第42話 第4週 オールスター戦 第2試合
雨天コールドとなり第1試合は東陣営が3-2で勝利を納めた翌日、絶好の快晴に恵まれた。第2試合の試合前に高原監督は全体ミーティングを行った。
「お疲れ様です。今日でオールスター戦は終了となります。昨日は雨天コールドでの勝ちとなりましたが今日は最後まで戦い抜きましょう。それではオーダーを発表します」
高原先生は第2試合のスタメンを発表した。また、DH制が初めて使われることになった。以下が東陣営のスタメンである。
東陣営 スターティングメンバー
1,高瀬茉希(左) 西林学院
2,大野琴葉(三) 日東高校
3,乃木咲希(DH) 拓明高校
4,中島雪峯(一) 日東高校
5,秋山凜(右) 拓明高校
6,森本由希(捕) 早應学園
7,吉川奈緒子(二) 駒修学園
8,京田比奈(遊) 日東高校
9,山瀬夏菜(中) 清陵高校
P,上原礼子(先) 上東館
となっている。一方西陣営は第1試合のオーダーを入れ替えたオーダーとなった。
西陣営 スターティングメンバー
1,内川春海(左) 流麗学院
2,和田柚希(二) 氷怜高校
3,前川海未(DH) 竜北学館
4,大熊芽愛(一) 名東高校
5,佐藤梨華(三) 法央大付属高校
6,石川友理奈(中) 和賀井学院
7,甲斐海(捕) 法央大付属高校
8,蒼龍美智瑠(遊) 名東高校
9,稲生陽香(右) 久和学院
P,高田雨音(先発) 北栄高校
というオーダーとなった。先攻が東陣営、後攻が西陣営となり試合がスタートした。
一回表、先頭の茉希が初球からヒットを打っていき早速得点のチャンスを作った。この得点チャンスを逃すことはできないと思い琴葉はバントで二塁へ進塁させ、咲希の粘りの打撃によりレフトスタンドへホームランを放ち2-0と先制に成功した。しかし、後続の雪峯が空振りに終わり、凜もライトフライに倒れてしまい3点目を奪うことは出来なかった。
一回裏、すぐにでも追い付きたい西陣営は内川の選球眼により四球を選ばされ、和田のライトへのヒットと前川の内野安打で満塁としなおもチャンスが続くなか礼子は大熊をファーストフライに打ち取るが佐藤に右中間方向への満塁ホームランで2-4とすぐさま逆転されてしまった。それでも石川と甲斐を丁寧に打ち取って5失点目をすることは許さなかった。
二回表、相手先発・高田の緩めのチェンジアップを完璧に捉えて由希はレフトスタンドにホームランを放ち3-4と1点差に迫るも奈緒子・比奈・夏菜がゴロや三振で凡退してしまったことにより同点に追い付くことが出来なかった。
二回裏、蒼龍にライトへのツーベースヒットを放たれるが稲生をピッチャーゴロに打ち取り1アウト。しかし、そこから崩れていってしまい内川にタイムリースリーベースで3-5、和田の四球後の前川の3ランホームランで3-8とこの回でも礼子は炎上してしまい3アウト取ることが出来ずに降板した。
東陣営 投手・守備交代
上原礼子(先発)→大野琴葉(中継ぎ)
大野琴葉(三塁手)→村田遥(三塁手)
礼子に代わって昨日登板した琴葉がマウンドに上がった。琴葉は大熊に四球を出してしまうが後続の佐藤をダブルプレーに抑えて3アウトで交代となった。
三回表、茉希から始まる上位打線は高田の変化球に惑わされてしまい茉希はストレートに圧されてしまいキャッチャーフライ、遥の放った打球はフェアゾーンであったが右翼手・稲生の守備に阻まれてライトフライ、咲希のセンターライナーで3アウトとなり交代となった。
三回裏、琴葉は石川・甲斐を空振り三振を奪うが俊足の蒼龍にスリーベースヒットを放たれるが稲生をピッチャーゴロに打ち取り本塁を踏ますことを許さなかった。
四回表、雪峯の四球と凜の2ランホームランで5-8の3点差に詰め寄ることに成功するが後続の由希が見逃して、奈緒子が内野ゴロ、比奈の空振り三振で追加点を奪えなかった。
東陣営 投手交代
大野琴葉(中継ぎ1)→今永芽衣(中継ぎ2)
四回裏、琴葉に代わって芽衣がマウンドに上がった。芽衣は先頭の内川を空振り三振、和田をセンターフライに打ち取るが前川にヒットを打たれてしまった。前川に対しては抑えるのが難しいバッターでありどこに投げても打つため非常に厄介な相手である。しかし、後続の大熊をレフトフライに仕留めて五回表に突入した。
西陣営 投手交代
高田雨音(先発)→鈴木真琴(中継ぎ)
五回表、高田に代わり鈴木がマウンドに上がった。鈴木は夏菜にセンターへのヒットを放たれるが茉希をダブルプレーに抑えて早くも2アウト、遥の打席で四球を出してしまうが咲希をセンターライナーでアウトにして失点を防いだ。
東陣営 投手交代
今永芽衣(中継ぎ2)→祖父江美奈(中継ぎ3)
五回裏、美奈がマウンドに上がり、佐藤に初球からホームランを放たれるが後続の石川・甲斐・蒼龍を三者連続見逃し三振に抑えて最小失点に抑えたが5-9となり逆転は難しくなってしまった。
西陣営 投手交代
鈴木真琴(中継ぎ1)→滝口恵美(中継ぎ2)
最終回となる六回表、雪峯のセンターへのヒットから始まると凜が八球粘る打撃を見せ2ランホームランを左中間に運び7-9とするが由希と奈緒子がサードゴロとセカンドフライに打ち取られてしまい7-9で逆転出来ずに試合終了となった。
試合終了後、高原監督は最終ミーティングを行った。
「試合そしてオールスター戦お疲れ様でした。今日は負けてしまいましたが良い経験になったと思います。今日でオールスター戦は終了ですが再び美奈さんとプレーしたいと思っています。ありがとうございました。それでは解散とします」
「お疲れ様でした!」
1 2 3 4 5 6 計 H
東 2 1 0 2 0 2 7 7
西 4 4 0 0 1 × 9 9
勝利投手 高田雨音 1勝0敗
敗戦投手 上原礼子 0勝1敗
セーブ 滝口恵美 0勝0敗1S
本塁打 乃木咲希(1表) 1号2ラン
佐藤梨華(1裏) 1号満塁
森本由希(2表) 1号
前川海未(2裏) 1号3ラン
秋山凜(4表) 2号2ラン
佐藤梨華(5裏) 2号
秋山凜(6表) 3号2ラン
試合時間 3時間13分
第4週のオールスター戦が終了し東西陣営メンバーと運営側からの閉幕式により全8試合のオールスター戦が終了した。閉幕式終了後、日東高校メンバーは礼子や彩夏、凜や咲希を誘ってご飯を食べに行った。
また、7月の下旬からは全国高等学校野球選手権大会が開催されるため最後の3年の夏となる舞香や志帆は悔いの残らない大会にしなければならない。甲子園の切符を掴むことは出来るのかまずは東東京大会を勝ち進めなければならない。
次回から第3章 東東京大会編に入ります。よろしくお願いします。(11月15日投稿予定)




