【第91話】アレクVSシゴク
こんにちは、ノウミです。
たくさんの小説や素晴らしい作品がある中で、私の作品を手に取っていただきありがとうございます。
これまでに多くの作品を発表してきましたが、皆様に楽しんでいただけるよう、これからも様々な物語をお届けしていきます。
皆様に「読んでよかった」と感じていただけるよう、
一層精進してまいります。
どうぞ、これからもご期待ください。
ー 時は少し戻り
「よし、魔王さんより指示が入った行くぞ」
俺はエルフ族と海族、そしてゴーレムなるものを引き連れて城壁の方へと向かっていて、この城壁をゴーレムの砲撃で崩し中に侵入する計画だ。こんなにも心躍る戦闘は初めてだった、今まで幾度となく人族への進行を進言していたが聞き入れてもらえなかった。
それがここに来て、トントン拍子で話が進んでいった。俺は昔から腕っぷしはあった方だがそれしか取り柄がなかった。それを役に立てたいと考えていたが、その機会が巡り合うことが無かった、今日この日が訪れるまでは。
「頼んだぜ、新しい相棒。水龍刈」
新しく作ってもらった、大きな鎌を片手にゴーレムたちに指示を出す。その腕から放たれる数発の砲撃は見事に城壁を撃ち砕き、俺達が通れるぐらいの大きな穴を開けることに成功する。
ここまで派手な音もなれば隠密もへったくれもない、勢いよくその穴に向かって飛び込んでいく。爆煙の中から場内へと入り込んでいき煙が開けると、その視界に驚く。
「おいおい、早速お出ましかよ」
用意されていたかのように、敵兵に囲まれていた。
俺は手を上げて、入ってくる仲間たちを静止させる。
「良いかお前ら、すでに囲まれてはいるが………」
話を遮るように突然地面から俺にに向かって針のようなものが飛び出してきた、寸前でかわしそれを鎌で斬り飛ばす。明らかに金属製の針には見えたが恐ろしいほどに簡単に切断できた。この鎌の斬れ味を改めて実感する。
「すげえなやっぱり………で、何もんだ?」
明らかに周囲にいる敵兵から放たれたものではなかった、実力の浮いているものが紛れている。そいつは俺の獲物だ、ここに面白そうな奴が紛れている。
「おうおうおうおうっ!いきなり死んどけやぁ!」
逆さに立った髪の毛、コートのようなものを羽織った男が敵兵の中を掻き分けながら出てきた。こいつが、俺の敵か。威圧的な態度や攻撃的な言動、かなり自信があるのだろう。
「なめんなよ、俺が相手してやる。かかってこいや」
「言ってくれるねぇ、俺は八獄衆の一人【シゴク】手前ぇの名は何や?」
「俺はアレク、お前の相手をしてやる」
「ははっ、いいねぇ。こいやぁぁぁぁあっ!!!」
俺は鎌を両手に握りシゴクとやらに向かっていく。
「皆さん、周囲の敵兵頼みました!!」
その言葉とおりに、エルフ族の矢やゴレームの大砲がそこら中に着弾していく。その中を走り進んでいきながら地面から飛び出す針を躱していく。戦場は一気に激化する、その中心で俺とシゴクが衝突する。振り切った鎌を針によって遮られる。
「おっ、この硬度は斬れねぇか」
「舐めないでくださいよ」
更に力を込めて遮られていた針を切断する、さっきの言い方ならまだまだ硬度を上げられそうな言い方だった、こちらも切断できるように力を込めていかないといけないようだ。
そのまま距離を蹴られないように俺の戦いやすい間合いを保ちながら攻め続けていく、周囲の戦況は拮抗しているように思える、敵兵の地獄の地位からとやらの強化についていけているようだ。
「あの魔王さんはさすがだな」
「あぁ?ごちゃごちゃ何言うとんねん」
「お前らの王とやらより、こっちの魔王のほうがいいなって話だよ」
「はっ、それは負けたら言えへんやろ」
「問題ねぇよ、勝てるからな」
俺は一気に合間を詰め寄り鎌を翻す、大きい刃とは逆の小さい刃で素早く斬り込む。その刃は相手の腹部を斬り裂き傷を負わせることが出来た。まだまだ致命傷とはならないので更に追撃する。
そのまま大きく回転し、今度は大きい刃の方で襲いかかる。
その刃は避けきれなかった腕に食い込み、そのまま腕を切断する。
「ははっ、腕一本取ったり」
「なめんなよ………腕一本ぐらいで調子に乗るなやぁっ!!!」
今度は空中に針のようなものが出現し、それは黒い炎を纏い始めた、さっきまでは地面から飛び出していたがそれだけではなかったようだ。地面から迫りくる針と、空中に出現した黒い炎に包まれた針で同時に攻め込まれる。
「[地獄の針千本]や。調子こいてたら、体中穴だらけにしたるで」
「やれるもんならやってみろよ」
