていた。

かなり大きい部屋の中には、ガラスケースに入った剣や盾、鎧などが保管されていた。

奥には、宝石の類も確認する事ができた。

この部屋に入ってからも[ 探索/検索スキャン ]は正常に作動せず、何も分からない。


「ナディよどうじゃ?」


「ダメです、すみません…」


「しかたないの、手分けして探そうか」


3人はそれぞれ分かれて、中にあるものを探す。

目ぼしい物は見つからない、魔王心に近い物も見当たらない。ずっと[ 探索/検索スキャン ]を使っているが、モヤがかかったように正常に作動していない。


「姐さん!姐さん!」


奥の方でラクーンが声を上げていた。

コハクが声の方へ向かって歩いて行った。

私は、周囲を探し終えたら向かう事にする。


部屋の中を探し終えたので、ラクーンの元へ向かおうとする。 突然、扉の方で音がした気がした。


(ん?何でしょう…門番が生きていたとか?)


気になり扉のそばまで近づいて行く。

すると、門番ではなく門の向こうから話し声が聞こえてきた。


(しまった…[ 探索/検索スキャン ]が正常に作動していないので、外の状況を把握できていなかった)


(これは、私のミスだ…まずい)


私は、近くにあった剣と槍で扉の取手を固定させる。

外にバレないように静かに差し込む。

これで見つかっても多少の時間は稼げるだろう、急いで2人の元へ向かう。


どうやら、奥にもう一部屋あったようだ。

姿がないので、2人を探すように奥へと進む。


2人の後ろ姿を見つけた。

部屋に入ったばかりなのか、立ちすくんでいる。


「お、おぉ…ナディか…」


「お主もきたか…ようやくじゃ…」





どうやら見つけたらしい…魔王心を。





部屋の真ん中に6つの台座が設置されている。

それぞれの台座に、正方形の黒い箱が置かれていた。

黒い箱が置かれているだけだが、2人には感じるらしい。

その箱の一つから…先代の獣族の王に授かっていた…魔王心を。


「初めて感じたような、どこか懐かしいような…恐ろしいような、頼もしいような…不思議な存在感を発しておるの」


確かに、この部屋に入ってから[ 探索/検索スキャン ]が全く機能しなくなった。

魔王心が原因で、何らかの影響が出ていたのだろう。


すると、コハクが導かれるように、一つの箱へと向かって歩き始める。

その前に立つと、震えながら黒い箱を手に取る。

両手で包めるぐらいの大きさだった。

コハクは涙が溢れていた、そのまま震えながら強く握りしめ。


「おかえり、お父様…」


とだけ呟いた。


この時間を、邪魔したくはなかった。

しかし、時間は残されていない。

何故ならこの作戦が、終わりになるかもしれない。


「コハク!ラクーン!外に人が来ていました、早く回収してここを離れる準備をしましょう!」


コハクは我にかえる。涙を拭い、手に持った黒い箱を大事そうにして、懐にしまう。

ラクーンは、残りの箱を袋に入れ抱え持つ。


「持ち出せるようなもので良かったっすね」


「あぁ…ようやく見つけたのじゃ…」


「さぁ、お喋りをしてる時間はありません、出口は一つです!恐らく、門番がいない異変に気づかれているでしょう。どうしますか?」


「ないなら作ればいいのじゃ…のぉ?」


「やるっすか、俺の得意技っすね」


そういうと2人は準備を始める。

目的のものは奪取した、あとは逃げるだけだ。

この、敵城の一室から。

記念すべき第10話です!!

読んでいただいているか、埋もれているのか、未だよく分かっていませんが!

誰かに読んでいただいていれば幸せです!!


次話でもお会いしましょう!!(^^)

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