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221-Bの隣人  作者: ERIKA
1/1

紗路久

序章

221-Bその言葉を聞くとある有名な名探偵の下宿の住所を思い浮かべる人が多くないだろうか

そう、かの有名なシャーロック・ホームズの下宿だ

それはいいとして

俺の家の住所は2-21-7

おしい!これが2-21-8だったなら、221-Bに見えなくもなかっただろう

それが災いしたのか俺の親は俺と妹にそれぞれ

紗路久(しゃろく)和音(わと)というある種キラキラネームをつけた

そのため俺たちのあだ名はそれぞれホームズとワトソン

俺はいい俺はいいが、妹なんてそれ男の名だ!

全く自分の親には呆れたものである

その上、コーヒーが大好きな両親は「ベーカーカフェ」というふざけた名前のカフェを切り盛りしてる

本当に……住所が似てるからと呆れたものだ


1紗路久

簡単な説明はいいとして……

改めて自己紹介しよう、俺の名前は穂積紗路久

瓏高校2年の文系、吹奏楽部所属だ

あだ名はホームズ

言っておくが俺は紳士でもないし探偵でもない

普通の高校生だ

まったく……

俺の特技はというと部活でやってるアルトサックスに簡単なデザート作りだ


さて、今日も今日とて学校は普通だ…

「よ、ホームズ今日も機嫌悪悪だな」

「いっとけ、まったく俺はホームズじゃねぇって言ってんだろ」

「仕方ないだろ?名前なんて”しゃろく”そっちを言うよりホームズの方が言いやすいんだって」

「はぁ……親を呪うぜ」

「まぁいうなって、それよりよ、お前に呼び出しだ」

「はぁ!?」

親友の(やすし)にある手紙を渡された

中身を見ると案の定…ラブレターというやつだ

「モテる男は辛いね〜、ま、そうだよな名前といい見た目といい、人気だもんなお前」

「何が言いたい」

「お前の顔…整ってんだもんなぁ、ま、頑張れよ」

背中を押され昼休みに呼ばれたところにいく

1年の女子がモジモジと告白してきた

それはいいそれはいいが…

あんまり気が乗らん

なんせ彼女がみている俺はホームズとしての俺だから

だから悪いが

「ごめん気持ちは有難いが…俺は君の思ってる俺では無い…俺はシャーロック・ホームズのように紳士じゃないし性格もあまりよくない、付き合ったところで君が俺に幻滅するのが目に見える、だから俺のことは諦めるんだ」

そう答えると相手はそんなことは…というが

「わるいな」

そう言って俺はそこをあとにする

相手には悪いが本当のことだ

みんなが見ている俺のイメージは、名前の通り

シャーロック・ホームズのように紳士で賢い

だが、何度も言うが俺は俺だ

申し訳ないがな


その夜

妹の和音につかまり怒られた

「こらお兄ちゃん!また女の子振ったでしょ」

「うるせぇな、仕方ないだろ俺は恋愛に興味無いんだ」

「だといってお兄ちゃんへのみんなのイメージどんどん壊してくんだから!」

「俺は俺だ!ったく、へんなイメージつくりやがって」

「少しは見習ったら?」

「その言葉そっくりそのまま返すぞ」

一つ下の和音はあのワトソンとは違いとっても口うるさい

だが、成績は優秀で理系

それはさておこう、こうして俺が告白を断るとぴーぴーうるさいのなんの

「紗路久そんな怒らないの、それより手伝ってちょうだい」

「わかったよ母さん、それより和音言っとくが俺もおまえもホームズとワトソンじゃないんだ、それは自覚しておけ」

「わかったよお兄ちゃん、まったく性格悪いんだから、あと口も」

「うるせぇ」

下のカフェエリアに降りて俺は親を手伝った

「お、紗路久くんじゃないか、今日のカップケーキ紗路久くんの手作りだって?」

「いらっしゃい、そう俺の手作り、少しピーナッツを入れてみたんだ、どうだ?」

「いいね、ちょっとした歯ごたえがたまにはいい」

常連のおじさんと話す

さすがよくわかってる

この時間がある意味俺のリラックス時間だ

常連のおじさん達は俺のことを俺としてみてくれるからな


そう、これが俺の1日

学校ではストレスが多いがカフェにいればなんともない

俺は紗路久

ホームズじゃない

本当に、住んでる住所と名前のおかげでとばちりだ…



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