「その減らず口も、閉じさせたるわ。灼け死ぬか、射抜かれて死ぬか」
地面からの針は躱しつつ、飛ばされた針は弾き飛ばしていく。まさに千本ぐらいはありそうな量の針が止めどなく、襲いかかってくる。そう長くは保たない、持久戦に持ち込むにしても分が悪過ぎる。
「仕方ねぇ、[水の流撃]」
これで奴をこの戦場から離れた奥の方まで吹き飛ばす、俺が本気で戦うにはここには味方が多すぎる、巻き込む心配があるので戦場を移して仕留めることにする。
「くそっ、なんやこれ」
「このまま移動してもらうよ」
吹き飛ばしたやつを追いかけながら、唱える。
[氷ノ纏・凍潔]
この水龍刈を持ったまま纏を発動すのは二度目だった、一回目はコハクと訓練した時。そして今回、やはり龍の力を感じた、手に持った龍の力の源を感じながら、その力と気配が全身を激流のように激しく駆け巡っていく、気を抜くとその奔流に飲み込まれそうになる。
「ぐっ、ぐぁあっ………ふーっ、ふーっ、ふーっ」
何とかその力を制御し抑え込む。そして、鎌の刃先を地面に突き刺す。
「こんな所まで飛ばしよってから…何すんのや」
「ここから先は、俺だけの世界だ[氷結世界]」
地面に突き刺した刃先を中心に、一気に地面が氷始める。今ではここまでが精一杯、、いずれは天候までも変えていきたいと考えている。
地面を覆った氷は龍の力が込められている、簡単には砕くことが出来ない。
「なめんなやぁ!!」
地面からの衝撃は感じるが、先程まで勢いよく突き出していた針は出てこなくなった。これで地面からの攻撃は完全に封じ込めることが出来た。
「観念しな、これで戦力は半減」
「アホ抜かせ、それでも十分や」
変わらず、空中に黒く燃え上がる針が出現しこちらに飛んでくる、それらを弾き飛ばしたり避けたりしながら構えを取る。水龍刈はいつの間にか、龍の氷像のようなものが巻き付いていた、これも龍の力の影響なのだろう。
思いっきり振り切り、氷の刃を飛ばす。
飛んでいた針を何本かまとめて撃ち落とすことは出来た。
「準備運動は終わり、今度はこっちから……」
「くくくっ、ばぁーか」
気づいた時には遅かった、後ろから左肩を針で貫かれていた。
「ぐわぁっ、くそがぁ!!!」
何とか針から肩を抜きその針を斬り落とす。地面の方を見てみると、数本の燃え上がっていた針が一箇所に集まっていた。恐らく一点に集中させることで亀裂を生み、そこから針を通したのだろう。
俺は氷で肩の傷穴を多い、応急処置を施す。
「作ったな?隙」
肩を抑えながら前を見ると、先程までとは比べ物にならないほどの巨大な針が出現していた。それは、次第に螺旋状に黒い炎を纏い始めてこちらに向けられていた。
「これで死ねやぁぁぁぁぁっ!!!」
放たれる針は避けることは出来ないと感じた、俺は手に持った水龍刈を強く握りしめ答える。
「起きろ、[氷龍刈]」
その言葉と同時に、巻き付いていた氷の龍が動き始めて巨大な氷の刃へと形を成していく。肩に受けた傷のお陰で使えなくなった左腕はそのままに、右腕で振りかぶりながら体を捻る。
「はははははっ、このまま後方のお仲間諸共終いや!!」
迫りくる黒炎の針に対し、全身全霊で氷龍刈振りかぶる。衝突の瞬間、激しい衝撃音と共に水蒸気のようなものが辺り一面に噴き出される。氷の一部分が溶かされて蒸発しているようだ、それでもお互いに勢いは殺されることなくせめぎ合う。
「うおぁぁぁぁぁぁあああああっ[龍刃氷乱]!!!」
その刃は炎を断ち切り、中の針諸共斬り裂く。その衝撃で立ち込めていた水蒸気も半分に割れて消し飛んでいく。
視界は開け、目の前には氷漬けになったシゴクが見えていた、振り切った衝撃波で氷の剣山のようなものが向かっていき、奴を捉えた後に氷の中へと閉じ込めたのだ。
「はぁーっ、やった……ぞ。俺の勝ちだ」
動く気配も行きている様子も見られない。
念の為、歩み寄っていきその氷ごと一刀両断する。
きれいな断面とと共に、滑り落ちていき地面に転がる。
「あとは後方の奴らだな」
置いてきた仲間たちの戦況が気になり戻ることにする。
そこでは、既に決着がついており大きな被害を出すこともなく勝利を収めていた。
だが、まだ戦争は終わっていない。負傷した肩を抑えて、痛みを堪えながら他の戦場に向かっていく。
ご完読、誠にありがとうございます。
今回の作品が皆様の心に残るものとなったなら幸いです。今後も「読んでよかった」と思っていただける作品をお届けしていきますので、ぜひ次回作もお楽しみに。
これからも応援よろしくお願いいたします。
また次話でお会いしましょう(*´∇`*)




